税務ニュース2025年05月16日 居住用で転貸予定、住宅の貸付けに該当(2025年5月19日号・№1074) 裁判所、居住用とする当事者間の合意があれば契約書は不要
本件は、原告(賃貸人)が、原告が代表取締役を務める法人(賃借人)に対して行った共同住宅2棟の貸付けが「住宅(中略)の貸付け(当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの)」(消費税法別表第一13号)に該当するか争われたもの。原告は、居住の用に供することが明らかにされているか否かは、契約書等の書面により判断するべきなどと主張した。
裁判所は、賃借人が当該建物を転貸する場合や、転借人が再転貸をする場合等であっても、賃貸人の賃借人に対する当該建物の貸付けに係る契約において、転借人等の建物を直接占有する者の居住の用に供することが明らかにされているときは、「住宅(中略)の貸付け」に含まれるものとし、「当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの」とは、貸付けに係る契約の当事者間で、建物を人の居住の用に供することを合意した場合をいうものと解され、契約書等の書面にその旨が明記されていなくてもよいとの見解を示した。
その上で裁判所は、原告は本件各建物を不動産管理会社に「一括借上」として賃貸し、不動産管理会社において各建物を人の居住の用に供するものとして転貸することを予定して一括賃貸借契約を締結したものと認めることができるとし、原告と本件法人は、各建物の賃借人の用途については居住用及び事業用を問わない旨の記載のある覚書を作成したが、賃貸借契約及び各一括賃貸借契約は、実質的には各建物の不動産管理会社との関係での賃貸人を、原告から本件法人に変更するにすぎないものと認められると指摘した。そうすると、原告及び本件法人は、不動産管理会社において各建物を人の居住の用に供するものとして転貸することを予定し、法人と不動産管理会社との間で各建物を人の居住の用に供することの合意を含む各一括賃貸契約の締結をする前提として、賃貸借契約を締結したものと認められるから、原告と本件法人は、賃貸借契約において、各建物を人の居住の用に供することを合意していたものと認めることができると判断。したがって、裁判所は、各建物の貸付けは「住宅(中略)の貸付け」に当たるとの判断を示した。
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