税務ニュース2025年04月25日 小規模宅地区分巡る更正請求、控訴棄却(2025年4月28日号・№1072) 高裁、利用区分の面積計算の誤りとの追加主張認めず
原告(控訴人)は、相続税の申告における小規模宅地等の特例の適用に当たり、納屋の敷地(75㎡)のみを特定事業用宅地等として申告していたが、倉庫の敷地を含めた418㎡が特定事業用宅地等であり、限度面積である400㎡が特例対象になるとして更正の請求を行った。
一審の東京地裁は、「本件明細書等において、本件倉庫敷地部分が特定事業用宅地等として区分されていたと認めることはできない」「小規模宅地等の区分の事実誤認は、国税通則法23条1項に基づき更正をすべき旨の請求をすることができる事由である『当該計算に誤りがあった』場合には該当しない」として、その主張を斥けていた(本誌1015号13頁参照)。
控訴人は、控訴審における予備的追加請求として、本件納屋の敷地部分について地価税法取扱通達6−3(2)の定めに従って面積を計算するとその面積は154.56㎡となるとした上で、この計算方法を採らずに算定したことにより、相続税法の利用区分の面積計算を誤って納税額が過大となったのであるから、国税通則法23条1項1号に該当する事由が存すると主張した。
これに対し東京高裁は、「本件納屋敷地部分の面積については、控訴人の関与税理士において、現地確認を行った上で課税明細書や登記事項証明書を基にして選択特例対象宅地等の面積を算定した上、本件納屋の敷地部分46.48㎡及び自家用車用車庫の敷地部分28.52㎡とを合算した面積として特定したものであったことが認められる」と指摘。その上で、「本件特例における選択特例対象宅地等の面積を算定するための計算に当たっては地価税法取扱通達による方法が唯一の計算方法というものではないから、上記の算定が地価税法取扱通達の定めるところに従った計算方法によるものではなかったとしても、そのことをもって直ちに上記の算定につき誤りがあったとみるべき法的根拠はうかがわれない」と判断した。
そして、本件明細書等において特定事業用宅地等に区分されているのは本件納屋敷地部分(75.00㎡)のみであることも踏まえ、上記理由についても、本件特例の適用範囲を拡大することを求めるものと解され、更正をすべき旨の請求をすることができる事由には該当しないとして、一審判決を支持した。
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