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解説記事2013年02月11日 【第2特集】 5,000万円控除の適否、事前協議の対象範囲etc(2013年2月11日号・№486)

収用等特例Q&A
5,000万円控除の適否、事前協議の対象範囲etc

 土地収用法やその他の法律で収用権が認められている公共事業のために土地建物を売った場合については、収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除(5,000万円の特別控除)などの特例が設けられている。
 特集では、相続人が譲渡所得を申告した場合の5,000万円特別控除の適用可否、一括契約方式による収用対償地の譲渡と1,500万円特別控除の関係、事前協議の対象範囲などについて、Q&A形式で確認する。

Q1
買取りの申出を受けた者が売買契約の後に死亡し、相続人が申告する場合の5,000万円の特別控除の特例の適用
 Aは、道路拡張工事に係る事業のために、自己の所有する宅地について買取りの申出を受け、その申出の日の6か月以内に売買契約をしました。
 ところが、Aは物件引渡しの前に死亡したため、Aの相続人BおよびCがその宅地を2分の1ずつ相続し、収用事業者に引き渡すとともに補償金を2分の1ずつ取得しました。
 この譲渡についてBおよびCは、相続人の譲渡所得として、それぞれ5,000万円の特別控除の特例の適用を受けることができますか。

A
BとCの譲渡所得として申告する場合には、それぞれ5,000万円の特別控除の特例を適用することができます。
 5,000万円の特別控除の特例は、譲渡資産につき、最初の買取り等の申出を受けたものでなければ、その適用を受けることができませんが、その申出を受けた者の死亡によりその者から相続により取得した者については除外されていません(措法33の4③三かっこ書)。
 また、買取り等の申出がされてから6か月以内に売買契約を締結し、その後すみやかに引渡しが行われている場合には、譲渡資産の引渡時期が買取り等の申出の日から6か月を経過し、その引渡しの日を譲渡の日として申告をしたとしても特例の適用は認められるものとして取り扱われています。
 したがって、売買契約中の土地について相続が開始した場合に、譲渡所得の申告を①売買契約の締結の日を譲渡の日として被相続人の所得として申告するか、②引渡しの日を譲渡の日として相続人の所得として申告するかは納税者の選択によるところであって、たとえ引渡しの日を譲渡の日として相続人の所得として申告する場合であっても、5,000万円の特別控除の特例の適用を受けることができます。
 なお、ご質問の場合、相続人BおよびCがそれぞれ相続により取得した土地の持分を収用により譲渡することとなるため、それぞれが5,000万円の特別控除の特例を適用することができます。

Q2
一括契約方式による収用対償地の譲渡
 X市では道路の拡幅事業を行っていますが、被買収者であるAが土地の対価補償金1,400万円と建物移転補償金600万円の対償として代替地を希望したため、事業施行者であるX市、被買収者Aおよび対償地提供者Bの三者で下図のような契約をしました。
 この場合、対償地提供者Bの譲渡所得の金額の計算上、措法34条の2《特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除》(1,500万円控除の特例)はどのように取り扱われますか。
 なお、Aの所有する建物は取り壊しています。
A
事業用地代金1,400万円相当部分のみが、1,500万円控除の特例の対象となります。
 ご質問のように、公共事業施行者、収用により譲渡する土地等の所有者および代替地の所有者の3者が、次に掲げる事項を約した契約に基づき、収用の対償に充てられることとなる土地等(代替地)が公共事業施行者(措法33条1項1号に規定する土地収用法等に基づく収用(同項2号の買取りおよび同条3項1号の使用を含む)を行う者をいう)に買い取られる場合には、措法34条の2第2項2号に規定する「収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当することになり(措通34の2-5)、代替地の所有者の公共事業施行者に対する土地等の譲渡については、1,500万円控除の特例を適用することができます。
 措通34の2-5が適用される一括契約方式の要件は、次のとおりです。
1 代替地の所有者は公共事業施行者に代替地を譲渡すること。
2 事業用地の所有者は公共事業施行者に事業用地を譲渡すること。
3 公共事業施行者は代替地の所有者に対価を支払い、事業用地の所有者には代替地を譲渡するとともに事業用地の所有者に支払うべき補償金等(事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に限る)の額から代替地の所有者に支払う対価の額を控除した残額を支払うこと。
 なお、Aの所有する建物を取り壊していることから、建物移転補償金600万円を対価補償金として振り替えることができます(措通33-14)が、上記の契約方式における代替地の譲渡について、「収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するのは、代替地のうち被買収者に支払われるべき事業用地の譲渡に係る補償金または対価に相当する部分に限られるため、上記の契約方式に基づいて公共事業施行者が取得する代替地であってもその事業用地の上にある建物につき支払われるべき移転補償金に相当する部分には、措法34条の2第1項の規定の適用はないことになります。
 また、Bの譲渡所得の計算上、措法34条の2の規定の適用を受けるときは、措法31条の2《優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》1項の規定の適用はありません(措法31の2④)。

Q3
事業用地の補償金と共に残地補償金が支払われた場合、その収用対償地に係る措法34条の2の適用について
 X市は、収用事業のため、Aの所有する土地のうち一部を、事業用地として1,200万円で買収し、その土地の残地について補償金として200万円を支払いました。
 Aが対償地を希望したため、X市は、Bの所有する土地を対償地として収用することとなりました。
 この場合、Bが対償地として提供する土地の譲渡所得金額の計算上、1,500万円控除の特例の規定の対象となる金額はいくらですか。
A
事業用地買収金額1,200万円に残地補償金200万円を含めた1,400万円が対象となります。
 土地等が土地収用法等の規定に基づいて、資産の収用等を行う者によってその収用対償に充てるために買い取られた場合については、1,500万円控除の特例の適用があります(措法34条の2②二)。
 ところで、措通34の2-5《収用対償地の買取りに係る契約方式》の注書きに「当該収用の対償に充てるために買い取られる場合に該当するのは、当該代替地のうち事業用地の所有者に支払われるべき事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に相当する部分に限られる……」とあることから、1,500万円控除の特例の対象となる金額は、事業用地に係る補償金である1,200万円についてのみ適用となり、残地補償金200万円について適用されるのかどうか疑問が生じます。
 しかしながら、措通33-16《残地補償金》では、残地補償金の取り扱いについて「当該収用等された土地等の対価補償金とみなして取り扱う」ことと定めており、ご質問の場合、事業用地買収金額1,200万円に残地補償金200万円を加えた、1,400万円が1,500万円控除の特例の対象となります。
【参考】
土地収用法76条(残地収用の請求権) 1 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することに因って、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は、その全部の収用を請求することができる。
2 前項の規定によって収用の請求がされた残地又はその上にある物件に関して権利を有する関係人は、収用委員会に対して、起業者の業務の執行に特別の支障がなく、且つ、他の関係人の権利を害しない限りにおいて、従前の権利の存続を請求することができる。
3 第1項の規定によって収用の請求がされた土地に関する所有権以外の権利に対しては、第71条の規定にかかわらず、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した権利取得裁決の時における相当な価格をもつて補償しなければならない。
措通33-17《残地買収の対価》  土地の一部について収用等があったことに伴い、残地が従来利用されていた目的に供することが著しく困難となり、その残地について収用の請求をすれば収用されることとなる事情があるため(土地収用法第76条第1項《残地収用の請求権》参照)、残地を起業者に買い取られた場合には、その残地の買取りの対価は、当該収用等があった日の属する年分の対価補償金として取り扱うことができる。

Q4
事前協議の対象となる範囲について
 Xマンションの老朽化に伴い、マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づき、Xマンション建替組合を設立し、Xマンションの立替えを行うことになり、Xマンション建替組合の理事長となったAは、国税局に対し事前協議を行うこととなりました。
 マンション建替え事業の施行者に対する土地等の譲渡で、その土地等がマンション建替え事業に供される場合には、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の2②九)の適用がありますが、この軽減税率の特例は、事前協議の対象となりますか。
A
軽減税率の特例については、事前協議の対象となりません。
 事前協議制度は、国税庁長官から各省庁に対する昭和52年6月9日付の「譲渡所得等に係る課税の特例制度の運用に関する協力方について」で、東京国税局長から、各知事に対する昭和52年8月15日付「譲渡所得等に係る課税の特例制度の運用に関する協力方について(依頼)」によって、制度の確立について依頼をしています。
 上記の文書では、この事前協議制度について、「この特例制度の的確かつ円滑な運用を図るためには、事業施行者が資産の買取り等に着手する前に、事業施行者と税務当局が、その資産の買取り等に対する特例制度の適用関係について相互に確認し合い、そのうえで、被買収者に対して課税関係の説明を行うという慣行を確立する必要があると考えます」とされ、事前協議の対象となる「租税特別措置法上の各種の特例制度」については、租税特別措置法第2章第4節第4款(収用等の場合の譲渡所得の特別控除等)および第5款(特定事業の用地買収等の場合の譲渡所得の特別控除)または第3章第6節第1款(収用等の場合の課税の特例)および第2款(特定事業の用地買収等の場合の所得の特別控除)に規定する特例であるとしています。
 したがって、軽減税率の特例は、租税特別措置法第2章第4節第2款(長期譲渡所得の課税の特例)に該当することから、上記の文書に示された事前協議の対象となる特例には当たりません。

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