会計ニュース2026年03月13日 のれんの非償却化の可否、結論は出ず(2026年3月16号・№1115) 金融庁はスタートアップ企業の問題意識に応えていないと判断
経済同友会やスタートアップ企業は昨年7月、会計基準の検討テーマなどを審議する機関である企業会計基準諮問会議に対し、のれんの会計処理を見直すことを求めた。現行の日本の会計基準では、のれんは20年以内に規則的償却を行うこととされているが、のれん償却費は販売費及び一般管理費に区分されるため、特にスタートアップ企業においては、買収企業の収益を継続的に圧迫し、M&Aの阻害要因になっているとの指摘があるからだ。令和7年6月13日に閣議決定された「規制改革実施計画」においてもスタートアップの成長促進に向けたのれんの会計処理の在り方を検討すべきと明記されている。
企業会計基準諮問会議では、スタートアップ企業等の提案を踏まえ、企業会計基準委員会に対して、のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更について、会計基準として改善が見込まれるかどうかの意見聴取を行うよう依頼を行っており、同委員会では、これまでのれんに関する公聴会を8回にわたり開催。スタートアップ企業、学識有識者、財務諸表利用者、財務諸表作成者、監査人から幅広く意見を聴取している。
のれんに関する公聴会では、のれんの非償却化を支持する意見は、スタートアップ企業と一部の学識有識者を除き、賛同は得られていない。現行の日本基準でもM&Aは阻害されていないとの意見や、のれんを非償却化した場合には、減損テストなど、日本基準に比べて大きく事務負担が増加するといった意見などが聞かれている。また、のれんの償却・非償却の選択制の導入には比較可能性の観点からほとんどの関係者が支持をしていない。公聴会の様子をみれば、のれんの会計処理の見直しはかなり難しい状況といえそうだ。
ただし、金融庁では、まだ議論は尽くされているとはいい難いとの認識を持っており、さらに幅広く情報収集をする必要があるとしている。特にスタートアップ企業側の問題意識に基づく議論は十分ではないとしており、企業会計基準諮問会議側に対しては、どのような結論であっても説明責任があるとしている。今後、少なくとも数回は議論が続くとみられる。
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