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税務ニュース2025年05月30日 使用料の支払、源泉の法定納期限に留意(2025年6月2日号・№1076) 源泉徴収義務の「支払」とは金銭交付などの債務が消滅する一切の行為

  • 源泉所得税が法定納期限までに納付されたかどうかが争われた裁決(大裁(諸)令6第7号)。審判所、請求人が外国法人への使用料を支払った際に債務は消滅しており、支払期日前に支払をしたことは、請求人が期限の利益を放棄したにすぎず。支払の際に源泉徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに納付する義務あり。

 実務上、源泉所得税の申告漏れといったことはよくある誤りであるが、本件は、源泉所得税が法定納期限までに納付されたかどうかが争われた事案である。所得税法212条(源泉徴収義務)1項は、外国法人に対して国内源泉所得の支払をする者に源泉徴収義務を課しているが、その「支払」がいつであるかが焦点となっている。
 請求人(株式会社)は、外国法人との間で締結していたソフトウェアの使用ライセンス契約を令和5年7月1日から令和6年6月30日まで1年間継続することとし、令和5年5月19日に更新契約を締結した。一方、外国法人は令和5年6月1日に使用料の支払期日を同年7月1日とするインボイスを発行。請求人は、これに基づき、同年6月30日に使用料に係る源泉所得税等相当額を差し引いた残額を支払った。その後、請求人は、同年8月10日に使用料に係る源泉所得税を納付したが、原処分庁は、源泉所得税の法定納期限は同年7月10日であるとし、不納付加算税の賦課決定処分を行ったものである。請求人は、更新契約に係る契約期間は令和5年7月1日からであり、契約期間の開始前に外国法人に国内源泉所得が生じることはあり得ないなどと主張した。
 審判所は、所得税法212条1項に規定する「支払」とは現実に金銭を交付する行為のほか、元本に繰り入れ又は預金口座に振り替えるなどその支払の債務が消滅する一切の行為が含まれるとの見解を示した。その上で、請求人には更新契約の成立により、外国法人に対して令和5年7月1日までに使用料を支払う債務が生じていたところ、請求人は使用料から源泉所得税等相当額を差し引いた残額を外国法人に支払っており、使用料の支払債務は令和5年6月30日に消滅していると指摘。使用料の支払期日前に請求人が支払をしたことは、単に請求人が期限の利益を放棄したものにすぎないとした。また、審判所は、本件使用料は外国法人が国内において行う役務の提供の対価であり、国内源泉所得に該当するため、請求人は支払の際に源泉所得税を徴収する義務があり、徴収の日(令和5年6月30日)の属する月の翌月10日までに納付する義務があるとし、原処分庁の賦課決定処分は適法とした。

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