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教育2025年05月08日 ひきこもり支援、新指針 多様な悩みに寄り添い 「自律」目指す、厚労省 提供:共同通信社

 ひきこもりの人や家族の支援を強化するため厚生労働省が自治体向けの指針を新たに策定した。従来は就労や社会参加など「自立」を支援のゴールと捉える傾向にあったのに対し、当事者本人が自身を肯定して主体的に意思決定できることを「自律」と位置付け、「目指す姿」とした。支援の対象者を従来より広く捉えたのも特徴だ。ポイントや事例を紹介し、多様化する悩みに寄り添う伴走型の支援につなげる。
 従来の指針は厚労省研究班が2010年に策定。ひきこもりの期間を「6カ月以上」とし、精神疾患や障害が背景にあるとして医療的な支援に結び付ける内容だった。
 新指針は「何らかの生きづらさを抱え、困難を感じている状態」や「他者との交流が限定的な状態」にある人と、その家族を支援の対象とした。ひきこもりの期間は問わない。従来の指針との併用を想定している。
 やりとりの30事例を掲載。中学生の頃に不登校になった20代女性を相談員が訪問し、趣味などの世間話を重ねるうちに自室から出られるようになった例などを示した。
 支援のポイントも整理。「電話やメール、交流サイト(SNS)など相談しやすい環境を整える」「家族間の意向が異なる場合は本人を最優先に全体の支援を組み立てる」など50項目を挙げた。
 近年は①生活困窮やいじめ、リストラといった社会問題②人間関係の希薄化③世帯構成の変化―などが複合的に絡んだケースが多いという。高齢化が進み、50代の当事者と80代の親が困窮する「8050問題」も深刻化。実態に即した支援が必要として当事者団体や家族会が参加した検討会が指針の内容を議論した。
 検討会の委員長を務めた白梅学園大の長谷川俊雄(はせがわ・としお)名誉教授は「本人が目指すゴールに寄り添うために理解を深め合うことが大切だ」と話す。

ひきこもり支援のポイント

 ひきこもり支援指針のポイントは次の通り。
 一、当事者が自身を肯定して主体的に意思決定できる「自律」を目指す。
 一、支援の対象は「生きづらさを抱え、困難を感じている状態」や「他者との交流が限定的な状態」にある人と家族。
 一、従来は「6カ月以上」としていた、ひきこもりの期間は問わない。
 一、当事者と親が高齢化する「8050問題」などが深刻化し、多様な支援が必要。

ひきこもり

 内閣府が2023年に公表した調査によると、全国の15~64歳のうち、ひきこもり状態にある人は推計146万人。高齢化した当事者と親が周囲から孤立し困窮する「8050問題」では、介護や病気など複合的な問題を抱える例があり、「親亡き後」の支援も課題になっている。国の補助金で各地の自治体が「ひきこもり地域支援センター」を設けて、支援を進めている。

(2025/05/08)

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