会社法ニュース2003年02月03日 改正産業再生法案・閣議了承、国会提出へ 組織再編時に株主総会特別決議不要なケースが増える
改正産業再生法案・閣議了承、国会提出へ
組織再編時に株主総会特別決議不要なケースが増える
改正産業再生法案は1月28日の閣議で了承され、同日中に国会に提出された。本改正案は平成20年3月31日までの時限立法で、4月1日より施行予定。本改正案には認定計画に対する商法の特例として、財産価格調査の免除の特例や、合併の柔軟化の特例、資本の減少の特例等様々な特例が準備されている。なかでも、組織再編成を簡易なものとする特例は、迅速な企業再編の取り組みには欠かせないものといえる。もっとも、内容は多岐にわたる。そこで、一覧で整理してみた。
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グループ内再編成の特例
グループ内再編成であれば、営業譲渡(245条1項1号)、営業の全部の譲受(245条1項3号)、株式交換(352条)、新設分割(373条)、吸収分割(374条の16)、吸収合併(408条)を行うにあたり、移転財産や対価、新株発行数といった規模に関わらず特別決議が不要となる。
これにより、グループ内で迅速な企業再編成が可能となり、グループ全体としての生産性向上が期待できよう。
ここで、グループ内再編成とは、認定事業者及び当該認定事業者の特定関係事業者(当該認定事業者又はその完全子会社がその総株主の議決権の2/3以上を有しているもの)間における再編成をいう。また、関係事業者とは設定事業者がその経営を実質的に支配していると認められるような事業者をいい、具体的には主務省令で定められる。
よって、たとえば以下のような企業間の組織再編成であればグループ内再編成と認められる。
しかし、次の甲・乙間で行う企業再編成は改正産業再生法案で様々な特例が認められるグループ内再編成には該当しない(ケース1では、甲が完全子会社ではなく、また、ケース2ではAとBをあわせても2/3以上とならないから)ことは要注意である。

組織再編時に株主総会特別決議不要なケースが増える
改正産業再生法案は1月28日の閣議で了承され、同日中に国会に提出された。本改正案は平成20年3月31日までの時限立法で、4月1日より施行予定。本改正案には認定計画に対する商法の特例として、財産価格調査の免除の特例や、合併の柔軟化の特例、資本の減少の特例等様々な特例が準備されている。なかでも、組織再編成を簡易なものとする特例は、迅速な企業再編の取り組みには欠かせないものといえる。もっとも、内容は多岐にわたる。そこで、一覧で整理してみた。
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営業譲渡・譲受に関する特例 |
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営業の重要な一部の譲渡(245条1項1号) | 特別決議必要 | 譲渡財産が総資産の1/5以下なら特別決議不要 |
簡易な営業の全部の譲受(245条の5) | 対価が純資産の1/20以下なら特別決議不要 | 対価が純資産の1/5以下なら特別決議不要 |
株式交換に関する特例 |
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簡易な株式交換(358条) | 新株発行数が発行済株式総数の1/20以下なら特別決議不要 | 新株発行数が発行済株式総数の1/5以下なら特別決議不要(但し、認定事業者又はその関係事業者が完全親会社になる場合に限定) |
会社分割に関する特例 |
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簡易新設分割(374条の6) | 移転財産が総資産の1/20以下なら特別決議不要 | 移転財産が総資産の1/5以下なら特別決議不要(但し、物的分割に限定) |
簡易吸収分割:分割会社側(374条の22) | 移転財産が総資産の1/20以下なら特別決議不要 | 移転財産が総資産の1/5以下なら特別決議不要(但し、物的分割に限定) |
簡易吸収分割:承継会社側(374条の23) | 新株発行数が発行済株式総数の1/20以下かつ交付金が純資産の1/50以下なら特別決議不要 | 新株発行数が発行済株式総数の1/5以下かつ交付金が純資産の1/10以下なら特別決議不要 |
吸収合併に関する特例 |
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簡易吸収合併:存続会社側(413条の3) | 新株発行数が発行済株式総数の1/20以下かつ交付金が純資産の1/50以下なら特別決議不要 | 新株発行数が発行済株式総数の1/5以下かつ交付金が純資産の1/10以下なら特別決議不要 |
グループ内再編成の特例
グループ内再編成であれば、営業譲渡(245条1項1号)、営業の全部の譲受(245条1項3号)、株式交換(352条)、新設分割(373条)、吸収分割(374条の16)、吸収合併(408条)を行うにあたり、移転財産や対価、新株発行数といった規模に関わらず特別決議が不要となる。
これにより、グループ内で迅速な企業再編成が可能となり、グループ全体としての生産性向上が期待できよう。
ここで、グループ内再編成とは、認定事業者及び当該認定事業者の特定関係事業者(当該認定事業者又はその完全子会社がその総株主の議決権の2/3以上を有しているもの)間における再編成をいう。また、関係事業者とは設定事業者がその経営を実質的に支配していると認められるような事業者をいい、具体的には主務省令で定められる。
よって、たとえば以下のような企業間の組織再編成であればグループ内再編成と認められる。

しかし、次の甲・乙間で行う企業再編成は改正産業再生法案で様々な特例が認められるグループ内再編成には該当しない(ケース1では、甲が完全子会社ではなく、また、ケース2ではAとBをあわせても2/3以上とならないから)ことは要注意である。

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