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会社法ニュース2024年09月06日 政策保有株式、保有目的変更の開示追加(2024年9月9日号・№1042) 金融庁、有価証券報告書の総会前開示は手続きや事務負担を調査へ

  • 金融庁が2024事務年度金融行政方針を公表。政策保有株式に係る開示事項の追加等を検討へ。
  • 有価証券報告書の株主総会前開示は、開示に係る手続きや運用上の事務負担等の実態調査を実施へ。

 金融庁が実施した令和5年度有価証券報告書レビューで重点テーマの1つとなっていた政策保有株式だが、レビュー結果によると、政策保有株式を縮減する方針を示しているにもかかわらず、売却可能時期等について発行者と合意をしていない状態で純投資目的の株式に変更を行っていたり、又は、発行者から売却の合意を得た上で純投資目的の株式に区分変更したものの、実際には長期間売却に取り組む予定はなく、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっているものが見受けられたとしている。
 このため、金融庁は、令和6年度の有価証券報告書レビューにおいても、政策保有株式及び純投資目的の株式の開示(株式の売却制限等及び長期保有株式の状況)を対象に審査を実施することとしているが、これを踏まえ、令和6年度において政策保有株式に係る開示事項の追加等を検討する方針だ。この点、金融庁が8月30日に公表した「2024事務年度金融行政方針」で明らかとなった。具体的には、株式の保有目的を政策保有目的から純投資目的に変更した際に必要な開示事項等を追加する。内閣府令等の改正が予定されている。
 また、金融行政方針では、コーポレートガバナンス改革の1つに有価証券報告書の株主総会前開示を掲げており、開示に係る手続きや事務負担等の実態調査を行い、関係省庁との協議会を設け、必要な環境整備について一から検討するとしている。
 そのほかでは、スタートアップのM&Aを促進する観点から、のれんを非償却とするIFRSの任意適用の拡大に向けた対応を検討する旨が明記された。のれんの非償却を含めた財務報告のあり方を検討するとし、これに関しては、東証等とも連携し、決算短信において、M&Aによるのれんの償却額等を調整した連結経営成績など、経営管理上重視している指標を業績報告として用いる実務の浸透を図るとしている。
 また、サステナビリティ情報の開示については、金融審議会の「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」で検討されているが、令和6年度中に結論を取りまとめるとされた。加えて、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)で新たにリサーチプロジェクトが始まる人的分野につき、国際的な議論への参画や意見発信を進めるとしている。

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