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コラム2020年05月04日 SCOPE 新型コロナ下での株主総会、緊急事態宣言が開催を左右せず(2020年5月4日号・№833)

大阪地裁、総会開催禁止の仮処分申立てを却下
新型コロナ下での株主総会、緊急事態宣言が開催を左右せず


 東証1部上場の積水ハウスの取締役でもある株主からなされた定時株主総会開催禁止等の仮処分の申立てについて、大阪地方裁判所(髙原知明裁判官)は令和2年4月22日、同申立てを却下した。同社は新型コロナウイルス感染症の影響により、招集通知発送後に定時株主総会の開催場所及び開始時刻を変更したが、裁判所は、招集通知には同感染症への対応が記されていたほか、予定していたホテルの使用が不可能になったことに伴い、開催場所や開始時刻を変更することは、定時株主総会招集決議の執行の域を逸脱するとまではいえないとした。また、裁判所は、緊急事態宣言(4月7日発令)が株主総会の開催自体を決定的に左右する事情であると一般的に評価されているということはできないと指摘している。

経産省・法務省のQ&A、定時株主総会の開催自体は黙示的に肯定

 本件は、積水ハウスが定時株主総会(以下、定時総会)の開催場所及び開催時刻を変更したところ、同社の取締役である株主(債権者)から招集通知発送後に変更したことは違法であるとして(参照)、定時総会の開催禁止等の仮処分の申立てが行われたもの。同社は、令和2年4月23日午前10時に定時総会を招集する旨を取締役会で決議し、4月6日に株主に対して招集通知等を発送したが、4月15日に定時総会の開催場所のホテルが緊急事態宣言により営業休止となったことから開催場所と開催時刻を変更していた。

招集通知に新型コロナへの対応を記載
 裁判所は、会社法上、株主総会を招集するに当たり、取締役会で定めた会社法298条1項所定の事項を変更しようとする場合の要件や手続に明文規定はないとした上で、招集通知の最初の頁には、新型コロナウイルス感染症への対応として、「本定時株主総会運営に変更が生じた場合には、以下のウェブサイトに掲載いたしますので、ご出席の際にはご確認ください。」との一文が明記され、参照先のURLが記載されていたのであるから、定時総会招集通知決定は、新型コロナウイルス感染症の動向いかんによっては定時総会の運営に変更があり得ることを前提としていたことが明らかであり、変更をおよそ許容しない趣旨と解することはできないとした。また、裁判所は、債務者(会社)が予定していたホテルの使用ができなくなったことに伴い、代替会場として隣接する高層ビルを確保し、移動時間を考慮して開始時刻を30分繰り下げる範囲で定時総会の開始時刻及び場所を変更することは、定時総会招集決議の執行の域を逸脱するとまではいえないとの判断を示した。
 そのほか、裁判所は、緊急事態宣言が株主総会の開催自体を決定的に左右する事情変更と一般的に評価されているといえるのであれば、債務者に対し、取締役会を別途招集するなどして、定時総会招集決議に従った業務執行をすべき義務を解除させ、定時総会に関し、流会、延会や継続会を含めた時宜に応じた柔軟な業務を執行可能とする授権を得ることに向けて尽力すべき義務について検討する必要があるとする。しかし、緊急事態宣言が迫る情勢下で令和2年4月2日に経済産業省及び法務省から公表された「株主総会運営に係るQ&A」では、既に招集通知を発送済みの株式会社を念頭に、株主総会を開催すること自体は黙示的に肯定しつつ、感染拡大防止策として、株主に来場を控えるよう呼びかけることの可否、会場に入場できる株主の人数制限等、会場規模縮小を念頭に置いた出席者の事前登録制、発熱や咳などの症状を有する株主対応等についての検討がされており、緊急事態宣言後に公表された4月14日改訂版でも、実質的変更はされていないと指摘。緊急事態宣言が株主総会の開催自体を決定的に左右する事情であると一般的に評価されているということはできないとした。

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