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コラム2011年02月28日 【税実務Q&A】 フリーレント契約の収益計上方法(2011年2月28日号・№392)

税実務Q&A
No.060 法人税>益金>賃貸借契約に基づく使用料
フリーレント契約の収益計上方法
 公認会計士緑川事務所 税理士 鈴木健太郎

 当社(不動産賃貸業)は、近年の景気後退・不動産市況の悪化等によるテナントビルの空室防止並びに新規入居者獲得を目的に、新規に賃貸借契約を締結する事業者に対し、契約月から6ヶ月間の家賃を免除することにしています。
 なお、その賃貸借契約において、予め契約期間を3年と定め、中途解約不能という条件を付し、仮に中途解約が行われた場合は、その免除期間を含めたすべての家賃を、解約時に徴収することにしています。
 この場合、当社が家賃を免除した期間(フリーレント期間)を含め、賃貸借契約に係る期間の収益の計上方法について留意すべきことはありますか。


(1)一般的な取扱い
 法人税法上、資産の賃貸借契約に基づいて支払いを受ける使用料等の額は、前受けに係る額を除き、当該契約又は慣習によりその支払いを受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入する(法基通2-1-29)こととされています。
 したがって、原則として、契約又は慣習によって支払いを受けるべき日(=支払期日)において収益を計上することになります。
(2)中途解約不能のフリーレント契約  上記の取扱いは、資産の賃貸借契約において、その契約期間中定期的に使用料等の支払いを受けることが取引上の慣習と認められることが前提であるとして定められたものであり、一定の期間について家賃を免除する等のフリーレント契約においては、その契約の内容や実態に基づき個別に判断することになります。
 この賃貸借契約においては、中途解約不能とする定めがあり、その契約締結時点で賃貸借期間の全期間における家賃総額の支払いを受ける権利が確定していることから、契約締結日から契約期間満了に渡る役務の提供と考えられます。
 したがって、その賃貸借契約に従い支払いを受けるべき家賃の総額を、その契約期間に渡って均等に按分すべきであり、家賃の免除期間(フリーレント期間)についても、その期間として按分された金額を収益に計上すべきことになります。
 この場合、フリーレント期間の家賃相当額については、未収金として計上し、契約満了までの期間に渡り取り崩すことになり、実際に賃借人より収受する家賃相当額と、各月に計上する収益の額とが異なることとなるため、留意が必要です。
〈参考〉  消費税の計算においては、フリーレント期間に計上する収益の額は、対価を得て行われる「資産の譲渡等」(消法2①八)に該当しません。
 したがって、法人税において、収益の額として計上した場合においても、消費税においては、課税の対象(消法4)となりません。

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