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コラム2007年01月22日 【ML耳より情報】 設立にも使える社会福祉法人への有利な寄付制度《受配者指定寄付金》(2007年1月22日号・№195)

設立にも使える社会福祉法人への有利な寄付制度《受配者指定寄付金》

寄付者が法人の場合

 法人が社会福祉法人に対して直接寄付をした場合、法人税法上特定公益増進法人に対する寄附金として、一般寄附金の損金算入限度額とは別枠で、これと同額までの金額が損金に算入されます(法法37条4項)。
 ところが、受配者指定寄付金制度を利用して社会福祉法人へ寄付をすると、財務大臣が指定した寄附金として、全額が損金となります(法法37条3項2号)。
 受配者指定寄付金とは、共同募金会が窓口となる寄付金で、共同募金の期間とは関係なく年間を通して、社会福祉法人などの特定の受配者を指定して寄付を行う制度です。

寄付者が個人の場合
 個人が社会福祉法人に対して直接寄付をした場合、特定寄付金として、所得税の寄付金控除の適用があります(所法78条2項3号)。
 ところが、個人が受配者指定寄付金制度を利用して社会福祉法人に寄付をすると、所得税の寄付金控除(所法78条2項2号)と、さらに地方税法の寄附金控除(地34条1項5号4)の適用も受けることができます。 

審査と手続
 受配者指定寄付金制度を利用するためには、寄付額が100万円以下の場合は都道府県の共同募金会、100万円超の場合は中央共同募金会の審査を要します。①寄付者(法人である場合にはその役員をいう)またはその親族が、受配者の役員または職員である場合と②寄付者が受配者との間において、建設請負、物品納入、物品貸付または業務委託に係る契約を締結している場合は、「特別の関係」があるとして、厳格な審査が行われます。①の場合は寄付を受けた時点において、受配者の役員が無報酬であること、その役員の受配者の施設の利用状況が適正であること、②の場合においては、その契約手続きについて競争入札や複数業者からの見積合わせなどが行われることにより審査基準を満たします。
 社会福祉法人設立の認可を受けるには、原則社会福祉事業を行うに必要な施設を所有していなければなりません。しかし認可申請時に所有していなくても、法人設立後遅滞なく所有することが確実であれば、認可を受けることができます。土地建物等の施設を個人が社会福祉法人に寄付した場合は措置法40条の適用により譲渡所得税が非課税となります。そして法人はこの受配者指定寄付金制度を利用することにより、土地建物等の施設を社会福祉法人に全額損金の寄付とすることができます。注意すべき点は、社会福祉法人設立の認可・登記・寄付の受入れまでを限られた期間で行わなければなりませんので、設立準備中から共同募金会へ受配者指定寄付金の申請を行うことです。
(注)寄附金と寄付金の文字の相違は法人税法・所得税法・地方税法の条文に準拠。 
  taxMLグループ 税理士 中谷久仁子

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