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訴訟・登記2019年08月14日 各種法人の登記実務の変遷 執筆者:立花宣男

 商業登記については、その根拠法である会社法自体が、商法に見られた準用を極力廃除し、条文の規定振りに紛れが生じないように配慮されており、商法時代に見られた多くの問題点が立法的に解決されましたが、依然商業登記実務との間には少々かい離が存在しておりました。しかし、会社法施行から8年が経過し、立法担当者あるいは会社法学者の見解等及び登記実務の運用実績により、施行当初に見られた混乱等は落ち着きを得てきました。
 これに対して、会社以外の法人等については、法人登記の対象となる法人等が二百数十種類あり、それぞれの設立根拠法が独自の規律を有しています。その登記手続についても、「法人登記法」といったすべての法人等の登記手続について適用されるような統一的な登記手続法は存在せず、それぞれの設立根拠法において一部商業登記法の準用がされているに過ぎません。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)が制定されたものの、一般法人法は株式会社との性質の異なる点を除けば、ほとんど会社法と同様の規律であって、二百数十種類もある法人等に直接当てはまらない点が少なからずあります。
 昭和39年、非訟事件手続法から分離した商業登記法及び商業登記規則が施行され、これに伴い、各種法人等の根拠法の改正と、特殊法人登記令(現独立行政法人等登記令)、組合等登記令及び法人登記規則(現各種法人等登記規則)が新たに施行されることとなり、法人等の登記手続規定が大幅に整理されました。
 しかし、各種法人等については、統一的な登記手続法は存在せず、各設立根拠法あるいは組合等登記令及び各種法人等登記規則によることになりますが、各設立根拠法あるいは組合等登記令自体、包括的な規定振りであり、例えば代表者の変更登記の添付書面については、「変更を証する書面」とされているのみであるため、形式審査権のみを有する登記官の心証を得るための運用に頼らざるを得ないという悩ましい分野です。そのため、特に法人等の代表者の変更登記の分野は、極めて先例等が多く、その先例自体も各設立根拠法の改正の都度、発出されますが、具体的な事例に即した点に言及されない傾向にあり、不完全燃焼の感があることは否めません。
 このように、法人等の代表者の変更登記については、先例等を吟味することはもとより、各設立根拠法について比較検討することがその理解の早道であると考えられます。
 そこで、役員登記について、その共通する事項及び異なる部分を比較検討し、先例等を吟味しながら示そうと試み、「各種法人 役員登記の実務-一般社団・財団法人、各種組合、投資法人など-」を執筆しました。本書は、主要な法人については、各論において詳述しており、宗教法人や、今世間の耳目を集めている星野リゾート・リート投資法人のような投資法人についても言及しています。
 浅学の筆者ですが、実際の登記事務処理を経験した者として、法人登記に関係する各位の事務処理の参考になれば幸いです。

(2014年6月執筆)

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