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解説記事2012年12月24日 【税務マエストロ】 特定期間中の課税売上高による納税義務の判定(その2)(2012年12月24日号・№480)

税務マエストロ
税務における第一人者“税務マエストロ”による税実務講座

今週のマエストロ&テーマ
特定期間中の課税売上高による納税義務の判定(その2)
#63 熊王征秀(税理士)

略歴 学校法人大原学園に税理士科物品税法の講師として入社し、在職中に酒税法、消費税法の講座を創設。その後、会計事務所勤務を経て税理士登録、独立開業。『消費税トラブルの傾向と対策』等、著書多数。
現在
東京税理士会会員相談室委員
東京税理士会税務審議部委員
東京地方税理士会税法研究所研究員
日本税務会計学会委員
大原大学院大学准教授

次回のテーマ
#64 見落としがちな国際課税のリスク
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース 品川克己 税制改正や、中国進出企業の増加に伴い、国際課税上のリスクは高まっている。国際課税の第一人者がそのリスクを検証する。

※取り上げて欲しいテーマを編集部にお寄せください。
  e-mail:ta@lotus21.co.jp

マエストロの解説  前月号で確認のとおり、月末決算法人で、前事業年度開始の日以後6か月の期間の末日が月末でない場合には、その6か月の期間の末日の属する月の前月末日までの期間を「6か月の期間」とみなし、納税義務判定をすることとされている(消令20の6①一)。
 また、月の中途に決算日を設定している法人を設立した場合で、前事業年度開始の日以後6か月の期間の末日が事業年度の終了応当日でない場合には、その6か月の期間の末日の直前の終了応当日までの期間を「6か月の期間」とみなし、納税義務判定をすることとされている(消令20の6①二)。
 一方、前事業年度が7か月を超える場合で、6か月の期間の末日の翌日から前事業年度の終了日までの期間が2か月未満の場合には、その事業年度は短期事業年度に該当し、特定期間とはならない(消令20の5①二)。
 ここに規定する「6か月の期間の末日」には、消費税法施行令20条の5の1項2号かっこ書きにより、同令20条の6の1項各号の規定により6か月の期間とみなされる場合の当該期間の末日も含まれる。
 そうすると、前事業年度が7か月を超える場合で、6か月の期間の末日の翌日から前事業年度の終了日までの期間が2か月未満の場合とは、事実上、決算期を変更した場合しかありえないことになる。
 今号では、決算期変更をした場合の特定期間について、国税庁が作成したリーフレットの事例なども参考にしながら法令の解釈を検討する。なお、説明の都合上、前月号の解説と若干重複する箇所があることはご了承頂きたい。

1 6か月の期間の末日がその月の末日でない場合  前事業年度が月末決算の法人で、前事業年度開始の日以後6か月の期間の末日が月末でない場合には、その6か月の期間の末日の属する月の前月末日までの期間を「6か月の期間」とみなし、納税義務判定をすることとされている(消令20の6①一)。

 ただし、6か月の期間の末日後に決算期変更があった場合には、変更前の事業年度終了日が月末でない場合に限り、この取扱いによることになる(消令20の6①一かっこ書き)。

2 6か月の期間の末日が事業年度の終了応当日でない場合  月の中途に決算日を設定している法人で、前事業年度開始の日以後6か月の期間の末日が事業年度の終了応当日でない場合には、その6か月の期間の末日の直前の終了応当日までの期間を「6か月の期間」とみなし、納税義務判定をすることとされている(消令20の6①二)。

 ただし、6か月の期間の末日後に決算期変更があった場合には、変更前の事業年度終了日が前事業年度の終了応当日でない場合に限り、この取扱いによることになる(消令20の6①二かっこ書き)。

3 決算期変更をした場合の特定期間  決算期変更があった場合の特定期間は、「6か月の期間」の末日以内の変更か末日後の変更かでその取扱いが異なってくる(図表34参照)。


 具体的には、消費税法施行令20条の6の1項1号から除外されたものを同令20条の6の1項2号で判定する。また、同号から除外されたものを同令20条の6の1項1号で判定することとなるので、消費税法施行令20条の6の1項1号と2号は下記のような関係になる。


4 変則的な事業年度を定めている場合  法人の基準期間はその事業年度の前々事業年度であるが、前々事業年度が1年未満の法人の基準期間については、「その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」と定義されている(消法2①十四)。
 したがって、7か月決算法人の基準期間は図表5のようになる。

 改正消費税法では、前々事業年度が短期事業年度に該当する場合には、その前々事業年度開始の日以後6月の期間をと定めている。
 ただし、当該事業年度の基準期間に含まれる前々事業年度については、特定期間の範囲から除外されている(消法9の2④三)。
 この取扱いを上記の7か月決算法人で考えてみると、図表6のように、前々事業年度が基準期間に含まれることとなり、結果、基準期間における課税売上高による判定だけをすればよいことになるのである。

 また、半年決算法人の納税義務判定は図表7のようになる。

 
5 国税庁リーフレットの事例の検討
【事例3】
について
 前事業年度が短期事業年度に該当する場合であっても、前々事業年度が基準期間に該当する場合には、すでに基準期間における課税売上高により納税義務を判定しているのであるから、あえて改正法による特例判定は要しないこととされている。したがって、前々事業年度が特定期間に該当する場合とは、半年決算法人のように、当期前1年間に開始した前々事業年度があるようなケースに限られるのである。つまり、当期前1年間より前に前々事業年度が開始している場合には、その前々事業年度は基準期間に該当することとなるため、改正法による特例判定は必要ないということである。

【事例4】について
 本事例は、前事業年度が短期事業年度に該当することから、前々事業年度が特定期間に該当するか否かを判定する。結果、前々事業年度が6か月以下であり、かつ、前事業年度が2か月以上あることから、前々事業年度が特定期間に該当することになる。当期における納税義務の判定においては、特定期間は4か月であるが、特定期間中の課税売上高又は給与等の支払額は6か月分に換算する必要はない。

 また、本事例において、前事業年度が2か月未満の場合には、前々事業年度は特定期間には該当しないため、当事業年度は免税事業者となる(【事例4】(注)参照)
【事例5】について
 本事例は、前事業年度が短期事業年度に該当することから、前々事業年度が特定期間に該当するか否かを判定する。前々事業年度における6か月の期間の末日が前々事業年度の終了応当日でないことから、直前の事業年度の終了応当日までの期間(X1.4.25~X1.10.20)が特定期間となる。
 なお、【事例5】の図表における前事業年度がX1.11.21~X1.11.30と仮定した場合には、「前々事業年度が6か月を超え、6か月の期間の末日の翌日から前事業年度の終了日までの期間が2か月未満の場合」に該当し、当事業年度は免税事業者となる(消令20の5②二)。


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