会計ニュース2026年08月28日 他者からの排出枠は取得原価で資産計上(2026年8月31日号・№1136) ASBJ、GX推進法に基づく排出量取引制度に関する会計処理を示す
企業会計基準委員会(ASBJ)は現在、企業会計基準諮問会議から提言があった「排出量取引制度に係る会計上の取扱い」について検討を行っているが、その概要が明らかになりつつある。
今回開発している実務対応報告は、GX推進法に基づく排出量取引制度における制度対象事業者の会計処理に関して、当面必要と考えられる実務上の取扱いを明らかにするものとなっている。このため、実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」とは別に、新たな実務対応報告として公表する方針を示している。
会計処理については、まず、制度対象事業者に無償で割り当てられた排出枠については、割当時には会計処理しないこととなる(本誌1132号10頁参照)。また、制度対象事業者が他者から購入した排出枠については、取得に要した原価をもって資産計上することになる。この他者から購入した排出枠を売却した場合については、売却の会計処理を行い、売却による入金額と売却した排出枠の帳簿価額との差額を損益として計上する。なお、制度対象事業者が他者から購入した排出枠は、保有義務の充足に用いるものとして、市場価格による評価替えを行わないとしている。
排出枠の不足が見込まれる場合については、期末日において、上回ると見込まれる量の排出枠の取得に要する額又は未償却負担金として支払う額のいずれか小さい金額のうち、当期の負担に属する金額を費用として計上し、引当金を計上する。排出枠の取得に要する額は、期末日における排出枠の市場価格に、不足が見込まれる排出枠の量を乗じた金額をもって算定し、既に他者から購入した排出枠を保有している場合には、その排出枠の帳簿価額をもって算定することになる。
排出枠の償却日においては、割当年度における保有義務に対応した引当金の帳簿価額を見直しの上、割当年度における仮受金等の負債と併せて割当年度の保有義務の充足に用いた排出枠の帳簿価額と相殺し、生じた差額は損益として計上する。また、無償で割り当てられた排出枠が余剰となったことが償却日において確定した場合には、制度対象事業者は、その余剰を償却日時点の市場価格をもって利益として計上し、資産を計上する。
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