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税務ニュース2026年10月16日 高裁、米国公的遺族年金は相続税の対象(2026年10月19日号・№1142) 受給権は相続税法3条1項6号が定めるみなし相続財産に該当

  • 東京高裁、被相続人の死亡により配偶者(妻)が取得した米国公的遺族年金の受給権は相続税の課税対象(令和8年10月8日判決)。
  • 米国公的遺族年金に関する類似事案の東京高裁判決は来月の見込み。スイスの公的遺族年金の受給権については京都地裁が相続税の課税対象と判断(大阪高裁で審理中)。

 本件の争点は、被相続人の死亡によりその配偶者である妻が取得した米国の公的な遺族年金の受給権が相続税の課税財産に該当するか否かである。事実関係をみると、被相続人は、相続開始日の属する令和元年当時、米国の公的年金に係る老齢給付金として月額1,106米国ドルを受給していた。被相続人の配偶者である妻は、被相続人の死亡により米国連邦規則集の規定に基づき米国公的遺族年金の受給権を取得した。この米国公的遺族年金の受給権に係る令和元年の受給額は、米国連邦規則集の規定に基づき被相続人の老齢給付金と同額(月額1,106米国ドル)であった。東京地裁はまず「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」(相法3①六)とは、法令等(外国の法令を含む)の規定によって相続人等が直接に取得する定期金に関する権利をいうと解するのが相当であるという判断の枠組みを示した。そのうえで本件受給権は米国連邦規則集の規定に基づき被相続人の遺族である妻が直接取得した米国公的遺族年金を受給する権利であり、「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」(相法3①六)に当たるからみなし相続財産として相続税の課税財産に該当するという判決を下していた(本誌1114号40頁参照)。この判決を不服とした納税者は控訴を提起していたものの、東京高裁(第2民事部・谷口園恵裁判長)も米国公的遺族年金の受給権が相続税の課税財産に該当するという判断を示した。具体的にみると、谷口裁判長は、米国公的遺族年金の本件受給権は相続税法3条1項6号が定めるみなし相続財産に該当して相続税の課税財産となり、本件受給権に同法3条1項6号を適用することが憲法の定める平等原則に違反するとはいえないという判断を示した。
 なお、本件と同様に米国公的遺族年金の受給権が問題となっている別の事案の東京高裁(第24民事部)判決は、来月の11月12日に下される見込みだ。海外の公的遺族年金をめぐっては、被相続人の死亡により配偶者が取得したスイスの公的遺族年金の受給権がみなし相続財産に該当し、相続税が課税される旨の判決が下されていることが明らかとなっている(京都地裁令和8年5月25日判決・大阪高裁に係属中)。

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