税務ニュース2005年07月04日 第1次宮岡訴訟、最高裁での口頭弁論なしに判決へ(2005年7月4日号・№121) 所法56条を巡り、違憲主張を強めるが、課税庁は反論せず
第1次宮岡訴訟、最高裁での口頭弁論なしに判決へ
所法56条を巡り、違憲主張を強めるが、課税庁は反論せず
夫である弁護士が妻である税理士に支払った税理士報酬の必要経費性を争点として、国と東京都を相手取って不当利得の返還請求を行っている「第1次宮岡訴訟」の最高裁判決の言渡しが7月5日に行われることが明らかとなった。
一審(東京地裁)は納税者が勝訴し、控訴審では国・東京都が逆転勝訴した「第1次宮岡訴訟」だが、上告審では、口頭弁論なしの判決言渡しとなるため、原判決(控訴審判決)が確定する公算が高まった。
違憲の主張を強め上告
上告人である宮岡弁護士は、所得税法56条の憲法適合性判断などを主な理由とする上告及び上告受理の申立てを行っていたが、上告については、7月5日に判決が言渡されることになり、上告受理の申立てについては、6月24日、上告審として受理しない「決定」が最高裁第三小法廷(上田豊三裁判長)で行われた。最高裁では、上告(受理申立て)理由書の提出と、昨年11月に弁護士(夫)⇒弁護士(妻)事件で最高裁の判断が示されたことを受けての上告人の補充書が提出されただけで、被上告人(国ら)からの反論も、最高裁での口頭弁論の開催もなく判決言渡しとなる。
上告人は、所法56条の適用によって、課税上の取り扱いに差が存在するとした上で、この差には合理性はなく、主として憲法14条1項(法の下の平等)に違反するもの、あるいは、憲法13条(個人の尊重)・22条(職業選択の自由)・24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)・男女共同参画社会基本法の理念に反するものとの主張を行い、「控訴審は所法56条の解釈・適用を誤ったものであり、その結果、上告人は憲法14条1項等によって保障された法の下の平等権を侵害されており、控訴審判決は破棄されなければならない。」と主張をまとめている。
弁⇒弁と同じ第三小法廷(上田裁判長)
第1次宮岡訴訟は、同種の訴訟である弁護士(夫)⇒弁護士(妻)事件と同じ最高裁第三小法廷で同じ上田豊三裁判長が担当して審理が進められている。弁⇒弁事件では、「本件各処分は、所法56条の適用を誤ったものではなく、憲法14条1項(法の下の平等)に違反するものではない。」と判示して、所法56条を適用して夫婦間の弁護士報酬を必要経費に算入しないものとする課税処分を容認した。上告人としては事案の違い(対価の適正性を認定されていること)を補充書などで主張しているものの、口頭弁論が開催されないことは、上告人にとって厳しい状況にあるといえるだろう。
宮岡弁護士は、妻である税理士に支払った報酬について、課税処分の取消訴訟で、第2次宮岡訴訟を提起している。
所法56条を巡り、違憲主張を強めるが、課税庁は反論せず
夫である弁護士が妻である税理士に支払った税理士報酬の必要経費性を争点として、国と東京都を相手取って不当利得の返還請求を行っている「第1次宮岡訴訟」の最高裁判決の言渡しが7月5日に行われることが明らかとなった。
一審(東京地裁)は納税者が勝訴し、控訴審では国・東京都が逆転勝訴した「第1次宮岡訴訟」だが、上告審では、口頭弁論なしの判決言渡しとなるため、原判決(控訴審判決)が確定する公算が高まった。
違憲の主張を強め上告
上告人である宮岡弁護士は、所得税法56条の憲法適合性判断などを主な理由とする上告及び上告受理の申立てを行っていたが、上告については、7月5日に判決が言渡されることになり、上告受理の申立てについては、6月24日、上告審として受理しない「決定」が最高裁第三小法廷(上田豊三裁判長)で行われた。最高裁では、上告(受理申立て)理由書の提出と、昨年11月に弁護士(夫)⇒弁護士(妻)事件で最高裁の判断が示されたことを受けての上告人の補充書が提出されただけで、被上告人(国ら)からの反論も、最高裁での口頭弁論の開催もなく判決言渡しとなる。
上告人は、所法56条の適用によって、課税上の取り扱いに差が存在するとした上で、この差には合理性はなく、主として憲法14条1項(法の下の平等)に違反するもの、あるいは、憲法13条(個人の尊重)・22条(職業選択の自由)・24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)・男女共同参画社会基本法の理念に反するものとの主張を行い、「控訴審は所法56条の解釈・適用を誤ったものであり、その結果、上告人は憲法14条1項等によって保障された法の下の平等権を侵害されており、控訴審判決は破棄されなければならない。」と主張をまとめている。
弁⇒弁と同じ第三小法廷(上田裁判長)
第1次宮岡訴訟は、同種の訴訟である弁護士(夫)⇒弁護士(妻)事件と同じ最高裁第三小法廷で同じ上田豊三裁判長が担当して審理が進められている。弁⇒弁事件では、「本件各処分は、所法56条の適用を誤ったものではなく、憲法14条1項(法の下の平等)に違反するものではない。」と判示して、所法56条を適用して夫婦間の弁護士報酬を必要経費に算入しないものとする課税処分を容認した。上告人としては事案の違い(対価の適正性を認定されていること)を補充書などで主張しているものの、口頭弁論が開催されないことは、上告人にとって厳しい状況にあるといえるだろう。
宮岡弁護士は、妻である税理士に支払った報酬について、課税処分の取消訴訟で、第2次宮岡訴訟を提起している。
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