税務ニュース2026年10月16日 株式差押処分の第三債務者も不服申立可(2026年10月19日号・№1142) 審判所、滞納者が差押財産を所有していなくても差押は違法とならず
本事案は、原処分庁が滞納会社の滞納国税を徴収するために、請求人(第三債務者)が発行した株式の差押処分を行ったところ、請求人が本件滞納会社は当該株式を保有していないとして、差押処分の取消しを求めたものである。請求人は、本件株式はG社(株主名簿上の株主)が保有しており、滞納会社の所有する財産でないから差押えの対象にはならず違法な処分であると主張。一方で原処分庁は、そもそも請求人は本件差押処分によって自己の権利又は法律上の利益を侵害されていないのであるから、請求の利益を欠く不適法なものであるとしており、①請求人は差押処分に「不服がある者」(通則法75条1項)として差押処分の取消しを求めることができるか、②滞納会社が本件株式を所有していないことは、差押処分の違法事由となるかどうかが争点となっている。
まず、請求人が差押処分に「不服がある者」に該当するかについては、審判所は「不服がある者」とは、当該処分によって直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者をいうと解されるとした。その上で、株式が滞納処分により差し押さえられた場合には、株主の地位に基づく剰余金配当請求権等の債権に対しても差押処分の効力が及ぶところ、債権の差押処分の場合と同様に、請求人は、本来の債権者である株主に対する債務の履行を禁じられ、直接自己の権利又は法律上の利益を侵害されることになるから、国税に関する法律に基づく処分に「不服がある者」として、差押処分処分の取消しを求めることができると判断した。
しかし、滞納会社が本件株式を所有していないことが差押処分の違法事由になるかどうかについては、国税徴収法47条1項の規定に基づいて滞納者の財産を差し押さえる場合に、その財産が滞納者の有するものとして現に存在していることは要件とされておらず、仮に滞納会社が差押財産である本件株式を所有していなかったとしても、結果的に差押処分の執行が功を奏しないことになるだけであると指摘。審判所は、滞納会社が株式を所有していないことが差押処分の違法事由とはならないとした。
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