コラム2007年10月01日 【SCOPE】 暫定税率、一般財源化を巡り与野党、省庁間で攻防も(2007年10月1日号・№229)
平成20年度改正は道路特定財源が焦点に
暫定税率、一般財源化を巡り与野党、省庁間で攻防も
平成20年度税制改正では、道路特定財源が焦点に浮上している。暫定税率、一般財源化を巡り、与野党、省庁間で激しい攻防が繰り広げられる見込だ。揮発油税、自動車重量税、軽油取引税に適用されている暫定税率は本則税率の2倍以上となっており、この暫定税率の維持を巡っては、自民党、民主党の間で主張が対立している。
さらに、道路特定財源の一般財源化では、政府内でも財務省、国土交通省等の思惑が交錯する展開。平成20年度税制改正では、与野党、省庁間で対立する主張の落しどころを探る議論が活発化しそうだ。
民主党は税率半減・廃止法案を提出する構え 道路特定財源については、現在、揮発油税、自動車重量税(国税)、軽油取引税(地方税)に対して、本則税率の2倍以上の暫定税率が適用されている。また、地方税の自動車取得税についても、本則税率の1.7倍の税率となっている(表参照)。
これら税目の暫定税率は、国税が租税特別措置法、地方税は地方税法附則により規定されており、その期限は平成20年3、4月末とされている。そこで問題となるのが、この暫定税率を継続するのかどうかということだ。政府・与党は、昨年12月8日の閣議決定「道路特定財源の見直しに関する具体策」で以下の方針を示している。
2. 20年度以降も、厳しい財政事情の下、環境面への影響にも配慮し、暫定税率による上乗せ分を含め、現行の税率水準を維持する。
この閣議決定で政府・与党は、暫定税率の維持を基本方針としており、財務省主税局も、「閣議決定の内容を断行(遵守)していく」とコメントしている。
一方、民主党の道路特定財源に関する政策は「2007政策リスト300」に示されている。そこでは、道路政策の見直しによる道路特定財源の一般化とともに、税金の大幅な引下げを主張。さらに自動車重量税半減・自動車取得税廃止に係る法案を国会に提出するとしている。
このように、揮発油税、自動車重量税、自動車取得税等に係る暫定税率の維持・廃止に関しては、政府・与党、民主党の主張が真っ向から対立しており、参議院で民主党が第1党となっている状況からも、税率を巡る激しい攻防が予想される。
一般財源化では財務省、国交省間での対立も 道路特定財源の一般財源化について、前述の「道路特定財源の見直しに関する具体策」では、「……税率を維持しながら、納税者の理解を得ることとの整合性を保ち、①税収の全額を、毎年度の予算で道路整備に充てることを義務付けている現在の仕組みはこれを改めることとし、20年の通常国会において所要の法改正を行う。②また、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収は一般財源とする。」としている。
これにより、道路整備費の財源等を規定している「道路整備費の財源等の特例に関する法律」の改正等が行われることが予想される。
一方、上記②では、道路歳出を上回る税収を一般財源化することが示されているが、すでに国土交通省の抵抗が始まっている。平成20年度の同省の予算概算要求では、特定道路財源税収予想の約3兆4,070億円に対して道路関係予算を約3兆4,300億円要求しており、道路歳出を税収より上回らせることで、一般財源が生じないかたちとしている。今後の予算編成の折衝では国交省と財務省の攻防も予想される。
以上のように、道路特定財源の暫定税率の継続および一般源化を巡っては、自民党対民主党の構図のほか、主計局を含む財務省、国土交通省、地方税を所管する総務省等の思惑も交錯しており、対立する主張の落しどころを探る議論が展開されることになりそうだ。
暫定税率、一般財源化を巡り与野党、省庁間で攻防も
平成20年度税制改正では、道路特定財源が焦点に浮上している。暫定税率、一般財源化を巡り、与野党、省庁間で激しい攻防が繰り広げられる見込だ。揮発油税、自動車重量税、軽油取引税に適用されている暫定税率は本則税率の2倍以上となっており、この暫定税率の維持を巡っては、自民党、民主党の間で主張が対立している。
さらに、道路特定財源の一般財源化では、政府内でも財務省、国土交通省等の思惑が交錯する展開。平成20年度税制改正では、与野党、省庁間で対立する主張の落しどころを探る議論が活発化しそうだ。
民主党は税率半減・廃止法案を提出する構え 道路特定財源については、現在、揮発油税、自動車重量税(国税)、軽油取引税(地方税)に対して、本則税率の2倍以上の暫定税率が適用されている。また、地方税の自動車取得税についても、本則税率の1.7倍の税率となっている(表参照)。
これら税目の暫定税率は、国税が租税特別措置法、地方税は地方税法附則により規定されており、その期限は平成20年3、4月末とされている。そこで問題となるのが、この暫定税率を継続するのかどうかということだ。政府・与党は、昨年12月8日の閣議決定「道路特定財源の見直しに関する具体策」で以下の方針を示している。
2. 20年度以降も、厳しい財政事情の下、環境面への影響にも配慮し、暫定税率による上乗せ分を含め、現行の税率水準を維持する。
この閣議決定で政府・与党は、暫定税率の維持を基本方針としており、財務省主税局も、「閣議決定の内容を断行(遵守)していく」とコメントしている。
一方、民主党の道路特定財源に関する政策は「2007政策リスト300」に示されている。そこでは、道路政策の見直しによる道路特定財源の一般化とともに、税金の大幅な引下げを主張。さらに自動車重量税半減・自動車取得税廃止に係る法案を国会に提出するとしている。
このように、揮発油税、自動車重量税、自動車取得税等に係る暫定税率の維持・廃止に関しては、政府・与党、民主党の主張が真っ向から対立しており、参議院で民主党が第1党となっている状況からも、税率を巡る激しい攻防が予想される。
一般財源化では財務省、国交省間での対立も 道路特定財源の一般財源化について、前述の「道路特定財源の見直しに関する具体策」では、「……税率を維持しながら、納税者の理解を得ることとの整合性を保ち、①税収の全額を、毎年度の予算で道路整備に充てることを義務付けている現在の仕組みはこれを改めることとし、20年の通常国会において所要の法改正を行う。②また、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収は一般財源とする。」としている。
これにより、道路整備費の財源等を規定している「道路整備費の財源等の特例に関する法律」の改正等が行われることが予想される。
一方、上記②では、道路歳出を上回る税収を一般財源化することが示されているが、すでに国土交通省の抵抗が始まっている。平成20年度の同省の予算概算要求では、特定道路財源税収予想の約3兆4,070億円に対して道路関係予算を約3兆4,300億円要求しており、道路歳出を税収より上回らせることで、一般財源が生じないかたちとしている。今後の予算編成の折衝では国交省と財務省の攻防も予想される。
以上のように、道路特定財源の暫定税率の継続および一般源化を巡っては、自民党対民主党の構図のほか、主計局を含む財務省、国土交通省、地方税を所管する総務省等の思惑も交錯しており、対立する主張の落しどころを探る議論が展開されることになりそうだ。

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