税務ニュース2004年09月06日 人材投資減税とLLP制度の創設が目玉だが実現の可能性は?(2004年9月6日号・№081) 経済産業省・平成17年度税制改正意見を提出
人材投資減税とLLP制度の創設が目玉だが実現の可能性は?
経済産業省・平成17年度税制改正意見を提出
経済産業省(以下、同省)は8月26日、「平成17年度税制改正に関する経済産業省意見」(以下、意見)を財務省等に提出した。今回の税制改正意見のうち、注目すべきは、人材投資促進税制の創設とLLP(有限責任事業組合)制度の創設だ。前者については、中川経済産業省大臣が経済財政諮問会議で提出した新産業創造戦略において、産業人材の育成・強化を訴えていた政策を後押しするもの。企業の人材投資を促進し、産業競争力を強化するのが狙いだ。また、後者では、出資者の有限責任制、内部自治の徹底が図られるLLPについて、「民法組合の特例としての特性を踏まえ、適正な課税関係を構築する」ことを求めている。
措置法縮減の可能性も
同省は、意見中、企業の人材投資が減少していることや、雇用定着率の低下で企業の人材投資にかかるリスクが増大していることを指摘。企業が長期的効果を見据えて人材投資を行えるよう、税制上の措置が不可欠とした。具体的には、社内人材育成に要する費用、人材育成外部委託費用、人材育成に必要な人件費などについて税額を控除することとしているが、具体的な税額控除割合などは明らかにされていない。
しかし、この減税が実現されれば、財源として、各業界固有の措置法が打ち切られる可能性がある他、中小企業経営革新等総合支援法案(仮称)で手当てされる予定の措置法が見送られる可能性もあり、実現の可能性は未知数だ。
LLP創設には課題が山積み
また、創業、事業再編、産学連携の推進などに適した組織制度として、LLP制度を創設し、「民法組合の特例としての特性を踏まえ、適正な課税関係を構築する」と表現。構成員(パススルー)課税を適用することにも言及している。
同省は、9月16日からLLPの創設に向けた研究会を発足する(本誌No.080の14頁参照)が、ここにきてLLPの創設に動き出したのは、来年の通常国会で法案の提出が予定されている日本版LLC(合同会社)が、法人格を有するため、構成員課税できない可能性がでてきたことにある。法人格の有無が構成員課税のメルクマールとされるとすれば、LLPの創設によって構成員課税を実現させようというのが同省の考えだ。
しかし、LLPが、取引先などからの信頼を得て、実効性ある組織とするためには課題が山積みだ。LLP制度の創設は、9月16日に発足する研究会で、どこまで制度の中身を詰められるかが焦点となる。
一方、経済界は、あくまでも日本版LLC(合同会社)で構成員課税を実現させるという方針だ。
経済産業省・平成17年度税制改正意見を提出
経済産業省(以下、同省)は8月26日、「平成17年度税制改正に関する経済産業省意見」(以下、意見)を財務省等に提出した。今回の税制改正意見のうち、注目すべきは、人材投資促進税制の創設とLLP(有限責任事業組合)制度の創設だ。前者については、中川経済産業省大臣が経済財政諮問会議で提出した新産業創造戦略において、産業人材の育成・強化を訴えていた政策を後押しするもの。企業の人材投資を促進し、産業競争力を強化するのが狙いだ。また、後者では、出資者の有限責任制、内部自治の徹底が図られるLLPについて、「民法組合の特例としての特性を踏まえ、適正な課税関係を構築する」ことを求めている。
措置法縮減の可能性も
同省は、意見中、企業の人材投資が減少していることや、雇用定着率の低下で企業の人材投資にかかるリスクが増大していることを指摘。企業が長期的効果を見据えて人材投資を行えるよう、税制上の措置が不可欠とした。具体的には、社内人材育成に要する費用、人材育成外部委託費用、人材育成に必要な人件費などについて税額を控除することとしているが、具体的な税額控除割合などは明らかにされていない。
しかし、この減税が実現されれば、財源として、各業界固有の措置法が打ち切られる可能性がある他、中小企業経営革新等総合支援法案(仮称)で手当てされる予定の措置法が見送られる可能性もあり、実現の可能性は未知数だ。
LLP創設には課題が山積み
また、創業、事業再編、産学連携の推進などに適した組織制度として、LLP制度を創設し、「民法組合の特例としての特性を踏まえ、適正な課税関係を構築する」と表現。構成員(パススルー)課税を適用することにも言及している。
同省は、9月16日からLLPの創設に向けた研究会を発足する(本誌No.080の14頁参照)が、ここにきてLLPの創設に動き出したのは、来年の通常国会で法案の提出が予定されている日本版LLC(合同会社)が、法人格を有するため、構成員課税できない可能性がでてきたことにある。法人格の有無が構成員課税のメルクマールとされるとすれば、LLPの創設によって構成員課税を実現させようというのが同省の考えだ。
しかし、LLPが、取引先などからの信頼を得て、実効性ある組織とするためには課題が山積みだ。LLP制度の創設は、9月16日に発足する研究会で、どこまで制度の中身を詰められるかが焦点となる。
一方、経済界は、あくまでも日本版LLC(合同会社)で構成員課税を実現させるという方針だ。
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