カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2026年06月01日 巻頭特集 鼎談 日本企業による超巨大株式報酬導入を巡る法務・税務・会計上の論点(2026年6月1日号・№1124) ~テスラの150兆円株式報酬を素材に~

巻頭特集
鼎談
日本企業による超巨大株式報酬導入を巡る法務・税務・会計上の論点
~テスラの150兆円株式報酬を素材に~
 北海道大学大学院法学研究科教授・元国税審判官 佐藤修二
 法律事務所Y Cube 弁護士 川添文彬
 法律事務所Y Cube 弁護士 梶原康平


 テスラのイーロン・マスクCEOに対する株式報酬というと、「米国企業の特殊事例」と受け止められがちだ。しかし、2025年株主総会で承認された最大約1兆ドル(約150兆円)規模の業績連動型譲渡制限付株式報酬は、日本企業が「攻めの経営」を実現するために株式報酬をどう設計し、どこまで活用し得るのかを考えるうえで示唆に富む。近年、日本でも役員向け株式報酬の導入企業は急増しており、今後、発行済株式総数の相当割合を経営者に付与するような大規模インセンティブ設計が議論される可能性もある。
 本鼎談では、北海道大学大学院法学研究科の佐藤修二教授をリード役として、株式報酬・租税法務に精通する法律事務所Y Cubeの川添文彬弁護士、梶原康平弁護士に、テスラ2025年株式報酬の内容、米国税務・会計上の取扱い、日本企業が同様の超巨大株式報酬を導入する場合の会社法、金商法、税務、会計上の主要論点について語っていただいた。米国発の先端的な報酬実務を手掛かりに、日本企業における株式報酬の可能性と限界を多角的に検討する貴重な機会となった。
※なお、本鼎談は、各人の個人的な意見・見解を述べたものであり、所属組織の見解を述べるものではないこと、個別企業に対する一切の法的助言を構成しないこと、及び裁判所や国税当局その他規制当局が同じ見解を有するとは限らないことに留意されたい。

はじめに

編集部:まず本誌の読者の皆さんに今回の企画の経緯を理解していただくため、佐藤先生から先生方の簡単なご紹介をお願いいたします。
佐藤:わかりました。川添文彬先生は、法律事務所Y Cubeの創業者で、株式報酬、租税法務、スタートアップ法務を中心に広く企業法務一般を扱われています。昨年、納税者代理人として勝訴された一般財団法人の有価証券の譲渡原価及び減価償却資産の償却費に関する租税訴訟判決の解説を本誌に寄稿されました(脚注1)。私も常日頃重視している租税法規の文理解釈の原則を強調した判決で、租税法の王道に沿って、裁判所に対して法律関係や争点を分かりやすく主張・立証され、勝訴の結果に繋がったのではないかと思います。
 梶原康平先生は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所で約10年間ご勤務された後、昨年、法律事務所Y Cubeにパートナー弁護士として参画されました。梶原先生は、近年では、オーストラリアのClayton Utz法律事務所での研修経験を踏まえて、事前照会に対する文書回答手続の日豪比較についての実務解説を本誌に寄稿されました(脚注2)。国税当局への事前照会に対する文書回答手続は、納税者の予測可能性確保の観点から実務上重要でありながら多くの論考があるトピックではなく、貴重な論考であると思います。
 最後に、私、佐藤は、20年ほど企業法務・租税法務を専門とする弁護士を経験した後、2022年10月に大学教員に転身し、北海道大学大学院法学研究科で、租税法の授業を担当しております。租税法を教えるに当たっても、租税法だけではなく、その基礎をなす憲法、行政法、民商法などとの関係性を十分に踏まえるようにしています。とりわけ企業法務では、会社法・金融商品取引法・企業会計・租税法等を総合的に把握した上で対応することが必要とされます。今回取り上げる株式報酬は、その典型的な場面の一つと言えるでしょう。また、今回は米国で話題になったテスラの巨額株式報酬を取り上げるわけですが、私も、企業法務を取り扱う弁護士の通例に従い、もう20年ほど前になりますが、米国での留学、研修を経験しました。日本の会社法や法人課税の法制・実務には米国の影響が大きいことから、米国の実例が参照されることが多いと思います。ただ、米国と日本とでは当然ながら異なる点もあり、米国の実務を日本で導入するに当たっては、日本の制度、実務慣行等に照らして慎重に検討する必要があるでしょう。本鼎談においても、そのような視点を持ちながら、実りある議論を重ねていければと思っています。
川添:ご紹介いただきありがとうございます。佐藤先生とは、以前、信託型ストック・オプションの課税問題が話題になった時期に、いち早く、信託型ストック・オプションの課税関係をテーマとする本誌の鼎談企画でご一緒いたしました(脚注3)。私自身は、信託型ストック・オプションの導入を依頼者にお勧めしたことは一度もなかったのですが、株式報酬、租税法務及びスタートアップ法務に注力していることもあり、問題になった後に、信託型ストック・オプションに関する先例のない新たな課税問題について適時に踏み込んだ議論ができて良かったように感じています。信託型ストック・オプションについては、その後数年が経過した今になって、納税者が国を相手取って訴訟を提起したとの報道がなされており、今後の動向に注目しています。
 今回の鼎談では、米国企業であるテスラの超巨大株式報酬を題材として取り上げます。米国で留学及び研修の経験を積まれた佐藤先生のご知見をお借りできればと考えております。また、米国の最先端の株式報酬実務を、日本で導入することの是非及び方法について議論できればと考えております。
梶原:ご紹介いただきありがとうございます。私は、佐藤先生が東京大学法科大学院で「金融取引課税法」の授業をご担当されていた頃、川添さんとともにゲストスピーカーとしてお招きいただき、私の留学先であるウィーン経済大学(WU)の国際租税法のLL.M.の概要及びタックスロイヤーとしてのキャリアについてお話しする機会を頂戴いたしました。この度、本誌にて佐藤先生と初めて議論の場を共にできること、心より嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
佐藤:それでは早速ですが、川添先生から、今回のテーマである「テスラ2025年株式報酬」の概要につきご説明いただけないでしょうか。
川添:「テスラ2025年株式報酬」は、同年11月6日開催のテスラの株主総会において承認された株式報酬であり、テスラ社が、CEOであるイーロン・マスク氏に対して、同社の調整後発行済株式総数の約12%に相当する株式を業績連動型譲渡制限付株式報酬として付与することを内容としています(脚注4)。このテスラ2025年株式報酬には、12段階の目標が設定されており、1段階の目標達成毎に1%分の議決権が付与され(議決権拘束合意が当該部分について解除され)、さらに一定の勤続条件を満たすことで権利が確定するという特徴があります。最終的にはテスラの時価総額が8.5兆ドル(現在の約6倍)に到達することが全段階の目標達成の必要条件で、それが実現した場合の株式報酬は約1兆ドル、日本円換算で約150兆円規模になります(脚注5)。米国経済誌では、「米国史上類を見ない巨額報酬」や「天文学的株式報酬」と評されており、「他のCEOも今後、マスク氏の報酬体系を模倣しようと試みるだろう」との米国の有識者のコメントが日本でも紹介されるなど、世界的に大きな注目を集めました(脚注6)。
佐藤:個人の報酬としては、随分と大きな金額ですよね。最近は、日本でも株式報酬を導入する企業が増えていると理解しています。日本企業が導入する株式報酬の最近の状況についてご説明いただけないでしょうか。
梶原:はい。日本の上場企業を対象とした調査では、役員向け株式報酬制度を導入する企業数は、2015年時点では592社であったのに対し、2023年10月末には全上場企業の約6割に当たる2,321社が導入しているとの統計結果があり、株式報酬を導入する企業は急速に増加しています(脚注7)。その背景には、日本政府が「攻めの経営」を促進するため、株式報酬の柔軟な活用を可能とする法令・税制の整備を進めてきたことがあります(脚注8)。今回の米国のテスラの事例は、徹底した成果主義に基づく業績連動報酬を実現した「攻めの経営」を促す株式報酬になっており、日本企業が「攻めの経営」を実現するうえでも一事例として参考になる可能性があります。
佐藤:ありがとうございます。この鼎談では、日本円にして約150兆円というかつてない規模を誇るテスラ2025年株式報酬の内容をお伺いした後、日本企業が、大規模な株式報酬の導入を検討する際の法務・税務・会計上の諸論点についても議論できればと思います。

テスラ2025年株式報酬の内容

佐藤:今回、テスラ2025年株式報酬で採用された譲渡制限付株式報酬とはどのようなものなのでしょうか。ストック・オプションではないのですよね。
川添:はい、テスラ2025年株式報酬で採用されたのは、譲渡制限付株式報酬であり、ストック・オプションではありません。
 ストック・オプションは、大要、将来、一定の価格で株式を購入する権利(新株予約権)を付与するものです。その権利を行使して実際に株式を取得して初めて、議決権を含む株主としての権利が発生します。
 他方で、譲渡制限付株式報酬は、株式そのものを報酬として付与しますが、一定の条件を満たすまで株式譲渡が制限されています。役職員が株式付与時点から議決権を含む株主としての権利を有する点に特徴があります。簡単に違いを整理すると、表1のとおりです。

佐藤:テスラ2025年株式報酬の設計上の特徴を教えていただけますか。巨額であるという点に加えて何か特徴があるのでしょうか。
川添:テスラ2025年株式報酬では、日本の通常の譲渡制限付株式報酬と比べて、かなり緻密な設計がなされています(脚注9)。巨額である点以外の主な設計上の特徴は次の点にあります。
(1)議決権拘束合意が付されており、当該合意が解除されるまで議決権を行使できない。
(2)一定の目標を達成することで議決権拘束合意が解除される。
(3)目標が複数の指標の具体的な成果に連動している。
(4)目標を達成した場合、さらに所定の勤続条件が満たされることで、権利が確定し譲渡制限が解除される。
 より具体的には、目標は、主に①12個の時価総額目標、②12個の業績目標の二本柱で構成されています。①と②の目標1つずつをセットとして、これら12セットの目標をそれぞれクリアするごとに、株式報酬の12分の1ずつ(トランシェ)が「目標達成株式」として認定されます。ただし、各トランシェが目標達成株式となるためには、マスク氏がテスラのCEOまたは所定の執行役員に就任し続けていること、すなわち「適格サービス状態」も必要とされます。すべての目標を達成するためには、時価総額8.5兆ドルや、AIロボットや完全自動運転等を相当の規模で実現させることが必要であり、さらに、第11・12トランシェについては、③マスク氏がCEO後継体制を構築し、利害関係のない取締役から構成される管理機関の承認を取得することも追加要件として求められています。
佐藤:複雑なのですね。(1)報酬として受け取る株式の議決権が行使できるようになる条件、(2)権利確定条件、(3)実際に譲渡制限が解除されて株式を譲渡できるようになる条件がそれぞれ区別されて設計されているのだと理解しました。表2に記載された目標は、議決権が行使できるようになる条件ですよね。権利確定条件と譲渡制限が解除されて株式を譲渡できるようになる条件は何でしょうか。

川添:はい、いずれもご理解のとおりです。(2)目標達成株式になった時期が付与日から5年以内であれば、付与日から7.5年経過時までの勤続条件の達成、目標達成株式になった時期が付与日から5年以降であれば、付与日から10年経過時までの勤続条件の達成により、権利が確定します(表3参照)。(3)この場合に、実際に譲渡制限が解除されるのは、目標達成株式となった時から5年後となります。

 なお、権利確定時には「オフセット」方式が採用されています。「オフセット」とは、株式報酬を受け取る際、付与時点の株価分があらかじめ差し引かれ、株価上昇分だけが付与対象者の実質的な利益となる仕組みです。つまり、報酬として実際に受け取れる株数は、企業価値がどれだけ増えたかに連動して決まります。また、付与対象者が希望すれば、差し引かれる分を現金で支払うことも可能です。一般的な株式報酬であれば経済的利益が企業価値自体と連動するのが通常ですが(いわゆるフルバリュー型)、テスラ2025年株式報酬の場合、この「オフセット」の設計により、報酬の本質は企業価値向上分のみにフォーカスされ、マスク氏の成果への強いコミットメントが促される仕組みになっています。
佐藤:目標や条件が達成できなかったら、報酬として付与された株式はどうなるのですか?
川添:テスラ2025年株式報酬として付与された株式は、付与日から10年経過時点で、目標達成株式になっていなければ没収されます。また、テスラ2025年株式報酬として付与された株式は、権利確定前に、マスク氏が適格サービス状態になくなれば、(目標達成株式となっているかどうかにかかわらず)全て没収されます。

テスラ2025年株式報酬に関する米国税務上の取扱い

佐藤:大枠の仕組みは理解できました。ここからは、テスラ2025年株式報酬に関する米国税務上の取扱いについて整理したいと思います。マスク氏個人の所得税に関して、どのような仕組みになっているのか、お分かりになるでしょうか。
川添:米国の株式報酬に関する税務上の扱いは日本と類似しているようです。2025年招集通知によると、米国税法上、権利確定時には株式の公正価値から取得価格(オフセット等)を差し引いた金額が「通常所得(ordinary income)」として認識されます。この所得に対して、テスラ側では源泉徴収税が発生します。米国歳入庁(IRS)の公式サイトでは、米国居住者の連邦所得税の最高税率は37%となっているため(脚注10)、仮に、テスラ2025年株式報酬の全てが権利確定した場合には、数千億ドル(数十兆円)規模の連邦所得税が課され、テスラは同額を源泉徴収し、IRSへ納付する義務を負うこととなると思われます。なお、社会保険税や州所得税も留意すべきポイントになるように思いますが、テスラとマスク氏が拠点とするテキサス州では州所得税が課されないようです。
佐藤:それだけ巨額の税額が発生するとなると、その支払い方法も重要になるように思います。具体的に、どのように源泉徴収義務を充足することが考えられるのでしょうか。
川添:2025年の招集通知では次の3つの方法が示されています。
(i)マスク氏がテスラ株式を売却して納税資金を確保する方法
(ii)マスク氏が現金で支払う方法
(iii)テスラが源泉徴収する税金に対応した価値の株式を控除してテスラ2025年株式報酬を確定させることで、源泉徴収税額を負担する方法(ネットセトルメント)
 マスク氏が(iii)のネットセトルメントを選択した場合、マスク氏に帰属するテスラ2025年株式報酬に基づく株式の数は少なくなりますが、テスラは現金で源泉徴収税を納付する必要があるとされています。そして、その金額が非常に大きな金額となるため、その納税資金の調達のために株式発行や社債発行などを行う可能性があることが、2025年招集通知においてリスク要因として指摘されています。
 なお、2025年招集通知によれば、マスク氏が、米国内国歳入法Section 83(b)(付与時課税)を選択した場合、テスラ2025年株式報酬の付与時点で、その公正価値に対して所得税課税が発生し、テスラは源泉所得税を現金で納付することが必要であるとされています(脚注11)。また米国内国歳入法Section 83(b)によれば、仮に役務提供に関して付与された財産が後に没収されたとしても、その分の所得控除(ひいては所得税の還付)は認められないとされています。
佐藤:マスク氏の所得税の課税関係の大枠は理解できました。テスラの法人税に関して、テスラはテスラ2025年株式報酬を損金の額に算入できるのでしょうか?
川添:2025年招集通知によれば、企業は、通常、役員に対する株式報酬について、その権利確定時に、当該役員が認識する「通常所得」の額と同額を損金の額に算入できるものの、CEOを含む所定の「対象役職員」に対する年間100万ドルを超える報酬は損金の額に算入できないとされています(米国内国歳入法Section162(m))。2025年招集通知によれば、マスク氏は対象役職員に該当し、上記の損金算入規制がかかるため、テスラ2025年株式報酬に伴う多額の株式報酬費用のほぼ全ての部分は損金の額に算入できないようです(脚注12)。
佐藤:そうなのですね。法人側で報酬額のほぼ全額を損金の額に算入できず、個人側では報酬に対する所得税を通常税率で課されるとなると、全体の税負担は大きくなりそうですね。

テスラ2025年株式報酬に関する米国会計上の取扱い

佐藤:2025年株式報酬に関する米国会計上の取扱いはお分かりになるでしょうか。
梶原:2025年招集通知によれば、会計上はASC(会計基準のコード化体系) 718の規定に基づき、モンテカルロ・シミュレーションにより付与日時点のテスラ2025年株式報酬の公正価値(約791~877億ドルのレンジ)が算定され、権利確定が「達成見込み」となるに応じて、役務提供期間にわたり株式報酬費用として損益計上されます。2025年招集通知では、こうした会計上の扱いに基づき、目標が達成される見込みに応じて、実際に達成される前の相当程度早い段階から巨額の株式報酬費用が損益計算書に影響を与える可能性があることがリスク要因として提示されています(脚注13)。

テスラ2025年株式報酬の背景

佐藤:今回、マスク氏に巨額の株式報酬が付与された背景について教えていただけないでしょうか。
川添:はい。テスラは、2003年7月1日に、マーティン・エバーハード氏とマーク・ターペニング氏によって設立されました。マスク氏は、2004年に筆頭投資家、及び、取締役会長として参画し、共同創業者として扱われています。その後も、マスク氏は、資金提供・追加投資を継続し、2008年10月にテスラのCEOに就任しました。以降、テスラはNASDAQ上場を果たし、モデルS・モデルX・モデル3に代表される電気自動車を次々に市場に送り出すなど、驚異的な成長を遂げてきました(脚注14)。
 テスラは、2018年にも、マスク氏に対して、巨額の報酬パッケージを付与しています。その内容は、当時の発行済株式総数の12%を対象とする非常に大規模なストック・オプション(以下「テスラ2018年SO報酬」といいます。)であり、12個の業績目標が設定されていました。マスク氏はその全目標を達成し、その全てが権利確定条件を満たした結果、テスラの時価総額は2018年3月の20倍以上に上昇したとされています(脚注15)。その概要は、2025年株式報酬と類似するもので、2025年招集通知では、両者の特徴を表4のとおり整理しています(脚注16)。

 両者とも、業績と強く連動する設計がされており、報酬規模も非常に大きいのが特徴です。また、企業価値向上に対するインセンティブも明確に組み込まれています。
佐藤:マスク氏に対するストック・オプションについて、米国の裁判所が無効と判断した旨の報道に触れた記憶があります。今ご説明いただいたストック・オプションが無効と判断されたのでしょうか。
川添:はい、そのとおりです。テスラ2018年SO報酬に関しては、2018年株主総会後、テスラ株式を9株保有する少数株主が株主代表訴訟を提起し、デラウェア州衡平法裁判所は、マスク氏がテスラの支配株主であり、報酬の交渉・決定権限を有する特別委員会による事前承認や、十分な情報開示を受けた利害関係のない株主の過半数の承認が欠如していた点を問題視し、2018年SO報酬の取消しを命じました。この裁判所の意見を「第一次トルネッタ意見」といいます。その後、テスラは株主による追認決議を取得し、裁判所に意見修正の申立てを行いましたが、同裁判所はこの申立てを認めませんでした。この裁判所の意見を「第二次トルネッタ意見」といい、第一次トルネッタ意見と総称して「トルネッタ意見」といいます。
 これを受けて、テスラが、トルネッタ意見に対してデラウェア州最高裁判所への上訴をしたところ、デラウェア州最高裁判所は、2025年12月19日、取締役会の過程に不備があったことは認定しつつ、「完全に無効にすればマスク氏は6年間の時間と努力に一切の対価を得ないことになる」とし、マスク氏がCEOとして時価総額や業績目標を達成した以上、報酬の無効化は行き過ぎた措置だと判断し、2018年SO報酬を無効としたデラウェア州衡平法裁判所の判断を覆したと報じられています(脚注17)。このデラウェア州最高裁判所の判断前の文書である2025年招集通知は、テスラ2025年株式報酬も裁判で争われる可能性はあるものの、テスラ及びそのアドバイザーは、テスラ2025年株式報酬が有効で執行可能であり、利害関係のない情報に基づく取締役によって誠実に正式承認されたものであり、無効又は取消可能ではないと考えているとしています(脚注18)。
 2025年株式報酬では、トルネッタ意見の教訓を踏まえ、特別委員会の設置がなされたこと(脚注19)、及び、2025年招集通知において非常に詳細な情報提供が実施されていること等からすれば、2018年SO報酬に比して、より無効とされにくい構造が採用されたように思われます。
佐藤:ありがとうございます。結局、2018年SO報酬も無効にはならなかったのですね。

日本企業による超巨大株式報酬導入の法務・税務・会計上の論点

佐藤:米国法の専門家ではなくても、2025年招集通知を読むことで把握できることも多いということのようですね。ここからは、日本企業が、テスラ2025年株式報酬のような超巨大株式報酬を導入する際に直面する法務・税務・会計上の課題について、議論を進めていきたいと思います。テスラ2025年株式報酬と日本企業における一般的な株式報酬との主な相違点についてご解説いただけないでしょうか。
川添:テスラ2025年株式報酬は、日本企業で一般的に採用されている株式報酬と比べて、次の2点で大きな特徴があるように思います。第一に、多段階の成果に連動して権利確定する株数が変動する設計になっていることです。そして、第二に、1人のCEOに対し、発行済株式総数の相当な割合(10%以上)の株式が報酬として付与される点です。日本企業においては、ここまで思い切った規模の株式報酬が採用される例はほぼ見られないと思います。
 便宜的に、テスラ2025年株式報酬のように、①多段階の成果に連動して、権利確定する株数が変動する設計を有し、かつ、②発行会社の代表取締役CEOに対して、発行済株式総数の相当な割合(10%以上程度)を報酬として発行する株式報酬のことを「超巨大株式報酬」と呼びたいと思います。
佐藤:その意味での超巨大株式報酬は、どのような場面での導入が想定されるのでしょうか。
川添:超巨大株式報酬は、経営者に攻めの経営を促す強力なインセンティブとなる一方で、少数株主を犠牲にした自己利益の追求が行われるリスクも併せ持つ劇薬であると考えています。そのため、すべての日本企業が一律に採用すべきものではないものの、その導入を検討するに値する場面もあると考えています。第一に、企業価値の最大化に資する特定の経営者の存在が事業遂行上不可欠な場合において、その経営者のリテンションやインセンティブ付与のために超巨大株式報酬の導入が必要不可欠なときです。テスラ2025年株式報酬はその例といえると思います。第二に、創業者主導のスタートアップが経営者の交代・承継を行う場面において、優秀な後継経営者の獲得・リテンション及びインセンティブ付与の手段として、超巨大株式報酬が正当化されることがあると考えられます。例えば、ラクスル株式会社が創業者に代わる後継CEO向けに導入したインセンティブ報酬(脚注20)のような例が考えられます。

【参考事例】
2023年、ラクスル株式会社がCEOを退任する創業者に代わる後継CEOに対し、10年間で最大300億円相当(※)となりうるロングタームインセンティブパッケージ(LTIP)を導入した事例。
(※)当時の同社の発行済株式総数の合計3%を対象とするRSU(Restricted Stock Unit)及び有償SOを内容とするもので、有償SOを全部行使するためには時価総額約1兆円相当の株価条件が付されており、1兆円の3%で最大300億円のLTIPと整理できると思われます。もっとも、同社はその後2026年にMBOによって株式非公開化しており、その際に上記LTIPは精算されたものと思われます。

(法務上の論点)
佐藤:超巨大株式報酬の導入に際しては、株主総会の承認など、一般的な法務手続きを踏まえる必要がありますが、そのスケールの大きさゆえに、通常の報酬設計とは異なる独自の法務上の論点が生じることはあるでしょうか。
梶原:はい。重要な法務上の論点に絞って要点を説明したいと思います。

① 特別委員会設置の要否
② 不公正発行を理由とする差止めリスク
③ 納税資金確保のための株式売却時のインサイダー規制及び売出し規制

① 特別委員会設置の要否
梶原:テスラ2025年株式報酬において特別委員会が設置されたのと同様に、少数株主の利益に配慮する観点及びコーポレートガバナンスの観点から、超巨大株式報酬の検討及び設計のための特別委員会を、常設の報酬委員会と別に設置するかどうかという論点があると考えています。
 上場会社においては、指名委員会等設置会社でなくても、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために独立社外取締役を主要な構成員とする報酬委員会を設置することが推奨されており(コーポレートガバナンス・コード補充原則4ー10①)、超巨大株式報酬も報酬委員会において検討されることが想定されますが、発行済株式総数の相当な割合(10%以上程度)の株式が付与されることを踏まえ、更なる対応が必要とならないかという問題意識です。議決権行使助言会社の議決権行使助言基準や機関投資家の議決権行使基準でも、5%ないし10%以上の希薄化を伴う株式報酬については原則反対とするものも散見されることから、株主の理解を得るための対応は重要と思われます。
 たとえば、経済産業省策定の「公正なM&Aの在り方に関する指針」は、MBOや支配株主による従属会社の買収を対象として、社外者による特別委員会を設置することが望ましいとしていますが(脚注21)、他の取引類型についても、一定程度の構造的な利益相反の問題や情報の非対称性の問題がある場合(大株主等に対する第三者割当増資等)には同指針を参照することが示唆されています(脚注22)。1人のCEOに大幅な株式を割り当てることになる超巨大株式報酬の導入の場面においても同様の問題は生じ得るため、特別委員会を設置し対応することも検討に値すると思われます。
川添:当局の明確なガイダンスや先例がない中で、先陣を切って特別委員会を設置する対応を行うことは実務上ハードルが高いようにも思われますので、当局のガイダンスが事前に整備されることが望ましいように思います。
佐藤:超巨大株式報酬について日本での先例がない中では、企業も試行錯誤が必要になるかもしれませんね。会社法は、私も弁護士時代は扱っていたものの今は疎くなっていますが、M&Aをはじめとする先端的な取引については、専門の弁護士がフロンティアを切り開いてきた、という印象を持っています。挙げておられるような各種の指針等も、政府が初めに主導したというよりも、弁護士が中心になって形成した実務の積み重ねを踏まえて取りまとめられたという面もあるかと思います。その意味では、先生方のご活躍も期待されるところです。
② 不公正発行を理由とする差止めリスク
梶原:特別委員会が設置されず、少数株主の利益への配慮が検討されないまま、超巨大株式報酬を導入しようとすれば、少数株主からの強い反発がある事態も想定されます。具体的には、少数株主から、不公正発行を理由として、超巨大株式報酬に関する株式発行の差止請求がなされる可能性があります(会社法210条2号)。米国の例ではあるものの、実際にテスラ2018年SO報酬では、少数株主が訴訟を提起し、下級審ではSO発行が無効とされており、参考になると思われます。
 日本の裁判例は、大要、募集株式の発行等が現経営陣の経営支配権の維持・確保を主要な目的として行われる場合は、原則として不公正発行になるという基準、いわゆる主要目的ルールを採用しているといわれています(脚注23)。テスラ2025年株式報酬に関して「マスク氏が議決権への影響力を望んでいる」旨が招集通知で言及されているように、超巨大株式報酬と経営支配権の維持・確保は関連しうると思われます。そのため、超巨大株式報酬の導入にあたっては、超巨大株式報酬の目的を整理し、不公正発行に該当するリスクの検討が必要になると考えています。
佐藤:米国でテスラ2018年SO報酬に対して少数株主による訴訟が提起されたことからすると、日本でも、超巨大株式報酬が導入された場合、似たような訴訟が提起されることもあるかもしれませんね。
③ 納税資金確保のための株式売却時のインサイダー規制及び売出し規制
梶原:日本の実務では、発行会社が株式報酬にかかる所得税の源泉徴収義務を履行するために、付与対象者が権利確定した株式を市場で売却したうえで、その売却資金から源泉徴収税相当額を発行会社に振り込ませることで、納税資金の原資を確保することが一般的に行われていると理解しています。
 付与対象者が行う源泉徴収税相当額を確保するための対象株式の売却については、次の要素を備えたものであれば、当該売却が「重要事実」の認識と無関係に行われたことが明らかなものとして、インサイダー取引規制違反にはならないと考えられています(金融庁「インサイダー取引規制に関するQ&A」応用編問10)。
(i)譲渡制限解除後速やかに行われる源泉徴収税額へ充当するための売却であること
(ii)付与対象者が指図を行わない売却の執行の仕組みであること
(iii)上記(i)及び(ii)があらかじめ社内規程や契約等で規定されていること
 しかし、発行済株式総数の相当な割合を報酬として発行する超巨大株式報酬の場合、株式市場の流動性との関係で、その源泉徴収税額相当額(例えば発行済株式総数の5%)を市場で売却することは難しいかもしれません。また、会社の役員又は主要株主に該当する場合に、市場外で、株式を売却しようとすると、売出し規制がかかります(金融商品取引法2条4項、同法施行令1条の7の3第7号ロ及びハ)。
 これらのインサイダー規制と売出し規制の双方を踏まえて、株式売却による納税資金の確保が実行可能かを慎重に検討する必要があると考えます。
佐藤:遺漏なく納税できるよう、法務と税務の両方を踏まえた検討が必要になるということですね。巨額の株式報酬発行後に、源泉徴収税を納付できないと判明したら困ってしまいますね。

(税務上の論点)
佐藤:超巨大株式報酬に関して、通常の報酬設計とは異なる独自の税務上の論点が生じることはあるでしょうか。
梶原:はい。重要と考えられる税務上の論点に絞って要点を説明いたします。大きく、発行会社側の損金算入の可否(以下①)と、付与対象者側の所得分類(以下②)が重要な問題になると考えています。

① 不相当に高額な給与として損金不算入となる可能性
② 退職所得構成の可否

① 不相当に高額な給与として損金不算入となる可能性
梶原:内国法人がその役員に対して支給する給与は、定期同額給与、事前確定届出給与又は業績連動給与のいずれかに該当しなければ損金算入されませんが(法人税法34条1項)、いずれかに該当する場合も、その給与の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、損金の額に算入しないこととされています(法人税法34条2項、同法施行令70条)。裁判例上、「不相当に高額な部分の金額」があるかどうかは、同業類似法人の役員報酬の平均額又は最高額を適正報酬額とし、それを超える部分が「不相当に高額な部分の金額」に当たるという判断枠組みで判断されることが多いと言われています(脚注24)。その判断枠組みからすれば、超巨大株式報酬については、仮に業績連動給与の要件を満たす設計にできたとしても(法人税法34条1項3号、5項)、その大部分が「不相当に高額な部分の金額」に当たり損金の額に算入できない可能性が高いと思われます。なお、所有と経営が分離した上場会社に対してはそもそも法人税法34条2項を適用する必要がないのではないかという指摘もありますが(脚注25)、少なくとも現行法上は上場会社に対する適用を除外する文言やその適用を同族会社に限る旨の文言は含まれていないため、上場会社にも同項の適用があるという前提で考えるのが実務家として保守的な対応と考えています。
佐藤:超巨大株式報酬の大部分につき損金算入できないと考えておいた方が無難、保守的ということですね。
梶原:テスラ2025年株式報酬も、その大部分につき損金算入はできないと説明されていますが、マスク氏のリテンションという税務以外のメリットを重視して導入されたと理解しています。
② 退職所得構成の可否
梶原:譲渡制限付株式報酬の場合、譲渡制限期間の満了日を「退任日」として退職時に譲渡制限が解除される場合は、退職所得になると考えられています(脚注26)。ご案内のとおり、退職所得については、その収入金額から一定の退職所得控除額を控除した残額の2分の1の金額のみが所得金額とされており(所得税法30条2項、3項)、給与所得等よりも優遇された税制になっています。
 超巨大株式報酬については、テスラ2025年株式報酬の例のようにCEO後継体制の構築といった在任中の長期間にわたる目標が設定されることも想定され、退職時に譲渡制限が解除されるとの設計もありうると考えられます。そうすると、退職所得になるように設計するかどうかは重要な論点になると考えています。
佐藤:退職所得に該当すれば、給与所得になる場合に比して、税負担が少なくなることから、納税者にとって退職所得になるかどうかは重要ですね。もっとも、現在、政府税制調査会等で、退職所得の優遇税制については見直しも議論されていると思われ、長期間のインセンティブ報酬において、退職所得になることを前提とすることにリスクはないでしょうか。
梶原:一般的に、将来の税制改正によりルールが変更されることはありうると思います。特に退職所得については、見直しが議論されていることから(脚注27)、制度廃止の可能性を低く見積もりすぎることはリスクとなります。超巨大株式報酬を導入するにあたっては、退職時に譲渡制限を解除するという設計がその企業が企図するインセンティブ構造にマッチするのであれば、現行ルールの下で退職所得に該当するように設計することは重要ですが、他方で、仮に将来的な税制改正により退職所得の優遇税制の恩恵が受けられなくなったとしても、大きな問題を生じさせることなく実務上ワークすること、特に納税資金の確保に支障がでないことを確認、検討しておくことも、リスク管理の観点からは重要であると思われます。

(会計上の論点)
佐藤:超巨大株式報酬に関して、通常の報酬設計とは異なる独自の会計上の論点が生じることはあるでしょうか。
梶原:株式報酬は費用計上が必要になるところ、超巨大株式報酬については費用計上も巨額となり、損益計算書へのインパクトが大きいこと、ひいては株価に影響しうることが企業の関心事になると思います。
 譲渡制限付株式報酬については、無償交付型と現物出資型のいずれかで会計処理が異なっています。会計基準が明確な無償交付型について、新株発行の場合を例にとると、企業会計基準委員会の実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」に従い、株式の公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法等に基づき各期に発生したと認められる額について、株式報酬費用が計上され、対応する金額が資本金又は資本準備金に計上されます。勤続条件や業績条件の不達成による失効等の見込みは事後的に見直され、各期の会計処理に反映されます。超巨大株式報酬は、業績条件の達成・不達成の見込みの変動に伴い、株式報酬費用が大きく変動したり、過年度に計上した費用の戻入れが生じたりする可能性があります。他方、株式の公正な評価単価は、付与日において算定し、原則見直さないため、付与後の株価の変動は会計処理に加味されないのが通常です。これは、交付する株式と取締役等の提供する役務が、付与時において等価交換されているという擬制によるものと思われます(脚注28)。
 これらの原則的なルールからすれば、勤続条件及び業績条件の内容によっては、条件の達成見込みの不確実性が高い段階では、それほど巨額の費用が計上されない可能性もある一方で、条件の達成見込みが高まった段階で巨額の費用が計上される可能性があると思われます。なお、テスラ2025年株式報酬のように目標達成時に企業価値が増大している場合、役員が得る経済的利益はこれに応じて増加しますが、会社の費用計上額は、原則として、付与時の株価によることとされており付与後の企業価値増大による影響を受けないことになると思われます。会計については、詰めて検討したうえで、監査法人にも事前に確認しておくことが望ましい対応であると思われます。
 また、企業活動の実体を反映した開示を行うという観点からは、超巨大株式報酬の報酬費用を除外して会社が任意に作成した指標、例えば調整後純利益、調整後EBITDA等を継続的に開示することの可否及び要否についても、検討が必要と考えています。
佐藤:株式報酬が現実に現金の支出を伴わないとしても、企業が巨額の費用計上を懸念するということは、弁護士だった身からするとよく理解できます。法務、税務、会計の各観点において、重要な論点がありますね。

おわりに

佐藤:今回の鼎談を通じて、テスラの超巨大株式報酬を題材として、米国の株式報酬の実態について理解を深めることができました。また、日本で超巨大株式報酬を導入する場合の法務、税務及び会計上の論点を整理し分析することは新しい試みであるように思われ、今後の日本企業の実務の参考になるのではないかと思います。
 なお、今回の鼎談の準備については、北海道大学法科大学院における私の教え子で、法律事務所Y Cubeでインターンをしていた福田朔大さん(第79期司法修習生)が協力をしてくださったと聞いております。先生方の法律事務所Y Cubeは、順調に発展を遂げておられるようで、今後も法務・税務のさまざまな分野でご活躍されることを期待しています。


脚注
1 加藤新太郎=仲谷栄一郎=川添文彬「巻頭特集 東京高裁令和6年9月26日判決の納税者代理人解説~整備法に基づく移行法人の有価証券の譲渡原価及び減価償却資産の償却費に関して、租税法令の文理に忠実な法解釈を示し、課税処分を取り消した事例~」(週刊T&Amaster1070号(2025)4頁)
2 梶原康平「事前照会に対する文書回答手続の特徴と課題 ーオーストラリアのPrivate Rulingとの比較」(週刊T&Amaster 999号(2023)17頁)
3 佐藤修二=木村浩之=川添文彬「鼎談 信託型ストック・オプションに関する国税庁見解の法的検討~国税当局への照会制度の課題の検討を兼ねて(前編)(後編)」(週刊T&Amaster991号(2023)4頁、同992号(2023)13頁)
4 テスラのPreliminary Proxy Statement for the Annual Meeting of Shareholders in 2025(株主総会招集通知)(以下「2025年招集通知」といいます。)58~59頁
5 The Wall Street Journalの2025年11月7日付け「テスラ株主、マスク氏への1兆ドル報酬案を承認」、日本経済新聞2025年11月7日付け「テスラ、成長再点火へ12目標 マスク氏の「150兆円報酬」承認」等
6 Bloomberg Lawの2025年9月6日付け「Tesla Offers Elon Musk an Unprecedented $1 Trillion Pay Package」、前掲注5・The Wall Street Journal(その英語版記事も参照)、前掲注5・日本経済新聞
7 一般社団法人日本経済団体連合会「役員・従業員へのインセンティブ報酬制度の活用拡大に向けた提言」(2024年1月16日)
8 経済産業省産業組織課「「攻めの経営」を促す役員報酬~企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引~」(2023年3月時点版)5頁
9 テスラ2025年株式報酬の設計につき2025年招集通知60~65頁
10 米国歳入庁(Internal Revenue Service, IRS)ウェブサイト「Federal income tax rates and brackets」
11 2025年招集通知79頁
12 2025年招集通知87頁
13 2025年招集通知77頁、84~87頁
14 2025年招集通知10頁、アシュリー・バンス著=斎藤栄一郎訳『イーロン・マスク−未来を創る男』(講談社、2015年9月)149~180頁、テスラ公式ウェブサイト
15 2025年招集通知58頁、76頁
16 2025年招集通知24~25頁、70頁
17 日本経済新聞2025年12月20日付け「マスク氏のテスラ巨額報酬が復活、デラウェア州裁判所が一転承認」
18 2025年招集通知78頁
19 2025年招集通知28~29頁
20 ラクスル株式会社2023年11月16日付けプレスリリース「代表取締役社長CEOに対するロングタームインセンティブパッケージの内容確定に関するお知らせ」
21 経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する指針ー企業価値の向上と株主利益の確保に向けてー」(2019年)(以下「公正M&A指針」という。)3.2
22 公正M&A指針1.4
23 田中亘『会社法〔第5版〕』540頁(東京大学出版会、2025)。東京地決令和6年8月8日判例タイムズ1539号224頁等
24 佐藤修二=安田雄飛「対談~裁判所の判断における新たな傾向を探る~過大役員給与に関する裁判例の通時的分析」T&Amaster1031号(2024)4頁
25 山田麻未「役員報酬の損金算入制限と格差是正ー内国歳入法典162条(m)を手掛かりとしてー」(岡村忠生編著『法人税法の討究』[成文堂、2025年11月]所収)133~134頁
26 大阪国税局・文書回答事例「譲渡制限期間の満了日を「退任日」とする場合の特定譲渡制限付株式の該当性及び税務上の取扱いについて」
27 閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2023」5頁、閣議決定「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」12頁
28 以上、企業会計基準委員会・実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」5~9項、30項

佐藤修二 (さとう しゅうじ)
1997年 東京大学法学部卒業。2000年 弁護士登録。2005年 ハーバード・ロースクール卒業(LL.M.)。2011年~14年 東京国税不服審判所(国税審判官)。2019年~22年 東京大学大学院法学政治学研究科客員教授。2022年~現在 北海道大学大学院法学研究科教授。著書に、『租税と法の接点』(大蔵財務協会、2020)、 『夏休みの自由研究のテーマにしたい「税」の話』(共著、中央経済社、2020)、『事例解説 租税弁護士が教える事業承継の法務と税務』(監修、日本加除出版、2020)、『対話でわかる国際租税判例』(共著、中央経済社、2022)、『対話でわかる租税「法律家」入門』(編著、中央経済社、2024)など。

川添文彬 (かわぞえ ふみあき)
法律事務所Y Cube代表弁護士。2012年 一橋大学法科大学院修了、2013年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、2018年 Leiden大学修了(ITC Leiden - 国際租税法LL.M.)、2014年~2020年 アンダーソン・毛利・友常法律事務所、2021年より、現職及び早稲田大学法務教育研究センター講師(租税判例研究)。
代表的な論考等として、加藤新太郎=仲谷栄一郎=川添文彬「巻頭特集 東京高裁令和6年9月26日判決の納税者代理人解説~整備法に基づく移行法人の有価証券の譲渡原価及び減価償却資産の償却費に関して、租税法令の文理に忠実な法解釈を示し、課税処分を取り消した事例~」(週刊T&Amaster1070号(2025)4頁)、佐藤修二=木村浩之=川添文彬「鼎談 信託型ストック・オプションに関する国税庁見解の法的検討~国税当局への照会制度の課題の検討を兼ねて(前編)(後編)」(週刊T&Amaster991号(2023)4頁、同992号(2023)13頁)など。

梶原康平 (かじわら こうへい)
法律事務所Y Cube弁護士・公認会計士。2010年 東京大学経済学部卒業、2013年 同法科大学院修了、2014年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、2020年 ウィーン経済大学(WU - 国際租税法LL.M.)修了、2023年 公認会計士登録、2024年~現在 早稲田大学法務教育研究センター講師(租税判例研究)。2015年~2025年 アンダーソン・毛利・友常法律事務所、2021年~2023年 豪州Clayton Utz法律事務所(出向)。代表的な論考等として、仲谷栄一郎=梶原康平「タックス・ヘイブン対策税制の最高裁判決に見る税法との対峙法ー条文は文理解釈で「要件に客観的に該当すれば課税」が基本ー」(週刊金融財政事情2024年2月13日号)、「事前照会に対する文書回答手続の特徴と課題ーオーストラリアのPrivate Rulingとの比較」(週刊T&Amaster999号(2023)17頁)など。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索