税務ニュース2026年06月12日 資料の一部廃棄も特段の行動に該当せず(2026年6月15日号・№1126) 審判所、代表者の預金口座で各協力金等の把握が可能
本件は、請求人(法人)が税務調査を受けて法人税等の修正申告をしたが、原処分庁が売上げ及び雑収入が過少計上になったことについて隠蔽又は仮装の事実があったとして、重加算税の賦課決定処分を行ったことから、請求人が原処分のうち過少申告加算税相当額又は無申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めた事案である。原処分庁は、請求人は営んでいた飲食店のA店舗及びB店舗の売上げや各協力金等に関する資料の一部を廃棄したことなどから、隠蔽又は仮装に該当するとした。
審判所は、隠蔽又は仮装と評価すべき行為が存在するというためには、納税者が当初から所得を過少に申告すること又は法定申告期限までに申告しないことを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき、過少申告をし、又は法定申告期限までに申告しなかったような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解されるとした。
本件では、①請求人の代表者が税務調査を受けるまでA店舗の収入等が代表者個人と請求人のいずれに帰属するのか明確には意識していなかった、②税務調査の際、申告をすると税金を納めることになるので申告しなかったという趣旨の申述をしており、代表者から税金が払えないとの連絡があり納税の準備ができたら申告をすることになっていた旨の顧問税理士の答述を考慮すると、代表者の申述の真意は、税金を免れる目的で申告しなかったというよりも、納税資金がなかったから申告しなかったと考えられる、③請求人はB店舗の売上げが記載された売上ノートを所持しており、期限後申告におけるB店舗に係る収入等は、代表者が原処分庁の調査担当職員に対して提出した売上ノートを基に算出されている、④請求人は代表者の預金口座を確認すれば実際に受領した各協力金等の金額を把握できることなどからすると、当初から所得を過少に申告すること又は法定申告期限までに申告しないことを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動があったとまでいうことはできないとし、隠蔽又は仮装した事実があったとは認められないとして原処分の一部を取り消した。
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