カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

税務ニュース2026年03月13日 贈与税申告のみで贈与事実の証明できず(2026年3月16号・№1115) 相続で名義株等の問題を回避するには贈与契約書の作成必須

  • 贈与税の申告は税額を確定させる効力を有するにとどまり、単独では贈与の事実を証明せず。名義株等の問題を回避するには、贈与契約書の作成が必須。

 相続税申告書作成時には被相続人の遺産の範囲を確定させる必要があるが、その際、相続人等名義の預貯金や株式(以下、名義株等)が被相続人の遺産に含まれるか否かが問題になる。贈与税の申告・納税が済んでいる財産については、申告等を証する書類があれば名義株等の問題は生じないと考えている実務家が少なくなく、また、相続税調査でも、贈与税の申告がないことを理由に名義株等の問題を指摘されることがあるが、贈与税の申告・納税を行っていても、贈与の事実は否認され得るので要注意だ。
 納税義務は各税法が定める課税要件を充足した時に、抽象的にかつ客観的に成立することとされており、贈与税の納税義務は、贈与による財産の取得の時に成立する(通則法15②五)。抽象的に成立した贈与税の納税義務は、納税者の申告により納付すべき税額が確定することで、具体的な債務となる。申告事実と贈与事実(課税要件事実)の関係について平成19年6月26日裁決は、高松高裁昭和58年3月9日判決による「納税申告をしたならば、実体上の課税要件の充足を必要的前提要件とすることなく、その申告行為に租税債権関係に関する形成的効力が与えられ、税額の確定された具体的納税義務が成立するものと解せられる」との判示を根拠に、「贈与税の申告は、贈与税額を具体的に確定させる効力は有するものの、それをもって必ずしも申告の前提となる課税要件の充足(贈与事実の存否)までも明らかにするものではないと解するのが相当」との判断を示した上で、「贈与税の申告及び納税の事実は贈与事実を認定する上での一つの証拠とは認められるものの、贈与事実の存否は、飽くまでも具体的な事実関係を総合勘案して判断すべきと解するのが相当」と結論付けている。
 したがって、贈与税の申告・納税を行っただけでは、贈与事実を証明するには不十分であり、贈与者に相続が開始した場合には名義株等の問題が生じる可能性がある。これを回避するには、贈与契約書の作成が必要となる。署名・押印のある贈与契約書に形式的証拠力(42頁参照)が認められれば、それが心裡留保(民法93)又は通謀虚偽表示(民法94)に基づき作成されたなどと認定されない限り、作成者がそこに記載されている意思表示その他の法律行為を行ったと認定される。特に受贈者が未成年者の場合には贈与契約書が作成されない場合が多いので留意したい。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索