人事労務2026年03月17日 130万円の壁、要件緩和 4月から残業代含めず 厚労省、働き控え解消 提供:共同通信社

厚生労働省は、会社員の扶養に入るパートらの社会保険料負担が生じる「年収130万円の壁」対策として、4月から年収の要件を緩和し、実質的に上限を引き上げる。現在は残業代を含めた金額で年収を計算するが、給与収入のみの場合は残業代を含めずに計算できるようになり、残業して年収130万円以上でも原則として扶養から外れなくなる。働き控えの解消につなげる狙い。
「130万円の壁」は勤務先の従業員数が51人以上といった厚生年金の加入要件を満たさない場合、年収130万円以上だと扶養を外れ、国民年金や国民健康保険の保険料の支払いが生じる年収の境目。
これまで「壁」を超えるかどうかは残業代を含む年収の実績などから判定していたため、残業時間を減らして扶養から外れないようにする働き控えにつながっていた。4月からは給与以外に不動産、配当といった収入がない場合、雇用契約時の書類などで規定された賃金から年収を計算する。
政府が2023年に始めた「年収の壁」の支援強化パッケージでは、年収130万円以上でも、人手不足による残業など一時的であることを事業主が証明すれば、連続2年まで扶養が維持されるような時限的な特例措置を取ってきた。この対応を広げて恒久化する。
会社員の扶養に入る主婦らは、保険料を自ら納めずに年金を受け取れる「第3号被保険者」と呼ばれる。24年度末時点では約641万人。共働き世帯が増えていることもあり、昨年6月成立の年金制度改革法の付則では、第3号被保険者制度の実態などを調査し、見直しを含む検討を進めることが明記された。
年収の壁
会社員や公務員に扶養されるパートらは一定の年収になると、社会保険料や税金の負担が生じて手取りが減る。この年収の境目が、働き控えを招く「壁」と呼ばれる。企業にとっては人手不足の要因となる。社会保険料では「130万円の壁」のほか、従業員51人以上の企業に勤める場合などの「106万円の壁」がある。所得税が生じる「103万円の壁」は2025年に160万円に見直され、26年は178万円に引き上げられる見通し。
(2026/03/17)
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