コラム2004年11月29日 【グリーンシートへの道】 アイピーオー株式会社(2004年11月29日号・№092)
グリーンシートへの道
エンジェル税制で注目のグリーンシートでの資金調達に成功した企業の横顔を探ります。

2ヶ月強でグリーンシート登録!
アイピーオー株式会社
グリーンシートを知ったきっかけは?
弊社ではPC用アプリケーションソフトウェアを開発し、全国の家電量販店やパソコンソフト取扱店を通じて販売致しております。主軸商品は財務会計・販売管理・顧客管理・給与計算といった業務ソフト(上記写真)です。顧客ニーズの的確な把握やマーケティング戦略が功を奏し、お蔭様で、ユーザー数は弊社サイドの予測を大幅に超えて増加しております。ヒットの裏には、創設者メンバーが本業界において、それぞれ10~20年の経験を有していることから、顧客ニーズの読みには自信があったということが背景にあると自負しております。ユーザー数の伸びに応じて事業が拡大していきましたが、そのスピードが早いこともあり、従来の資金調達方法(私募による直接金融や銀行借入等の間接金融)に対して、いささか限界を感じていました。一方で、主軸製品の性格上、ユーザーへの永続的な製品・サービスの提供が不可欠であることから、安定的経営を目指す必要もありました。事業拡大及び安定的経営のために、追加的な資金調達の必要性を感じながら、何らかの方法を模索していました。
そのような中、知り合いの税理士の紹介でディーブレイン証券のセミナーに参加する機会がありました。そこで、直接金融の手段として『グリーンシートマーケット』というものがあり、当社も短期間で公募により資金調達をすることができるということを初めて知る事になりました。

準備作業で起こったアクシデントは?
大きなアクシデントこそありませんでしたが、準備段階で苦労した点は二点ほどあります。一点目は時間的な制約です。銘柄指定までの日程を約2ケ月強という短期間に設定したため、平日の夜間と休日を返上して準備作業を進めました。二点目は、コンサルティング会社や審査側との見解の相違です。グリーンシートでは有価証券報告書ではなく、「会社内容説明書」を作成します。それを作成する際、株主保護の観点から会社側を“性悪説”的感覚で記述したことによって、弊社サイドで優位性と考えていた事が逆にリスクとして記述されてしまったということがあり、見解の相違の調整に苦労しました。
また、会社内容説明書のクオリティには配慮しました。従来、モノクロのA4サイズが一般的であった「会社内容説明書」を、カラーページ入りのB5サイズで作成し、さらに表紙と裏表紙にデザインを入れるなど、過去に前例のないクオリティに仕上がりました。時間的な制約がありながらも「グリーンシート史上初」の会社内容説明書にこだわったのは、ビジネスに懸ける思いから妥協したくないという意気込みの表れともいえます。
公開前後で何が変わったか?
グリーンシートマーケットに株式を公開し、PublicCompanyになったことで変わった点として、①従業員の意識、②得意先やユーザー、金融機関といった取引先の信頼度の向上、③アライアンスビジネスの増加、④IPOのための基盤ができたことなどを実感しております。
従業員の意識という面では、ストック・オプションや一般株主の存在によって、従業員一人一人が会社の収益や品質向上や業務の迅速化を意識するようになりました。また、取引先からの信頼度の向上という面におきましても、自己資本の充実やディスクロージャー情報の開示が、取引先からの与信につながり、スピード感のある取引が可能になりました。
当社の社名(IPO)は、将来マザーズやヘラクレスといったマーケットへ“上場”したいという目標に由来しています。グリーンシートマーケットに参入したことは、次なるステップへの準備として大いに役立っております。

若い方が中心の明るく活気のある社内風景
GS銘柄指定を予定のみなさまへ
グリーンシートは証券会社が全株を引受ける訳ではないため、株主の募集戦略は十分に練る必要があります。弊社にとっては、アグレッシブな経営を維持する上で、グリーンシートでの資金調達は大いに役立っております。また、内部的にも、企業体質の向上や自己資本の安定、社内モチベーションを高めるなどのメリットがあります。現在、弊社の開発・販売するソフトウェアは、全国の量販店で認知される存在になりましたが、グリーンシートに銘柄指定をすることによって、さらに知名度が向上したと実感しています。
代表取締役社長 楜澤治久
担当証券会社のコメント 設立2年足らずで、天国シリーズなど計8万本出荷を達成したマーケティングセンスには目を見張るものがあります。ソフト開発会社にとって開発費用の調達は大問題ですが、たった3ヶ月の準備期間で株式を公開し、資金調達できたことの意義は大きいと思います。(ディー・ブレイン証券株式会社 小峰 衛)
エンジェル税制で注目のグリーンシートでの資金調達に成功した企業の横顔を探ります。


2ヶ月強でグリーンシート登録!
アイピーオー株式会社
グリーンシートを知ったきっかけは?
弊社ではPC用アプリケーションソフトウェアを開発し、全国の家電量販店やパソコンソフト取扱店を通じて販売致しております。主軸商品は財務会計・販売管理・顧客管理・給与計算といった業務ソフト(上記写真)です。顧客ニーズの的確な把握やマーケティング戦略が功を奏し、お蔭様で、ユーザー数は弊社サイドの予測を大幅に超えて増加しております。ヒットの裏には、創設者メンバーが本業界において、それぞれ10~20年の経験を有していることから、顧客ニーズの読みには自信があったということが背景にあると自負しております。ユーザー数の伸びに応じて事業が拡大していきましたが、そのスピードが早いこともあり、従来の資金調達方法(私募による直接金融や銀行借入等の間接金融)に対して、いささか限界を感じていました。一方で、主軸製品の性格上、ユーザーへの永続的な製品・サービスの提供が不可欠であることから、安定的経営を目指す必要もありました。事業拡大及び安定的経営のために、追加的な資金調達の必要性を感じながら、何らかの方法を模索していました。
そのような中、知り合いの税理士の紹介でディーブレイン証券のセミナーに参加する機会がありました。そこで、直接金融の手段として『グリーンシートマーケット』というものがあり、当社も短期間で公募により資金調達をすることができるということを初めて知る事になりました。

準備作業で起こったアクシデントは?
大きなアクシデントこそありませんでしたが、準備段階で苦労した点は二点ほどあります。一点目は時間的な制約です。銘柄指定までの日程を約2ケ月強という短期間に設定したため、平日の夜間と休日を返上して準備作業を進めました。二点目は、コンサルティング会社や審査側との見解の相違です。グリーンシートでは有価証券報告書ではなく、「会社内容説明書」を作成します。それを作成する際、株主保護の観点から会社側を“性悪説”的感覚で記述したことによって、弊社サイドで優位性と考えていた事が逆にリスクとして記述されてしまったということがあり、見解の相違の調整に苦労しました。
また、会社内容説明書のクオリティには配慮しました。従来、モノクロのA4サイズが一般的であった「会社内容説明書」を、カラーページ入りのB5サイズで作成し、さらに表紙と裏表紙にデザインを入れるなど、過去に前例のないクオリティに仕上がりました。時間的な制約がありながらも「グリーンシート史上初」の会社内容説明書にこだわったのは、ビジネスに懸ける思いから妥協したくないという意気込みの表れともいえます。
公開前後で何が変わったか?
グリーンシートマーケットに株式を公開し、PublicCompanyになったことで変わった点として、①従業員の意識、②得意先やユーザー、金融機関といった取引先の信頼度の向上、③アライアンスビジネスの増加、④IPOのための基盤ができたことなどを実感しております。
従業員の意識という面では、ストック・オプションや一般株主の存在によって、従業員一人一人が会社の収益や品質向上や業務の迅速化を意識するようになりました。また、取引先からの信頼度の向上という面におきましても、自己資本の充実やディスクロージャー情報の開示が、取引先からの与信につながり、スピード感のある取引が可能になりました。
当社の社名(IPO)は、将来マザーズやヘラクレスといったマーケットへ“上場”したいという目標に由来しています。グリーンシートマーケットに参入したことは、次なるステップへの準備として大いに役立っております。

若い方が中心の明るく活気のある社内風景
GS銘柄指定を予定のみなさまへ
グリーンシートは証券会社が全株を引受ける訳ではないため、株主の募集戦略は十分に練る必要があります。弊社にとっては、アグレッシブな経営を維持する上で、グリーンシートでの資金調達は大いに役立っております。また、内部的にも、企業体質の向上や自己資本の安定、社内モチベーションを高めるなどのメリットがあります。現在、弊社の開発・販売するソフトウェアは、全国の量販店で認知される存在になりましたが、グリーンシートに銘柄指定をすることによって、さらに知名度が向上したと実感しています。

担当証券会社のコメント 設立2年足らずで、天国シリーズなど計8万本出荷を達成したマーケティングセンスには目を見張るものがあります。ソフト開発会社にとって開発費用の調達は大問題ですが、たった3ヶ月の準備期間で株式を公開し、資金調達できたことの意義は大きいと思います。(ディー・ブレイン証券株式会社 小峰 衛)
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