資料2004年03月01日 【税務通達等】 消費税法基本通達(平成15年6月30日付改正分まで)第13章 簡易課税制度による仕入れに係る消費税額の控除
第13章 簡易課税制度による仕入れに係る消費税額の控除
第1節 通 則
(仕入税額控除の特例の適用がない分割に係る課税期間)
13-1-1 (平9課消2-5により改正、平13課消1-5により削除)
(合併法人等が簡易課税制度を選択する場合の基準期間の課税売上高の判定)
13-1-2 吸収合併又は吸収分割があった場合において、当該吸収合併に係る合併法人又は当該吸収分割に係る分割承継法人の法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する基準期間における課税売上高が5,000万円を超えるかどうかは、当該合併法人又は当該分割承継法人の基準期間における課税売上高のみによって判定するのであるから留意する。(平13課消1-5、平15課消1-37により改正)
(簡易課税制度選択届出書の効力)
13-1-3 法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定による届出書(以下「簡易課税制度選択届出書」という。)は、課税事業者の基準期間における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について簡易課税制度を選択するものであるから、当該届出書を提出した事業者のその課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円を超えることにより、その課税期間について同制度を適用することができなくなった場合又はその課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となり免税事業者となった場合であっても、その後の課税期間において基準期間における課税売上高が1,000万円を超え5,000万円以下となったときには、当該課税期間の初日の前日までに同条第2項《簡易課税制度の選択不適用》に規定する届出書を提出している場合を除き、当該課税期間について再び簡易課税制度が適用されるのであるから留意する。(平9課消2-5、平15課消1-37により改正)
(相続があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の2 相続があった場合における法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 被相続人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、相続により当該被相続人の事業を承継した相続人には及ばない。したがって、当該相続人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(2) 事業を営んでいない相続人が相続により被相続人の事業を承継した場合又は個人事業者である相続人が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合において、当該相続人が相続があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第2号《相続があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する個人事業者が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56条第2号に規定する課税期間には該当しない。
(合併があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の3 合併があった場合における法第 37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 被合併法人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、吸収合併又は新設合併により当該被合併法人の事業を承継した合併法人には及ばない。したがって、当該合併法人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(2) 法人が新設合併によりその事業を承継した場合又は吸収合併により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合において、当該法人が合併があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第3号《合併があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する法人が吸収合併により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56条第3号に規定する課税期間には該当しない。
(分割があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の4 分割があった場合における法第 37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 分割法人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、分割により当該分割法人の事業を承継した分割承継法人には及ばない。したがって、当該分割承継法人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(注) 法第12条第7項第2号又は第3号《分割等の意義》に該当する分割等により新設分割親法人の事業を引き継いだ新設分割子法人についても同様である。
(2) 法人が、新設分割によりその事業を承継した場合又は吸収分割により法第37条第1項の規定の適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合において、当該法人が新設分割又は吸収分割があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第4号《吸収分割があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する法人が吸収分割により法第37条第1項の規定の適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56 条第4号に規定する課税期間には該当しない。
(注) (2)の本文の場合においては、当該課税期間から法第37条第1項の規定が適用されるのであるが、分割等に係る新設分割子法人については、簡易課税制度選択届出書を提出している場合であっても、当該課税期間が令第55条《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割等に係る課税期間》に規定するいずれかの課税期間に該当するときは、法第37条第1項の規定は適用されないのであるから留意する。
(簡易課税制度選択届出書を提出することができる事業者)
13-1-4 簡易課税制度を適用できる事業者は、簡易課税制度選択届出書を提出した事業者で、当該課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者に限られるのであるが、当該簡易課税制度選択届出書の提出は免税事業者であってもできるのであるから留意する。(平9課消2-5、平15課消1-37により改正)
(事業を開始した課税期間の翌課税期間からの簡易課税制度の選択)
13-1-5 事業者が簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が5,000万円を超える課税期間及び令第55条各号《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割に係る課税期間》に規定する課税期間を除く。以下13-1-5において同じ。)について、簡易課税制度を選択できるのであるから、当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間が令第56条各号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する課税期間に該当する場合であっても、当該課税期間の翌課税期間から簡易課税制度を選択することもできることに留意する。(平9課消2-5、平13課消1-5、平15課消1-37により改正)
(注) この場合、事業者は、当該簡易課税制度選択届出書において適用開始課税期間の初日の年月日を明確にしなければならない。
(「やむを得ない事情」の範囲等)
13 -1-5の2 法第37条第5項《届出書の提出時期に係る特例》に規定する「やむを得ない事情」の意義については、1-4-16による。
また、令第57条の2第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出等に関する特例》に規定する「当該事情がやんだ後相当の期間内」の意義については、1-4-17による。 (平10課消2-9により追加)
(貸倒れがあった場合の適用関係)
13-1-6 簡易課税制度を適用している事業者の行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等について法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》に規定する事実が生じたこと(以下「貸倒れ」という。)により同項の規定の適用がある場合又は同項の規定の適用を受けた貸倒れに係る売掛金等を回収した場合における消費税額の計算は、次によるのであるから留意する。(平9課消2-5により改正)
(1) その貸倒れとなった売掛金等に係る消費税額(当該売掛金等の金額に105分の4を乗じて算出した金額をいう。以下13-1-6において同じ。)は、当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から、法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定により当該課税期間における仕入控除税額とみなされる金額を控除した後の金額から控除する。
(2) 回収した売掛金等に係る消費税額は、その回収した日の属する課税期間における課税標準額に対する消費税額に加算され、加算後の金額を基に同項の規定により仕入控除税額を計算する。
第2節 事業区分の判定
(事業者が行う事業の区分)
13-2-1 事業者が行う事業が第一種事業(令第57条第5項第1号《事業の種類》に規定する第一種事業をいう。以下同じ。)、第二種事業(同項第2号に規定する第二種事業をいう。以下同じ。)、第三種事業(同項第3号に規定する第三種事業をいう。以下同じ。)、第四種事業(同項第5号に規定する第四種事業をいう。以下同じ。)又は第五種事業(同項第4号に規定する第五種事業をいう。以下同じ。)のいずれに該当するかの判定は、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行うのであるから留意する。
ただし、資産の譲渡に伴い通常役務の提供が併せて行われる取引の場合で、当該譲渡を行う事業者が当該役務の提供の対価を受領していないと認められるときには、当該取引の全体が資産の譲渡に係る事業に該当するものとして第一種事業から第五種事業までのいずれの事業に該当するかを判定して差し支えない。(平9課消2-5、平10課消2-9により改正)
(性質及び形状を変更しないことの意義)
13-2-2 令第57条第5項第1号に規定する第一種事業(卸売業)及び同項第2号に規定する第二種事業(小売業)は、同条第6項の規定により「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業」をいうものとされているが、この場合の「性質及び形状を変更しないで販売する」とは、他の者から購入した商品をそのまま販売することをいう。
なお、商品に対して、例えば、次のような行為を施したうえでの販売であっても「性質及び形状を変更しないで販売する」場合に該当するものとして取り扱う。
(1) 他の者から購入した商品に、商標、ネーム等をはり付け又は表示する行為
(2) 運送の利便のために分解されている部品等を単に組み立てて販売する場合、例えば、組立て式の家具を組み立てて販売する場合のように仕入商品を組み立てる行為
(3) 2以上の仕入商品を箱詰めする等の方法により組み合わせて販売する場合の当該組合せ行為
(食料品小売店舗において行う販売商品の加工等の取扱い)
13-2-3 事業者が他から購入した食料品を、その性質及び形状を変更しないで専ら消費者に販売する店舗において、当該販売に供される商品に軽微な加工をして販売する場合で、当該加工が当該加工前の食料品を販売している店舗において一般的に行われると認められるもので、当該加工後の商品が当該加工前の商品と同一の店舗において販売されるものであるときの当該加工後の商品の譲渡を行う事業は、第二種事業に該当するものとして取り扱って差し支えない。
(第三種事業及び第五種事業の範囲)
13-2-4 令第57条第5項第3号《事業の種類》の規定により第三種事業に該当することとされている農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業(自己の製造した商品を直接消費者に販売する事業をいう。以下13-2-6において同じ。)を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業(以下「製造業等」という。)並びに同項第4号の規定により第五種事業に該当することとされている不動産業、運輸通信業及びサービス業(以下「サービス業等」という。)の範囲は、おおむね日本標準産業分類(総務省)の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。
この場合において、サービス業等とは、日本標準産業分類の大分類に掲げる不動産業、情報通信業、運輸業、飲食店・宿泊業(飲食店に該当するものを除く。)、医療・福祉、教育・学習支援業、複合サービス事業及びサービス業(他に分類されないもの)をいうものとする。
なお、日本標準産業分類の大分類の区分では製造業等又はサービス業等に該当することとなる事業であっても、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業は、第一種事業又は第二種事業に該当するのであるから留意する。
また、製造業等に該当する事業であっても、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業は、第四種事業に該当するのであるから留意する。 (平10課消2-9、平14課消1-40により改正)
(注) 例えば、建売住宅を販売する建売業のうち、自ら建築施工しないものは、日本標準産業分類では不動産業に該当するが、他の者が建築した住宅を購入してそのまま販売するものであるから、第一種事業又は第二種事業に該当し、また、自ら建築した住宅を販売するものは、第三種事業の建設業に該当することとなる。
(製造業等に含まれる範囲)
13-2-5 次の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱う。(平14課消1-40により改正)
(1) 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売する、いわゆる製造問屋としての事業
なお、顧客から特注品の製造を受注し、下請先(又は外注先)等に当該製品を製造させ顧客に引き渡す事業は、顧客から当該特注品の製造を請け負うものであるから、原則として第三種事業に該当する。
(2) 自己が請け負った建設工事(第三種事業に該当するものに限る。)の全部を下請に施工させる元請としての事業
(3) 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業
(4) 新聞、書籍等の発行、出版を行う事業
(製造小売業の取扱い)
13-2-6 製造小売業は、日本標準産業分類において小売業に分類されているが、法第37条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用上は、令第57条第5項第3号へ《事業の種類》の製造業に含まれ、第三種事業に該当するのであるから留意する。
(加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供の意義)
13-2-7 令第57条第5項第3号《事業の種類》に規定する「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供」とは、13-2-4本文の規定により判定した結果 、製造業等に該当することとなる事業に係るもののうち、対価たる料金の名称のいかんを問わず、他の者の原料若しくは材料又は製品等に加工等を施して、当該加工等の対価を受領する役務の提供又はこれに類する役務の提供をいう。
なお、当該役務の提供を行う事業は第四種事業に該当することとする。 (平10課消2-9により改正)
(注) 13-2-4により判定した結果がサービス業等に該当することとなる事業に係るものは、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業であっても第五種事業に該当するのであるから留意する。
(廃材(品)、加工くず等の売却収入の事業区分)
13-2-8 第三種事業に該当する建設業、製造業等に係る事業に伴い生じた加工くず、副産物等の譲渡を行う事業は、第三種事業に該当するのであるから留意する。
なお、第一種事業又は第二種事業から生じた段ボール等の不要物品等(当該事業者が事業の用に供していた固定資産等を除く。以下13-2-8において「不要物品等」という。)の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるが、当該事業者が当該不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、これを認める。
(旅館等における飲食物の提供)
13-2-8の2 令第57条第5項第4号ハ《第五種事業の種類》の規定により、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば、旅館、ホテル等の宿泊施設を経営する事業者が、宿泊者に対して宿泊に係る役務の提供に併せて当該宿泊施設において飲食物の提供を行う場合又は宿泊者以外の者でも利用することができる当該宿泊施設内の宴会場、レストラン、バー等において飲食物の提供を行う場合において、請求書、領収書等により当該飲食物の提供に係る対価の額を宿泊に係る役務の提供に係る対価の額と明確に区分して領収することとしているときの当該飲食物の提供が該当する。
なお、食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場等(以下13-2-8の2において「食堂等」という。)のように、飲食のための設備を設けて、主として注文によりその場所で飲食させる事業(以下13-2-8の2において「食堂等としての事業」という。)は、日本標準産業分類の大分類の区分も飲食店とされており、同号ハの規定の適用を待つまでもなく、第四種事業に該当する。 (平10課消2-9により追加)
(注)1 食堂等が行う飲食物(店舗において顧客に提供するものと同種の調理済みのものに限る。)の出前は食堂等としての事業であり、第四種事業に該当するが、食堂等が自己の製造した飲食物を持ち帰り用として販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当するのであるから留意する。
2 飲食のための設備を設けずに、自己の製造した飲食物を専ら宅配の方法により販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当することとなる。
(第四種事業に該当する事業)
13-2-8の3 令第57条第5項第5号《第四種事業の種類》に規定する第四種事業には、同項第3号《第三種事業の種類》の規定により第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業及び同項第4号《第五種事業の種類》の規定により第五種事業のサービス業から除かれる飲食店業に該当する事業のほかに、例えば、次の事業(これらの事業を経営する者が行う資産の譲渡等のうち、第一種事業又は第二種事業に該当するものを除く。)が該当することとなる。(平10課消2-9により追加)
(1) 信用金庫、信用協同組合、貸金業、質屋等の金融業
(2) 証券業、証券投資顧問業、商品先物取引業等
(3) 生命保険業、損害保険業、損害保険代理業、損害査定業等
(固定資産等の売却収入の事業区分)
13 -2-9 事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるから留意する。
(売上げに係る対価の返還等を行った場合の事業区分)
13-2-10 簡易課税制度を適用する事業者が、売上げに係る対価の返還等を行った場合において、当該対価の返還等に係る金額につき、第一種事業から第五種事業に係る事業の区分をしていない部分があるときは、当該区分していない部分については、当該事業者の課税売上げに係る帳簿等又は対価の返還等に係る帳簿等を基に合理的に区分するものとする。(平9課消2-5により改正)
第3節 事業の区分及び区分記載の方法
(事業の種類が区分されているかどうかの判定)
13-3-1 第一種事業から第五種事業のうち二以上の種類の事業を行っている事業者は、令第57条第2項又は第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用に当たって課税資産の譲渡等につきこれらの事業の種類ごとに区分しなければならないが、この場合の区分方法としては、当該事業者の帳簿に事業の種類を記帳する方法のほか、次の方法によることとしても差し支えない。(平9課消2-5により改正)
(1) 取引の原始帳票等である納品書、請求書、売上伝票又はレジペーパー等に事業の種類又は事業の種類が区分できる資産の譲渡等の内容を記載する方法
(2) 事業場ごとに一の種類の事業のみを行っている事業者にあっては、当該事業場ごとに区分する方法
(事業の種類の判定方法)
13-3-2 第一種事業から第五種事業までのうちいずれの事業に係るものであるかの区分は、課税資産の譲渡等ごとに行うのであるが、第一種事業から第五種事業のうち二以上の種類の事業を行っている事業者が、当該二以上の種類の事業のうち一の種類の事業に係る課税売上げのみを区分していない場合には、当該課税期間における課税売上高(令第57条第3項第1号《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する当該課税期間における課税売上高をいう。以下13-4-2までにおいて同じ。)から事業の種類を区分している事業に係る課税売上高の合計額を控除した残額を、当該区分していない種類の事業に係る課税売上高として取り扱って差し支えない。
例えば、第一種事業、第二種事業及び第三種事業を行っている事業者が、帳簿上、第一種事業と第二種事業に係る課税売上げを区分している場合には、区分していない残りの課税売上げは第三種事業として区分しているものとして取り扱うこととなる。(平9課消2-5により改正)
第4節 二以上の事業を営む場合のみなし仕入率の適用関係
(二以上の種類の事業がある場合の令第57条第2項及び第3項の適用関係)
13-4-1 事業者が第一種事業から第五種事業までのうち二以上の種類の事業を行っている場合において、当該事業者の当該課税期間における課税売上高に占める一の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の割合又は二の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の合計額の割合が100分の75以上である場合には、令第57条第2項又は第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》のいずれかを選択して適用することができるのであるから留意する。(平9課消2-5により改正)
(三以上の種類の事業がある場合の令第57条第3項の適用関係)
13-4-2 事業者が第一種事業から第五種事業までのうち三以上の種類の事業を行っている場合において、当該事業者の当該課税期間における課税売上高に占める一の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の割合が100分の75以上である場合には、令第57条第3項第1号イからホまで《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》のいずれかの規定に該当するとともに、同項第2号イからニまでのいずれかの規定にも該当することになるのであるが、この場合、事業者は該当する二以上の規定のうちいずれか一の規定を選択して適用することができるのであるから留意する。
なお、当該課税期間における課税売上高に占める二の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の合計額の割合が 100分の75以上の場合で、同項第2号イからニまでの二以上の規定に該当する場合についても、同様である。 (平9課消2-5により改正)
第1節 通 則
(仕入税額控除の特例の適用がない分割に係る課税期間)
13-1-1 (平9課消2-5により改正、平13課消1-5により削除)
(合併法人等が簡易課税制度を選択する場合の基準期間の課税売上高の判定)
13-1-2 吸収合併又は吸収分割があった場合において、当該吸収合併に係る合併法人又は当該吸収分割に係る分割承継法人の法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する基準期間における課税売上高が5,000万円を超えるかどうかは、当該合併法人又は当該分割承継法人の基準期間における課税売上高のみによって判定するのであるから留意する。(平13課消1-5、平15課消1-37により改正)
(簡易課税制度選択届出書の効力)
13-1-3 法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定による届出書(以下「簡易課税制度選択届出書」という。)は、課税事業者の基準期間における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について簡易課税制度を選択するものであるから、当該届出書を提出した事業者のその課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円を超えることにより、その課税期間について同制度を適用することができなくなった場合又はその課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となり免税事業者となった場合であっても、その後の課税期間において基準期間における課税売上高が1,000万円を超え5,000万円以下となったときには、当該課税期間の初日の前日までに同条第2項《簡易課税制度の選択不適用》に規定する届出書を提出している場合を除き、当該課税期間について再び簡易課税制度が適用されるのであるから留意する。(平9課消2-5、平15課消1-37により改正)
(相続があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の2 相続があった場合における法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 被相続人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、相続により当該被相続人の事業を承継した相続人には及ばない。したがって、当該相続人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(2) 事業を営んでいない相続人が相続により被相続人の事業を承継した場合又は個人事業者である相続人が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合において、当該相続人が相続があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第2号《相続があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する個人事業者が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56条第2号に規定する課税期間には該当しない。
(合併があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の3 合併があった場合における法第 37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 被合併法人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、吸収合併又は新設合併により当該被合併法人の事業を承継した合併法人には及ばない。したがって、当該合併法人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(2) 法人が新設合併によりその事業を承継した場合又は吸収合併により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合において、当該法人が合併があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第3号《合併があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する法人が吸収合併により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56条第3号に規定する課税期間には該当しない。
(分割があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13-1-3の4 分割があった場合における法第 37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。(平13課消1-5により追加、平15課消1-37により改正)
(1) 分割法人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、分割により当該分割法人の事業を承継した分割承継法人には及ばない。したがって、当該分割承継法人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(注) 法第12条第7項第2号又は第3号《分割等の意義》に該当する分割等により新設分割親法人の事業を引き継いだ新設分割子法人についても同様である。
(2) 法人が、新設分割によりその事業を承継した場合又は吸収分割により法第37条第1項の規定の適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合において、当該法人が新設分割又は吸収分割があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第4号《吸収分割があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する法人が吸収分割により法第37条第1項の規定の適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56 条第4号に規定する課税期間には該当しない。
(注) (2)の本文の場合においては、当該課税期間から法第37条第1項の規定が適用されるのであるが、分割等に係る新設分割子法人については、簡易課税制度選択届出書を提出している場合であっても、当該課税期間が令第55条《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割等に係る課税期間》に規定するいずれかの課税期間に該当するときは、法第37条第1項の規定は適用されないのであるから留意する。
(簡易課税制度選択届出書を提出することができる事業者)
13-1-4 簡易課税制度を適用できる事業者は、簡易課税制度選択届出書を提出した事業者で、当該課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者に限られるのであるが、当該簡易課税制度選択届出書の提出は免税事業者であってもできるのであるから留意する。(平9課消2-5、平15課消1-37により改正)
(事業を開始した課税期間の翌課税期間からの簡易課税制度の選択)
13-1-5 事業者が簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が5,000万円を超える課税期間及び令第55条各号《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割に係る課税期間》に規定する課税期間を除く。以下13-1-5において同じ。)について、簡易課税制度を選択できるのであるから、当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間が令第56条各号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する課税期間に該当する場合であっても、当該課税期間の翌課税期間から簡易課税制度を選択することもできることに留意する。(平9課消2-5、平13課消1-5、平15課消1-37により改正)
(注) この場合、事業者は、当該簡易課税制度選択届出書において適用開始課税期間の初日の年月日を明確にしなければならない。
(「やむを得ない事情」の範囲等)
13 -1-5の2 法第37条第5項《届出書の提出時期に係る特例》に規定する「やむを得ない事情」の意義については、1-4-16による。
また、令第57条の2第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出等に関する特例》に規定する「当該事情がやんだ後相当の期間内」の意義については、1-4-17による。 (平10課消2-9により追加)
(貸倒れがあった場合の適用関係)
13-1-6 簡易課税制度を適用している事業者の行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等について法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》に規定する事実が生じたこと(以下「貸倒れ」という。)により同項の規定の適用がある場合又は同項の規定の適用を受けた貸倒れに係る売掛金等を回収した場合における消費税額の計算は、次によるのであるから留意する。(平9課消2-5により改正)
(1) その貸倒れとなった売掛金等に係る消費税額(当該売掛金等の金額に105分の4を乗じて算出した金額をいう。以下13-1-6において同じ。)は、当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から、法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定により当該課税期間における仕入控除税額とみなされる金額を控除した後の金額から控除する。
(2) 回収した売掛金等に係る消費税額は、その回収した日の属する課税期間における課税標準額に対する消費税額に加算され、加算後の金額を基に同項の規定により仕入控除税額を計算する。
第2節 事業区分の判定
(事業者が行う事業の区分)
13-2-1 事業者が行う事業が第一種事業(令第57条第5項第1号《事業の種類》に規定する第一種事業をいう。以下同じ。)、第二種事業(同項第2号に規定する第二種事業をいう。以下同じ。)、第三種事業(同項第3号に規定する第三種事業をいう。以下同じ。)、第四種事業(同項第5号に規定する第四種事業をいう。以下同じ。)又は第五種事業(同項第4号に規定する第五種事業をいう。以下同じ。)のいずれに該当するかの判定は、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行うのであるから留意する。
ただし、資産の譲渡に伴い通常役務の提供が併せて行われる取引の場合で、当該譲渡を行う事業者が当該役務の提供の対価を受領していないと認められるときには、当該取引の全体が資産の譲渡に係る事業に該当するものとして第一種事業から第五種事業までのいずれの事業に該当するかを判定して差し支えない。(平9課消2-5、平10課消2-9により改正)
(性質及び形状を変更しないことの意義)
13-2-2 令第57条第5項第1号に規定する第一種事業(卸売業)及び同項第2号に規定する第二種事業(小売業)は、同条第6項の規定により「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業」をいうものとされているが、この場合の「性質及び形状を変更しないで販売する」とは、他の者から購入した商品をそのまま販売することをいう。
なお、商品に対して、例えば、次のような行為を施したうえでの販売であっても「性質及び形状を変更しないで販売する」場合に該当するものとして取り扱う。
(1) 他の者から購入した商品に、商標、ネーム等をはり付け又は表示する行為
(2) 運送の利便のために分解されている部品等を単に組み立てて販売する場合、例えば、組立て式の家具を組み立てて販売する場合のように仕入商品を組み立てる行為
(3) 2以上の仕入商品を箱詰めする等の方法により組み合わせて販売する場合の当該組合せ行為
(食料品小売店舗において行う販売商品の加工等の取扱い)
13-2-3 事業者が他から購入した食料品を、その性質及び形状を変更しないで専ら消費者に販売する店舗において、当該販売に供される商品に軽微な加工をして販売する場合で、当該加工が当該加工前の食料品を販売している店舗において一般的に行われると認められるもので、当該加工後の商品が当該加工前の商品と同一の店舗において販売されるものであるときの当該加工後の商品の譲渡を行う事業は、第二種事業に該当するものとして取り扱って差し支えない。
(第三種事業及び第五種事業の範囲)
13-2-4 令第57条第5項第3号《事業の種類》の規定により第三種事業に該当することとされている農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業(自己の製造した商品を直接消費者に販売する事業をいう。以下13-2-6において同じ。)を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業(以下「製造業等」という。)並びに同項第4号の規定により第五種事業に該当することとされている不動産業、運輸通信業及びサービス業(以下「サービス業等」という。)の範囲は、おおむね日本標準産業分類(総務省)の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。
この場合において、サービス業等とは、日本標準産業分類の大分類に掲げる不動産業、情報通信業、運輸業、飲食店・宿泊業(飲食店に該当するものを除く。)、医療・福祉、教育・学習支援業、複合サービス事業及びサービス業(他に分類されないもの)をいうものとする。
なお、日本標準産業分類の大分類の区分では製造業等又はサービス業等に該当することとなる事業であっても、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業は、第一種事業又は第二種事業に該当するのであるから留意する。
また、製造業等に該当する事業であっても、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業は、第四種事業に該当するのであるから留意する。 (平10課消2-9、平14課消1-40により改正)
(注) 例えば、建売住宅を販売する建売業のうち、自ら建築施工しないものは、日本標準産業分類では不動産業に該当するが、他の者が建築した住宅を購入してそのまま販売するものであるから、第一種事業又は第二種事業に該当し、また、自ら建築した住宅を販売するものは、第三種事業の建設業に該当することとなる。
(製造業等に含まれる範囲)
13-2-5 次の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱う。(平14課消1-40により改正)
(1) 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売する、いわゆる製造問屋としての事業
なお、顧客から特注品の製造を受注し、下請先(又は外注先)等に当該製品を製造させ顧客に引き渡す事業は、顧客から当該特注品の製造を請け負うものであるから、原則として第三種事業に該当する。
(2) 自己が請け負った建設工事(第三種事業に該当するものに限る。)の全部を下請に施工させる元請としての事業
(3) 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業
(4) 新聞、書籍等の発行、出版を行う事業
(製造小売業の取扱い)
13-2-6 製造小売業は、日本標準産業分類において小売業に分類されているが、法第37条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用上は、令第57条第5項第3号へ《事業の種類》の製造業に含まれ、第三種事業に該当するのであるから留意する。
(加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供の意義)
13-2-7 令第57条第5項第3号《事業の種類》に規定する「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供」とは、13-2-4本文の規定により判定した結果 、製造業等に該当することとなる事業に係るもののうち、対価たる料金の名称のいかんを問わず、他の者の原料若しくは材料又は製品等に加工等を施して、当該加工等の対価を受領する役務の提供又はこれに類する役務の提供をいう。
なお、当該役務の提供を行う事業は第四種事業に該当することとする。 (平10課消2-9により改正)
(注) 13-2-4により判定した結果がサービス業等に該当することとなる事業に係るものは、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業であっても第五種事業に該当するのであるから留意する。
(廃材(品)、加工くず等の売却収入の事業区分)
13-2-8 第三種事業に該当する建設業、製造業等に係る事業に伴い生じた加工くず、副産物等の譲渡を行う事業は、第三種事業に該当するのであるから留意する。
なお、第一種事業又は第二種事業から生じた段ボール等の不要物品等(当該事業者が事業の用に供していた固定資産等を除く。以下13-2-8において「不要物品等」という。)の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるが、当該事業者が当該不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、これを認める。
(旅館等における飲食物の提供)
13-2-8の2 令第57条第5項第4号ハ《第五種事業の種類》の規定により、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば、旅館、ホテル等の宿泊施設を経営する事業者が、宿泊者に対して宿泊に係る役務の提供に併せて当該宿泊施設において飲食物の提供を行う場合又は宿泊者以外の者でも利用することができる当該宿泊施設内の宴会場、レストラン、バー等において飲食物の提供を行う場合において、請求書、領収書等により当該飲食物の提供に係る対価の額を宿泊に係る役務の提供に係る対価の額と明確に区分して領収することとしているときの当該飲食物の提供が該当する。
なお、食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場等(以下13-2-8の2において「食堂等」という。)のように、飲食のための設備を設けて、主として注文によりその場所で飲食させる事業(以下13-2-8の2において「食堂等としての事業」という。)は、日本標準産業分類の大分類の区分も飲食店とされており、同号ハの規定の適用を待つまでもなく、第四種事業に該当する。 (平10課消2-9により追加)
(注)1 食堂等が行う飲食物(店舗において顧客に提供するものと同種の調理済みのものに限る。)の出前は食堂等としての事業であり、第四種事業に該当するが、食堂等が自己の製造した飲食物を持ち帰り用として販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当するのであるから留意する。
2 飲食のための設備を設けずに、自己の製造した飲食物を専ら宅配の方法により販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当することとなる。
(第四種事業に該当する事業)
13-2-8の3 令第57条第5項第5号《第四種事業の種類》に規定する第四種事業には、同項第3号《第三種事業の種類》の規定により第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業及び同項第4号《第五種事業の種類》の規定により第五種事業のサービス業から除かれる飲食店業に該当する事業のほかに、例えば、次の事業(これらの事業を経営する者が行う資産の譲渡等のうち、第一種事業又は第二種事業に該当するものを除く。)が該当することとなる。(平10課消2-9により追加)
(1) 信用金庫、信用協同組合、貸金業、質屋等の金融業
(2) 証券業、証券投資顧問業、商品先物取引業等
(3) 生命保険業、損害保険業、損害保険代理業、損害査定業等
(固定資産等の売却収入の事業区分)
13 -2-9 事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるから留意する。
(売上げに係る対価の返還等を行った場合の事業区分)
13-2-10 簡易課税制度を適用する事業者が、売上げに係る対価の返還等を行った場合において、当該対価の返還等に係る金額につき、第一種事業から第五種事業に係る事業の区分をしていない部分があるときは、当該区分していない部分については、当該事業者の課税売上げに係る帳簿等又は対価の返還等に係る帳簿等を基に合理的に区分するものとする。(平9課消2-5により改正)
第3節 事業の区分及び区分記載の方法
(事業の種類が区分されているかどうかの判定)
13-3-1 第一種事業から第五種事業のうち二以上の種類の事業を行っている事業者は、令第57条第2項又は第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用に当たって課税資産の譲渡等につきこれらの事業の種類ごとに区分しなければならないが、この場合の区分方法としては、当該事業者の帳簿に事業の種類を記帳する方法のほか、次の方法によることとしても差し支えない。(平9課消2-5により改正)
(1) 取引の原始帳票等である納品書、請求書、売上伝票又はレジペーパー等に事業の種類又は事業の種類が区分できる資産の譲渡等の内容を記載する方法
(2) 事業場ごとに一の種類の事業のみを行っている事業者にあっては、当該事業場ごとに区分する方法
(事業の種類の判定方法)
13-3-2 第一種事業から第五種事業までのうちいずれの事業に係るものであるかの区分は、課税資産の譲渡等ごとに行うのであるが、第一種事業から第五種事業のうち二以上の種類の事業を行っている事業者が、当該二以上の種類の事業のうち一の種類の事業に係る課税売上げのみを区分していない場合には、当該課税期間における課税売上高(令第57条第3項第1号《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する当該課税期間における課税売上高をいう。以下13-4-2までにおいて同じ。)から事業の種類を区分している事業に係る課税売上高の合計額を控除した残額を、当該区分していない種類の事業に係る課税売上高として取り扱って差し支えない。
例えば、第一種事業、第二種事業及び第三種事業を行っている事業者が、帳簿上、第一種事業と第二種事業に係る課税売上げを区分している場合には、区分していない残りの課税売上げは第三種事業として区分しているものとして取り扱うこととなる。(平9課消2-5により改正)
第4節 二以上の事業を営む場合のみなし仕入率の適用関係
(二以上の種類の事業がある場合の令第57条第2項及び第3項の適用関係)
13-4-1 事業者が第一種事業から第五種事業までのうち二以上の種類の事業を行っている場合において、当該事業者の当該課税期間における課税売上高に占める一の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の割合又は二の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の合計額の割合が100分の75以上である場合には、令第57条第2項又は第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》のいずれかを選択して適用することができるのであるから留意する。(平9課消2-5により改正)
(三以上の種類の事業がある場合の令第57条第3項の適用関係)
13-4-2 事業者が第一種事業から第五種事業までのうち三以上の種類の事業を行っている場合において、当該事業者の当該課税期間における課税売上高に占める一の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の割合が100分の75以上である場合には、令第57条第3項第1号イからホまで《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》のいずれかの規定に該当するとともに、同項第2号イからニまでのいずれかの規定にも該当することになるのであるが、この場合、事業者は該当する二以上の規定のうちいずれか一の規定を選択して適用することができるのであるから留意する。
なお、当該課税期間における課税売上高に占める二の種類の事業に係る当該課税期間における課税売上高の合計額の割合が 100分の75以上の場合で、同項第2号イからニまでの二以上の規定に該当する場合についても、同様である。 (平9課消2-5により改正)
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