会計ニュース2004年04月28日 ASB・「事業分離等に係る会計処理に関する論点の整理」を公表 企業結合の論点整理は数ヶ月延期へ
企業会計基準委員会(ASB)は4月28日、「事業分離等に係る会計処理に関する論点の整理」を公表した。7月1日までパブリックコメントを求めている。
昨年10月31日に企業会計審議会より公表された「企業結合に係る会計基準」を受けて、ASBでは企業結合専門委員会を設置し審議を続けている。その際に、企業再編においては結合当事企業のみならず、事業を分離する側(分離企業)の会計処理や結合当事企業の株主に係る会計処理についてもあわせて検討する必要もあることから、事業分離専門委員会もあわせて設置されることとなった。
事業分離専門委員会では企業結合専門委員会との3回にわたる合同会議及び11回にわたる単独の会議を開催し、議論を積み重ねてきた。その検討結果について、事業分離に係る会計基準・適用指針公表に先立って、今回論点を整理し、公表することとなった。
論点整理は全67ページに及び、設例も7つ置かれている。論点整理とあわせて公表された「概要」によると、主要な論点としては下記に掲げる8つの論点が掲げられている。
<分離企業側の論点>
●「対価の種類」要件に関する論点
基本論点1:移転した事業に対する受取対価に現金等の財産が含まれる場合の取扱い
基本論点2:移転した事業の時価の算定が困難な場合の取扱い
●「支配」要件に関する論点
基本論点3:分離先企業が子会社となる場合における分離企業の連結財務諸表上の取扱い
基本論点4:分離先企業が関連会社となる場合における分離企業の個別財務諸表及び連結財務諸表上の取扱い
<被結合企業側の株主側の論点>
基本論点5:投資先を被結合企業とした企業結合により株式と引き換えられた受取対価に現金等の財産が含まれる場合の取扱い
●投資先を被結合企業とした企業結合により株式が交換された場合の取扱い
基本論点6:関連会社株式から関連会社株式の場合
基本論点7:関連会社株式からその他有価証券の場合
基本論点8:その他有価証券からその他有価証券の場合
なお、基本論点5は基本論点1について株主側からの視点に立ったものといえる。
ここで、「分離企業」とは、移転する事業を当初抱えていた企業を指し、被結合企業ともいわれる。また、「分離先企業」とは、当該事業を受入れる企業を指し、結合企業ともいわれる。「分離企業」と「分離先企業」をあわせて結合当事企業という。
また、「対価の種類」と「支配」とは、企業結合会計基準で示されている「持分の継続」を判定するための要件である。本論点整理では企業結合会計基準で示された「持分の継続・非継続」という枠組みを用いることで、被結合企業や結合当事企業の株主の会計処理についても結合企業の会計処理と統一的な考え方で行うことを企図している。もっとも、本論点整理では結合企業と被結合企業及び結合当事企業の株主の会計処理の統一までは考えていない。よって、結合企業がパーチェス法で処理しても、必ずしも被結合企業側で売買処理、被結合企業の株主で交換損益を認識するといった「ミラー的な処理」を想定しているわけではない。
なお、当初企業結合会計基準に関する論点整理も公表される予定であったが、法制審議会において会社法改正が現在検討中であることから、論点整理を公表するには時期尚早と判断され、数ヶ月延期されることに。そのため、今回は事業分離だけの論点整理公表となった。
昨年10月31日に企業会計審議会より公表された「企業結合に係る会計基準」を受けて、ASBでは企業結合専門委員会を設置し審議を続けている。その際に、企業再編においては結合当事企業のみならず、事業を分離する側(分離企業)の会計処理や結合当事企業の株主に係る会計処理についてもあわせて検討する必要もあることから、事業分離専門委員会もあわせて設置されることとなった。
事業分離専門委員会では企業結合専門委員会との3回にわたる合同会議及び11回にわたる単独の会議を開催し、議論を積み重ねてきた。その検討結果について、事業分離に係る会計基準・適用指針公表に先立って、今回論点を整理し、公表することとなった。
論点整理は全67ページに及び、設例も7つ置かれている。論点整理とあわせて公表された「概要」によると、主要な論点としては下記に掲げる8つの論点が掲げられている。
<分離企業側の論点>
●「対価の種類」要件に関する論点
基本論点1:移転した事業に対する受取対価に現金等の財産が含まれる場合の取扱い
基本論点2:移転した事業の時価の算定が困難な場合の取扱い
●「支配」要件に関する論点
基本論点3:分離先企業が子会社となる場合における分離企業の連結財務諸表上の取扱い
基本論点4:分離先企業が関連会社となる場合における分離企業の個別財務諸表及び連結財務諸表上の取扱い
<被結合企業側の株主側の論点>
基本論点5:投資先を被結合企業とした企業結合により株式と引き換えられた受取対価に現金等の財産が含まれる場合の取扱い
●投資先を被結合企業とした企業結合により株式が交換された場合の取扱い
基本論点6:関連会社株式から関連会社株式の場合
基本論点7:関連会社株式からその他有価証券の場合
基本論点8:その他有価証券からその他有価証券の場合
なお、基本論点5は基本論点1について株主側からの視点に立ったものといえる。
ここで、「分離企業」とは、移転する事業を当初抱えていた企業を指し、被結合企業ともいわれる。また、「分離先企業」とは、当該事業を受入れる企業を指し、結合企業ともいわれる。「分離企業」と「分離先企業」をあわせて結合当事企業という。
また、「対価の種類」と「支配」とは、企業結合会計基準で示されている「持分の継続」を判定するための要件である。本論点整理では企業結合会計基準で示された「持分の継続・非継続」という枠組みを用いることで、被結合企業や結合当事企業の株主の会計処理についても結合企業の会計処理と統一的な考え方で行うことを企図している。もっとも、本論点整理では結合企業と被結合企業及び結合当事企業の株主の会計処理の統一までは考えていない。よって、結合企業がパーチェス法で処理しても、必ずしも被結合企業側で売買処理、被結合企業の株主で交換損益を認識するといった「ミラー的な処理」を想定しているわけではない。
なお、当初企業結合会計基準に関する論点整理も公表される予定であったが、法制審議会において会社法改正が現在検討中であることから、論点整理を公表するには時期尚早と判断され、数ヶ月延期されることに。そのため、今回は事業分離だけの論点整理公表となった。
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