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人事労務2026年03月09日 原因見極め、解消に挑む 企業、男性の意識改革促す 男女賃金格差 提供:共同通信社

 なぜ男女の賃金に差があるのか。同じような仕事をしていても、なぜ女性の方が低く抑えられているのか。この「説明できない格差」とされる問題に向き合って原因を見極め、解消に挑む企業がある。女性の賃金向上だけでなくキャリア形成につなげようと、育児や家事の担い手となる男性側の意識改革を促す取り組みも活発になってきた。
 ▽格差の要因
 一定規模を満たす企業には男女の賃金格差の開示が法律で義務付けられている。政府が示す計算式は、男女別に総賃金を人数で割って平均を出し、女性の賃金が男性の何パーセントに当たるかを算出する。シンプルで全体の傾向はつかめるものの、報酬体系が平等なのか、詳細は分からない。
 さらに踏み込んで検証し、改善につなげたのは、フリーマーケットアプリ大手のメルカリだ。
 2023年に約2千人の正社員を対象に職種や等級などの条件をそろえ、大規模な調査を実施。同じ条件では、男性の賃金が女性よりも7%高い結果となった。演算に当たったデータアナリスト諏訪ひと美(すわ・ひとみ)さんは「(複数の要因による影響を数値化する)『重回帰分析』という手法を使って深掘りした」と振り返る。
 メルカリは社員の9割が中途入社。男性の方が高い傾向にあった前の会社の給与水準を参考に賃金を決めていたという。格差を生み出す要因の一端を解き明かした。メルカリは女性の賃金を引き上げ、25年には差は1・4%まで圧縮。今後も調査を続け、さらなる縮小を追い求める。
 ▽能力発揮
 日本航空も格差縮小を進め、年齢や職種が同じ男女の賃金は均衡しつつある。
 男女がともに働きやすい職場環境整備に向け「採用、継続、活躍の3分野で取り組んでいる」と話すのはDEI推進グループ長の入沢朋子(いりさわ・ともこ)さん。
 まず「採用」面では、航空業界はパイロットは男性、客室乗務員は女性と、職種ごとに性別に偏りがある。さまざまな職種で男女ともに積極的に採用し、性別にかかわらず能力を発揮できる職場づくりを見据える。
 女性がキャリアを分断させない「継続」、管理職として成長することを目指す「活躍」を達成するためには、男性側の意識改革も必要だ。
 男性育児休業取得率100%を目標とし、現在、平均約45日となっている取得日数を伸ばすことを目指す。家事や育児に消極的な「取るだけ育休」とはならないよう、社内で男性向けの料理教室を開いている。
 ▽育休応援
 24年度雇用均等基本調査によると、国内全体の男性育休取得率は40・5%。年々上昇しているが、出産した女性の86・6%には及ばない。
 三井住友海上火災保険は、育休取得者のいる職場の社員に「育休職場応援手当(祝い金)」を支給している。取得した本人以外の全員に最大10万円を支払う。取得期間が長い方が総じて支給額が高い。職場を離れることへの心理的なハードルを引き下げ、長期間にわたって育休を取る男性が増えているという。

(2026/03/09)

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