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税務ニュース2025年10月17日 増額変更契約の成立認め課税売上と判断(2025年10月20日号・№1095) 審判所、変更契約書の記載と別異に解すべき特段の事情は認められず

  • 工事請負金額を増額する旨の変更契約による増額分が課税売上に算入されるか否かが争われていた事案で審判所は、変更契約の成立を認めて増額分も課税売上と判断(関裁(諸)令6第11号)。
  • 請求人は増額分を施主会社から借りる旨の契約成立により変更契約が成立したとはいえない特段の事情があると主張も審判所は斥ける。

 本件で問題となった契約は、金銭消費貸借契約と請負金額を増額する変更覚書(変更契約)である。具体的にみると、請求人と施主会社は、施主会社が請求人に7.5億円を貸し付ける旨の金銭消費貸借契約書を作成する一方で、請負金額を当初契約から7.5億円増額して25.5億円とする旨の変更覚書を作成していた。請求人は、施主会社から送金された7.5億円を長期借入金に計上して元金と利息を支払っていた。一方の施主会社は、請求人に支払った25.5億円を建物勘定等に計上するとともに請求人からの補償金として7.5億円を特別利益(相手勘定は未収入金)に計上していた。
 請求人は、当初契約の請負金額18億円を課税売上として確定申告をした。これに対し税務署は、変更契約により7.5億円増額された25.5億円を課税売上とする課税処分を行った。これを不服とした請求人は、金銭消費貸借契約書は変更覚書に基づく請負金額の増額合意の不存在を確認する趣旨の書面でもあると指摘し、金銭消費貸借契約の成立により変更覚書記載の請負金額を25.5億円とする合意が成立したとはいえない特段の事情があるから、課税売上は当初契約の18億円であると主張した。審判所は、金銭消費貸借契約書に変更契約を失効させる旨の定めがないことなどから、その記載内容により変更契約書の記載内容と別異に解すべき特段の事情があるとは認められないとした。さらに審判所は、請求人が変更契約書に記載のとおりの請求書を発行して施主会社も請求書記載金額を支払っていること、施主会社が変更契約書の請負金額を建物の取得価額として計上していることなどから、請求人と施主会社はいずれも工事請負金額を増額する意思を有していたものといえると判断した。そのうえで審判所は、変更契約書にその記載と別異に解すべき特段の事情があるとは認められず、変更契約書に記載のとおりの契約が成立しているといえるから、変更契約書記載の請負金額25.5億円が課税売上となると結論付けた。なお、裁決棄却を不服とした請求人は訴訟を提起している。本件で問題となった2つの契約について裁判所がどのような判断を下すかが焦点になりそうだ。

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