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税務ニュース2004年11月15日 最高裁、不動産取得税についても、時価を上回る評価に違法判断(2004年11月15日号・№090) 固定資産税と同様に「不動産の価格」は「客観的な交換価値」

最高裁、不動産取得税についても、時価を上回る評価に違法判断
固定資産税と同様に「不動産の価格」は「客観的な交換価値」


 最高裁第ニ小法廷(北川弘治裁判長)は、平成16年10月29日、不動産取得税の課税標準となるべき不動産の価格について、「固定資産課税台帳に価格が登録されていない不動産について固定資産評価基準によって決定された価格が、その取得時における客観的な交換価値を上回れば、上記価格に基づいてされた不動産取得税の賦課決定は違法となる」と判示した上で、「原判決が採用した評価方法は、独自のものであって、これによって本件土地の適正な時価を算定することができるものとは考えられない。」として、上告人(地方事務所長)の敗訴部分を破棄して、審理を東京高裁に差し戻した(平成13年(行ヒ)第224号)。

原審は、固定資産評価基準に従った評価を「不相当」として独自の時価算定
 地方税法73条の21(不動産の価格の決定等)第2項は、「固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産については、固定資産評価基準によって、当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする。」と規定しているが、原審(東京高裁19民事部)は、「不動産取得税の課税標準となる価格は、不動産を取得した時における不動産の価格であり、それは適正な時価であることを要する。」とした上で、「固定資産評価基準に従った、上告人(地方事務所長)の評価は、土地の現況を無視した不相当な評価方法によるものと認められ、その価格を適正な時価と認めることはできない。」として、独自に本件土地の適正な時価を算定した。「地域全体における別荘としての利用率を考慮して」、本件土地の評価額を84万円余と算定した(本件土地を取得した時期に対応する平成10年度分の固定資産課税台帳の登録価格295万円余の28.5%に相当する。)。

最高裁は、固定資産税訴訟と『同様』に
 地方事務所長の上告に対して、最高裁は、「原審の評価方法は独自のものであって、」と指摘し、評価額については更に審理を尽くさせるとして差し戻しながらも、「固定資産税の課税標準である土地又は家屋の価格と同様に、正常な条件の下に成立する当該不動産の取得時におけるその取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうと解される。そして、法は、評価基準等が適正な時価を算定するための一つの合理的方法であるとするものであるから、評価基準等に従って決定された不動産の価格が上記の客観的な交換価値を上回るものであれば,当該価格の決定は違法となると解される(最高裁平成10年(行ヒ)第41号同15年6月26日第一小法廷判決・民集57巻6号723頁参照)。」と判示し、不動産取得税についても、固定資産税についてと同様の対応を示した。

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