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医療・薬事2025年05月07日 病院の面会制限まだ必要? 医師ら団体「人権侵害」 コロナ5類から2年 提供:共同通信社

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」になってから8日で2年がたつ中、多くの病院や介護施設で続く面会制限に「本当にまだ必要なのか」と疑問の声が上がっている。医師や福祉職らでつくる団体は「家族の最期のときに会えないのは人権侵害。デメリットの方が大きい」として、面会制限の緩和や廃止を求めている。
 「まさか、まだこんなに厳しいとは…」。首都圏の30代男性医師は驚きと憤りを交えて話す。男性は、妻の母親ががんで今年1月から秋田県内の病院に入院。4月中旬に亡くなったが、面会は当初「登録した家族2人だけ」と言われ、妻も会えなかった。
 3月に緩和ケア病棟に移り、面会制限が緩和されたため、自分たちの幼い子どもを連れて秋田へ。「これが最後かもしれないので、孫に会わせてやりたい」と病院にかけ合ったが、「子どもは感染リスクが高いのでダメ。ルールはルール」と許可されなかった。
 ところが、粘っていると「一時外出したら、誰とでも会っていい」と言われ、急きょ介護タクシーを手配して義母の実家へ。孫や友人とも面会がかなった。ただ、男性は釈然としない。「感染対策と言うのなら、病院の対応は矛盾している」
 しかもペットの面会は可能で「犬や猫が会えるのに、孫が会えないというのは何なのか」。
 自身、感染症内科医でコロナ禍の際は都内の病院で対応に当たった。海外の状況を調べた上で「日本の面会制限は過剰。現場にしてみると『面会はない方が楽』という面もあるだろう」と話す。
 厚生労働省は「面会の重要性と感染対策の両方に留意し、面会の機会を可能な範囲で確保するよう検討をお願いしたい」との見解を示しているが、具体的な対応は各病院や施設に委ねている。
 医師らでつくる「コロナ後の医療・福祉・社会を考える会」が昨年秋、全国の大学病院と赤十字病院の状況を調べたところ、ほとんどが何らかの制限を設定。「面会禁止」の例もまだあった。
 同会の共同代表で、静岡市立静岡病院の感染管理室長の岩井一也(いわい・かずや)医師によると、同病院では制限はなく、子どもの面会もOK。マスク着用も求めていないが、他の病院と比べて感染状況に差はないという。
 岩井さんは「面会制限が感染拡大防止に有効だという科学的根拠はない。入院中の患者が大切な人と面会するのは重要な権利だが、患者や家族は『お世話になっている』という気持ちがあり、言いにくい」と指摘。
 制限を緩和する動きが徐々に出ているものの、「病院側の裁量による緩和だと、感染状況などによってまた厳しい形に戻ってしまう恐れがある。国民が声を上げるべきだ」と話している。

(2025/05/07)

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