カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2016年08月01日 【税制改正解説】 平成28年度における所得税関係の改正について(2016年8月1日号・№653)

税制改正解説
平成28年度における所得税関係の改正について
 須藤香織

はじめに

 経済の好循環の確立、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮、少子化対策・教育再生、地方創生の推進、国際課税の枠組みの再構築、震災からの復興支援等の観点から、法人税率の引下げ及び欠損金繰越控除制度の見直し、消費税の軽減税率制度の創設、特定多世帯同居改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の創設、公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除制度の見直し、認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度の創設、多国籍企業情報の報告制度の創設、被災関連市町村から特定の交換により土地を取得した場合の登録免許税の特例の創設、納税環境の整備、租税特別措置の見直し等所要の措置を講ずることを内容とした「所得税法等の一部を改正する法律」は国会における審議を経て平成28年3月31日に参議院本会議にて可決・成立し、同日に関係政省令とともに公布され、原則として4月1日から施行されている。
 以下、これらの改正内容について、その概要を紹介する。

Ⅰ 住宅・土地税制の改正

1 居住用財産の譲渡所得の特別控除制度の特例の創設〔措法35関係〕
 相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、その取得をした被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、次の譲渡をした場合には、居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、居住用財産の譲渡をした場合の3,000万円特別控除を適用できることとされた。
 ただし、その譲渡の対価の額と、その相続の時からその譲渡をした日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にその相続による被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人がしたその譲渡に係る資産と一体として被相続人の居住の用に供されていた家屋又はその家屋の敷地の用に供されていた土地等の譲渡の対価の額との合計額が1億円を超える場合には、本特例の適用を受けることはできない。
(1)相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(次の要件を満たすものに限る。)の譲渡又はその被相続人居住用家屋と
ともにする相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(次の①の要件を満たすものに限る。)の譲渡
 ① 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ② 譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準に適合するものであること。
(2)相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(次の①の要件を満たすものに限る。)の全部の取壊し等をした後における相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(次の②及び③の要件を満たすものに限る。)の譲渡
 ① 相続の時から取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ② 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ③ 上記①の取壊し等の時から譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。
※ 上記の制度は、平成28年4月1日以後の譲渡について適用される(措法35③)。

2 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例の改正(特定三世代同居対応改修に係る特例の創設)〔措法41の3の2関係〕
(1)
個人が、その者の居住の用に供する家屋について、特定多世帯同居改修工事等(特定三世代同居対応改修)を含む増改築等をして、その家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に自己の居住の用に供し、引き続き居住の用に供している場合において、その特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等に係る費用に充てるために借り入れた次に掲げる住宅借入金等の年末残高(1,000万円を限度)の区分に応じ、それぞれ次に定める割合に相当する金額の合計額を所得税の額から控除できることとされた。本特例は、住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択適用とされ、控除期間は5年とされた。また、下記3の「既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除」の適用を受ける工事は本特例の適用対象となる一定の工事から除かれている。
 ① 特定多世帯同居改修工事等に要した費用の額から特定工事に係る補助金等の額を控除した金額(250万円を限度)に相当する住宅借入金等の年末残高……2%
 ② ①以外の住宅借入金等の年末残高……1%
(2)上記(1)の「特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等」とは、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める他の世帯との同居をするのに必要な設備の数を増加させるために家屋について行う増改築等でその増改築等に該当するものであることにつき増改築等工事証明書が交付されたものを含む増改築等であり、特定多世帯同居改修工事等に要した費用の額(補助金等の交付がある場合には、補助金等の額を控除した後の金額)が50万円を超えること等の要件を満たすものとされている。
※ 上記の改正は、増改築等をした家屋を平成28年4月1日以後に居住の用に供する場合について適用される(措法41の3の2⑧、改正法附則77②)。

3 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の改正(三世代同居対応改修に係る税額控除制度の創設)〔措法41の19の3関係〕
(1)
個人が、その所有する居住用の家屋について多世帯同居改修工事等(三世代同居対応改修)をして、その居住用の家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間にその者の居住の用に供した場合には、その居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、多世帯同居改修工事等に係る標準的費用額(補助金等の交付を受ける場合には、補助金等の額を控除した後の金額とし、その金額が250万円を超える場合には、250万円)の10%に相当する金額を控除することができることとされた。
(2)上記(1)の「多世帯同居改修工事等」とは、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める他の世帯との同居をするのに必要な設備の数を増加させるために家屋について行う増改築等でその増改築等に該当するものであることにつき増改築等工事証明書が交付されたものであり、多世帯同居改修工事等の標準的な工事費用相当額(補助金等の交付がある場合には、補助金等の額を控除した後の金額)が50万円を超えること等の要件を満たすものとされている。
※ 上記の改正は、改修工事をした家屋を平成28年4月1日以後に居住の用に供する場合について適用される(措法41の19の3⑤)。

4 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の改正〔措法41~41の3の2、41の19の2~41の19の4関係〕
(1)
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の次に掲げる措置について、居住者が満たすべき要件と同様の要件の下で、非居住者が住宅の取得等をする場合についても適用できることとされた。
 ① 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
 ② 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例
 ③ 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
 ④ 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
 ⑤ 認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除
 ⑥ 東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の重複適用に係る特例
 ⑦ 東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例
(2)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除及び特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例について、エネルギーの使用の合理化に資する修繕又は模様替を適用対象に加える措置は、適用期限の到来をもって廃止された。
※1 上記(1)の改正は、個人が平成28年4月1日以後に住宅の取得等をする場合について適用され、個人が同日前に住宅の取得等をした場合については、従前どおりとされている(改正法附則76①、77①、80、81、82①、135、136)。
※2 上記(2)の改正は、居住者が増改築等をした家屋等を平成28年1月1日前にその者の居住の用に供した場合については、従前どおりとされている(改正措令附則11、12)。

5 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等の改正〔措法33の3関係〕
(1)収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の改正
 ① 第一種市街地再開発事業の施行による個別利用区内の宅地への権利変換を希望しない旨の申出に基づき補償金を取得する場合において、適用対象となる「やむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出をしたと認められる場合」は、「従前の建築物が用途制限につき既存不適格である場合」に該当するときとされた。
 ② 適用対象から除かれる一定の補償金を取得する第一種市街地再開発事業の施行者である再開発会社の株主又は社員から除かれる株主又は社員に、指定宅地又はその使用収益権を有する者で権利変換により個別利用区内の宅地又はその使用収益権を与えられることとなるものが追加された。
(2)換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例の改正  適用対象に、第一種市街地再開発事業が施行された場合においてその資産に係る権利変換により個別利用区内の宅地又はその使用収益権を取得したときが追加された。
※1 上記(1)①の改正は、個人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に補償金を取得する場合について適用され、個人が同日前に補償金を取得した場合については、従前どおりとされている(改正措令附則8①)。
※2 上記(1)②の改正は、個人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に補償金を取得する場合について適用され、個人が同日前に補償金を取得した場合については、従前どおりとされている(改正措令附則8②)。
※3 上記(2)の改正は、個人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に行う資産の譲渡について適用され、個人が同日前に行った資産の譲渡については、従前どおりとされている(改正法附則70②)。

6 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の改正〔措法36の2関係〕  適用期限が平成29年12月31日まで2年延長された。

7 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の改正〔措法41の5関係〕  適用期限が平成29年12月31日まで2年延長された。

8 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の改正〔措法41の5の2関係〕  適用期限が平成29年12月31日まで2年延長された。

9 一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に準ずる事業のために買い取られる土地等に係る収用等証明書等の改正〔措規14関係〕
(1)
一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に準ずる事業のために買い取られる土地及び土地の上に存する資産に係る収用等証明書について、引き続き収用等証明書を発行することができることとするとともに、その収用等証明書は、その証明の日が平成31年3月31日以前であるものに限ることが租税特別措置法施行規則に規定された。
(2)簡易証明制度のうち、電気事業者が設置する施設に係る部分について、風力又は太陽光による発電施設に係る措置を除外するとともに、送電施設又は変電施設を一般送配電事業又は送電事業の用に供するために設置される送電施設又は変電施設に限ることとされた。
※ 上記(2)の改正は、個人が平成28年4月1日以後に行う資産の譲渡について適用され、個人が同日前に行った資産の譲渡については、従前どおりとされている(改正措規附則9③)。
  なお、平成28年4月1日から平成33年3月31日までの間の適用に当たっては、特別小売供給を行う事業について所要の経過措置が設けられている(改正措規附則9④)。

Ⅱ 金融・証券税制の改正

1 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税の改正〔措法37の14関係〕
(1)
平成30年以後の勘定設定期間に係る非課税適用確認書の交付申請書について、基準日における国内の住所の記載及び当該住所を証する書類の添付が不要とされました。これに伴い、平成30年以後の勘定設定期間について、平成30年1月1日から平成35年12月31日までとされた。
(2)払出事由が生じた日の属する年分において、非課税口座を開設している居住者等が国外転出の予定日から起算して3月前の日における有価証券等の価格により国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用を受ける場合には、以下のとおりとされた。
 ① その国外転出の時においてその居住者等が有している非課税口座内上場株式等の払出し時の金額は、国外転出の予定日から起算して3月前の日における有価証券等の価格とすることとされた。
 ② 出国届出書に、その適用を受ける旨を記載することとされた。
(3)上記(1)の改正に伴い、非課税適用確認書等の記載事項及び非課税適用確認書等の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長が所轄税務署長に提供することとされている事項について、その非課税適用確認書等が平成30年1月1日から平成35年12月31日までの勘定設定期間に係るものである場合等については、基準日及び基準日における国内の住所の提供は不要とされた。
(4)非課税管理勘定廃止通知書等の記載事項及び金融商品取引業者等変更届出書等の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長が所轄税務署長に提供することとされている事項について、その非課税口座が未成年者口座の開設者が20歳に到達した場合の非課税口座の自動開設により開設されたものである場合には、その未成年者口座の開設の際に提出された未成年者非課税適用確認書又は未成年者口座廃止通知書に記載された整理番号を記載することとされた。
(5)平成29年分の非課税管理勘定が設定されている非課税口座を平成29年10月1日において開設している居住者等で当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長にその者の個人番号を告知しているものは、同日に平成30年1月1日から平成35年12月31日までの勘定設定期間が記載されるべき非課税適用確認書の交付申請書の提出をしたものとみなすこととされた。ただし、当該居住者等から平成29年9月30日までに、非課税適用確認書の交付申請書の提出があったものとみなされることを希望しない旨その他の事項を記載した書類の提出があった場合を除く。
 なお、金融商品取引業者等の営業所の長は、本措置の対象となる居住者等に対し、平成29年10月15日までに、本措置の対象となる旨の通知をしなければならないこととされた。
※1 上記(1)の改正は、平成30年以後の勘定設定期間に係る非課税適用確認書の交付申請書について適用される(措法37の14⑤三、⑥二)。
※2 上記(2)の改正は、平成30年以後の勘定設定期間に係る書類又は提供する事項について適用される(措法37の14⑤三、措規18の15の3⑤~⑦⑯⑱⑳ 、18の15の4③、18の15の5、18の15の9②)。
※3 上記(3)の改正は、平成28年4月1日から施行することとされている(改正法附則1、改正措規附則1)。
※4 上記(4)の改正は、平成28年分以後の所得税について適用され、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正措令附則2)。
※5 上記(5)の改正は、平成28年4月1日以後に提出する出国届出書について適用され、同日前に提出された出国届出書については従前どおりとされている(改正措規附則13)。

2 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税の改正〔措法37の14の2関係〕
(1)
課税未成年者口座について、未成年者口座を開設した居住者等が、その未成年者口座を開設している金融商品取引業者等の営業所等に開設している特定口座等により構成されるもので、当該未成年者口座と同時に設けられるもの(2つ以上の特定口座を含まないものに限る。)をいうこととされた。
(2)払出事由が生じた日の属する年分において、未成年者口座を開設している居住者等が国外転出の予定日から起算して3月前の日における有価証券等の価格により国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用を受ける場合には、以下のとおりとされた。
 ① その国外転出の時においてその居住者等が有している未成年者口座内上場株式等の払出し時の金額は、国外転出の予定日から起算して3月前の日における有価証券等の価格とすることとされた。
 ② 未成年者出国届出書又は出国移管依頼書に、その適用を受ける旨を記載することとされた。
(3)未成年者口座を開設している居住者等が出国により居住者等に該当しないこととなる場合において、その出国をする日の前日までに出国移管依頼書を提出せずに基準年の1月1日前に出国した場合には、その者は、未成年者口座廃止届出書をその未成年者口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に提出したものとみなすこととされた。
(4)金融商品取引業者等の営業所における書類の保存義務の改正  次に掲げる書類について、金融商品取引業者等の営業所の長は、その未成年者口座の開設者が20歳に到達した場合の自動開設により非課税口座が開設された場合には、次に定める日の属する年の翌年から5年間保存しなければならないこととされた。
 ① 未成年者口座開設届出書等 その未成年者口座が廃止された日又は自動開設の日の属する勘定設定期間の終了の日の翌日から5年を経過する日のいずれか遅い日
 ② 未成年者非課税適用確認書の交付申請書 その申請書の提出をした者がその年1月1日において20歳である年の前年12月31日又は自動開設の日の属する勘定設定期間の終了の日のいずれか遅い日
※1 上記(1)(3)の改正は、平成28年分以後の所得税について適用され、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則57、改正措令附則2)。
※2 上記(4)の改正は、平成28年4月1日から施行することとされている(改正措規附則1)。

3 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の改正〔措法37の11の3〕  出国口座内保管上場株式等を特定口座に移管しようとする居住者のうち出国の日の属する年分の所得税につき国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例に係る修正申告書を提出した者は、特定口座開設届出書及び出国口座内保管上場株式等移管依頼書の提出の際に、一定の書類を提出しなければならないこととされた。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされている(改正措令附則2)。

4 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除等の改正〔措法37の12の2関係〕  特例の対象となる上場株式等の譲渡の範囲に、国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等の適用により行われたものとみなされた譲渡が追加された。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされている(改正法附則57)。

5 先物取引に係る雑所得等の課税の特例等の改正〔措法41の15関係〕  適用対象となる先物取引の範囲から次に掲げる取引が除外された。
(1)商品先物取引業者以外の者を相手方として行う店頭商品デリバティブ取引
(2)金融商品取引業者のうち第一種金融商品取引業を行う者以外の者又は登録金融機関以外の者を相手方として行う店頭デリバティブ取引
※ 上記の改正は、個人が平成28年10月1日以後に行う先物取引について適用し、同日前に行う先物取引については従前どおりとされている(改正法附則79)。

6 特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例等の改正〔措法41の19関係〕
(1)
特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の適用対象となる特定新規株式の範囲に、地域再生法に規定する特定地域再生事業を行う株式会社で平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に同法の規定による確認を受けたものにより発行される株式のうち、その確認を受けた日から同日以後3年を経過する日までの間に発行されるものが追加された。
(2)(1)の改正に伴い、特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の適用対象となる株式の範囲から、地域再生法に規定する認定地域再生計画に記載されている事業を行う株式会社が発行する株式が除外された。
(3)特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の適用対象となる総合特別区域法の指定会社が、地域活性化総合特別区域のうち、市街化区域の区域又は区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域内の用途地域内においてのみ特定地域活性化事業を行う株式会社に限定された上、当該指定会社に係る同法の規定に基づく指定期限が平成30年3月31日まで2年延長された。
※1 上記(1)の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている。平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に認定地方公共団体の確認を受けた株式会社が、その確認を受けた日から3年以内に発行する特定新規株式について適用される(措法41の19①五改正法附則57)。
※2 上記(2)の改正は、個人居住者等が平成28年4月1日前に払込みにより取得をした地域再生法に規定する認定地域再生計画に記載されている事業を行う株式会社が発行した特定株式については、従前どおりとされている(改正法附則72)。

7 特定の取締役等が受ける特定外国新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等の廃止〔旧措法29の3関係〕  特定の取締役等が受ける特定外国新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等が、適用期限(平成28年3月31日)の到来をもって廃止された。

8 利子、配当等の受領者の告知等の改正〔所法10関係ほか〕
(1)
非課税貯蓄申込書及び非課税貯蓄相続申込書に個人番号の記載が不要とされたことに伴い、その提出をする際に提示することとされていた本人確認書類又は送信することとされていた署名用電子証明書等について見直しが行われた。
(2)利子等若しくは配当等の受領者の告知等又は特定口座開設届出書等を提出する場合に、これらの告知等を受ける者が、その告知等をする者の個人番号その他一定の事項を記載した帳簿(これらの告知等をする者から本人確認書類の提示を受けて作成されたものに限る。)を備えているときは、その告知等をする者の個人番号の告知又は特定口座開設届出書等への記載は要しないこととされた。ただし、その告知等をする者の氏名、住所又は個人番号が、その帳簿に記載されたその告知等をする者の氏名、住所又は個人番号と異なる場合を除く。
(3)所得税法及び租税特別措置法における国内に住所を有しない個人に係る告知等に関する本人確認書類のうち、官公署から発行され、又は発給された書類その他これらに類するものについては、提示する日前6月以内に作成されたもの(有効期間又は有効期限のあるものにあっては、提示する日において有効なもの)に限ることとされた。
(4)特定株式投資信託及び特定不動産投資信託の要件について、その収益の分配につき支払の取扱者を通じて交付がされる場合においては、受託者又は売買決済の委託を受けた法人に対するその収益の分配の支払を受ける者の個人番号又は法人番号の登録は不要とされた。
※1 上記(1)の改正は、平成28年4月1日以後に提出する非課税貯蓄申込書又は非課税貯蓄相続申込書について適用され、同日前に提出された非課税貯蓄申込書又は非課税貯蓄相続申込書については従前どおりとされている(改正法附則4、改正所令附則3)。
※2 上記(2)の改正は、平成28年4月1日以後に支払の確定する利子、配当等、同日以後に行われる株式等の譲渡等、同日以後に提出をする特定口座開設届出書等若しくは告知書又は同日以後に行う確認について適用し、同日前に支払の確定した利子、配当等又は同日前に行われた株式等の譲渡等、同日前に提出をした特定口座開設届出書等若しくは告知書又は同日前に行った確認については従前どおりとされている(改正法附則19、71、73①⑤、129、改正所令附則16、改正国外送金等調書令附則②、改正所規附則12)。
※3 上記(3)の改正は、平成28年4月1日に施行することとされている(改正措規附則1)。
※4 上記(4)の改正は、平成28年4月1日以後に支払の確定する配当等又は利子等について適用し、同日前に支払の確定した配当等又は利子等については従前どおりとされている(改正所規附則11)。

9 無記名公社債の利子等の帰属に係る規定の廃止〔旧所法14関係〕  無記名の公社債、無記名の株式又は無記名の投資信託等の受益証券の元本の所有者以外の者が利子等の支払を受ける場合には、その元本の所有者が利子等の支払を受けるものとみなす措置が廃止された。
※ 上記の改正は、平成28年4月1日前に支払を受ける利子等については、従前どおりとされている(改正法附則5)。

10 利子所得等に係る支払調書の特例の改正〔措令4の6の2関係〕  特定株式投資信託の要件について、その収益の分配につき支払の取扱者を通じて交付がされる場合においては、受託者に対するその収益の分配の支払を受ける者の個人番号又は法人番号の登録は不要とされた。
※ 上記の改正は、平成28年4月1日以後に支払の確定する配当等について適用し、同日前に支払の確定した配当等については従前どおりとされている(改正措令附則3)。

11 金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の不適用の改正〔措令3の3関係〕  適用対象となる金融機関の範囲に株式会社日本貿易保険が追加された。
※ 上記の改正は、平成29年4月1日以後に支払を受けるべき利子等について適用される(改正措令附則6)。

Ⅲ 事業所得等に係る税制の改正

1 減価償却制度の改正〔所令120の2関係〕
 平成28年4月1日以後に取得する建物の附属設備及び構築物並びに鉱業用の建物の減価償却の方法のうち、定率法が廃止された。
※1 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされている(改正所令附則8①)。
※2 償却の方法の変更の手続きについての改正はないので、新たな償却の方法を採用しようとする年の3月15日までに償却方法の変更の承認申請書を納税地の所轄税務署に提出し、その承認を受けなければならないこととされている(所令124)が、平成28年分の所得税について、建物、建物附属設備及び構築物についてその選定した償却の方法を変更しようとする場合において、同年分の所得税に係る確定申告期限までに、新たな償却の方法、変更しようとする理由その他一定の事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出したときは、その届出書の提出をもってその償却の方法の変更についての納税地の所轄税務署長の承認があったものとみなす経過措置が設けられている(改正所令附則8②、改正所規附則7)。

2 エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除の改正〔措法10の2関係〕  次の見直しが行われた上、その適用期限が平成30年3月31日まで2年延長された。
(1)特定エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得等をした場合の即時償却に係る措置は、適用期限(平成28年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)税額控除の対象から、車両運搬具が除外された。
(3)太陽光発電設備のうち認定発電設備に該当するものの除外など、対象資産の見直し(追加:6設備、除外:9設備)が行われた。
※ 上記の改正は、個人が平成28年4月1日以後に取得等をするエネルギー環境負荷低減推進設備等について適用し、個人が同日前に取得等をしたエネルギー環境負荷低減推進設備等及び特定エネルギー環境負荷低減推進設備等については従前どおりとされている(改正法附則59①)。

3 雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除の改正(改正後:特定の地域において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除)〔措法10の5関係〕  次の見直しが行われた上、適用期限が平成30年まで2年延長された。
(1)基準雇用者数に係る措置について、税額控除限度額の計算の基礎となる基準雇用者数が、その個人のその適用年の特定地域基準雇用者数(その特定地域基準雇用者数がその個人のその適用年の基準雇用者数(その適用年において地方事業所基準雇用者数に係る措置の適用を受ける場合には、その適用に係る地方事業所税額控除限度額の計算の基礎となった地方事業所基準雇用者数を控除した数)を超える場合にはその数)とされた。
(2)雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除制度の適用を受ける事業年度においても適用できることとされた。
※ 上記の改正は、平成29年分以後の所得税について適用し、平成28年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則60)。

4 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除の改正〔措法10の5の2〕  認定経営革新等支援機関が行う経営の改善に関する指導及び助言に準ずる指導及び助言を行うことができる法人の範囲について、農業協同組合中央会が存続中央会とされるとともに、都道府県農業会議が除外された。
※ 上記の改正は、平成28年4月1日から施行されている(改正措令附則1)。

5 雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除の改正〔措法10の5の3関係〕
(1)
特定の地域において雇用者の数が増加した場合の特別税額控除制度の適用を受ける事業年度においても適用できることとされた。
(2)雇用促進税制の適用を受ける事業年度において、特別税額控除の対象となる雇用者給与等支給増加額から特定地域基準雇用者数、地方事業所基準雇用者数及び地方事業所特別基準雇用者数の算定の基礎となった者に対する給与等の支給額の合計額の30%相当額を控除することとされた。
※ 上記の改正は、平成29年分以後の所得税について適用し、平成28年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則61)。

6 生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除の廃止〔旧措法10の5の3関係〕  この制度は、適用期限(平成28年3月31日及び平成29年3月31日)の到来をもって廃止された。
※ 上記の改正は、即時償却に係る措置及び5%又は3%の税額控除に係る措置にあっては個人が平成28年4月1日前に取得等をした特定生産性向上設備等について、50%又は25%特別償却に係る措置及び4%又は2%の税額控除に係る措置にあっては個人が平成29年4月1日前に取得等をした特定生産性向上設備等については、従前どおりとされている(改正法附則62)。

7 特定設備等の特別償却の改正〔平成28年3月財務省告示第104号関係〕  公害防止用設備の特別償却制度について、その対象資産からふっ素及びその化合物に含まれる1・1・1・3・3-ペンタフルオロブタンに係る指定物質等回収設備が除外された上、その適用に係る対象資産の指定期限が平成29年3月31日まで1年延長された。
※ 上記の改正は、個人が平成28年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした公害防止用設備については従前どおりとされている(平成28年3月財務省告示第104号前文)。

8 特定農産加工品生産設備の特別償却の廃止〔旧措法11の3関係〕  この制度は、適用期限(平成28年)の到来をもって廃止された。
※ 個人が平成28年4月1日前に取得又は製作をした特定農産加工品生産設備については従前どおりとされている(改正法附則63①)。

9 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却の改正〔措法13関係〕  対象資産を機械装置及び工場用の建物等で障害者が従事する事業所にあるものに限定する等の見直しが行われた上、その適用期限が平成30年3月31日まで2年延長された。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則57)。

10 サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却の改正〔措法14関係〕  割増償却割合が10%(耐用年数が35年以上のものについては、14%)に引き下げられた上、その適用期限が平成29年3月31日まで1年延長された。
※ 上記の改正は、個人が平成28年4月1日以後に取得又は新築をするサービス付き高齢者向け賃貸住宅について適用される(改正法附則63④)。なお、同日前に取得又は新築をしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅については従前どおりとされている(改正法附則63④⑤、改正措令附則7②、改正措規附則7)。

11 倉庫用建物等の割増償却の改正〔措法15関係〕  次の見直しが行われた上、適用期限が平成30年3月31日まで1年延長された。
(1)適用対象者が、青色申告書を提出する個人で流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の総合効率化計画のうち同法の特定流通業務施設に関する事項が記載されたものについて同法の認定を受けたものとされた。
(2)適用対象資産が、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の認定を受けた特定総合効率化計画に記載された特定流通業施設である倉庫用の建物等及び構築物のうち、物資の輸送の合理化に著しく資するものとして国土交通大臣が財務大臣と協議して指定するもので、耐火建築物又は準耐火建築物に該当する倉庫用建物等とされるとともに、適用対象資産から貸付用の倉庫用建物等が除外された。
※ 上記(1)及び(2)の改正は、個人が流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成28年法律第35号)の施行の日以後に取得又は建設をする倉庫用建物等について適用される(改正法附則63⑥)。なお、同日前に同法による改正前の流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の認定又は確認を受けた個人が平成29年3月31日以前に取得又は建設をした倉庫用の建物及びその附属設備又は構築物については従前どおりとされている(改正法附則63⑥⑦、改正措令附則7③)。

12 金属鉱業等鉱害防止準備金制度の改正〔措法20関係〕  準備金の積立限度額が、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に鉱害防止積立金として積み立てた金額の80%相当額(改正前:積み立てた金額に相当する金額)とされた上、その適用期限が平成30年まで2年延長された。
※ 上記の改正は、平成29年分以後の所得税について適用し、平成28年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則64①)。

13 特定災害防止準備金制度の改正〔措法20の2関係〕  準備金の積立限度額が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定により独立行政法人環境再生保全機構に維持管理積立金として積み立てた金額のうち、都道府県知事が通知する額に限定されることが明確化された上、その適用期限が平成30年3月31日まで2年延長された。
※ 上記の改正は、平成29年分以後の所得税について適用し、平成28年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則64②)。

14 探鉱準備金制度の改正〔措法22関係〕  その年の12月31日において有する探鉱準備金の金額のうちにその積立てをした年の翌年1月1日から5年(改正前:3年)を経過したものがある場合には、その経過した探鉱準備金の金額を取り崩して、事業所得の金額の計算上総収入金額に算入することとされた上、その適用期限が平成31年3月31日まで3年延長された。
※ 上記の改正は、個人が平成29年以後において積み立てる探鉱準備金の金額の事業所得に係る総収入金額への算入について適用し、個人が平成28年以前において積み立てた探鉱準備金の金額の事業所得に係る総収入金額への算入については従前どおりとされている(改正法附則65)。

15 中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例の改正〔措法28の2関係〕  適用期限が平成30年3月31日まで2年延長された。

16 国庫補助金等の総収入金額不算入制度の改正〔所令89関係〕  対象となる補助金の範囲から、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づく独立行政法人空港周辺整備機構、成田国際空港株式会社及び新関西国際空港株式会社の補助金が除外された。
※ 上記の改正は、個人が平成28年4月1日前に交付を受けた補助金については、従前どおりとされている(改正所令附則6)。

Ⅳ その他の改正

1 セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の創設〔措法41の17の2関係〕
(1)
医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を推進する観点から、居住者が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定一般用医薬品等購入費を支払った場合においてその居住者がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っているときにおけるその年分の医療費控除については、その者の選択により、その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(8万8千円を限度)を、その居住者のその年分の総所得金額等から控除できることとされた。
(2)上記(1)の「特定一般用医薬品等購入費」とは、その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして厚生労働省が財務大臣と協議して定めるものの購入費用をいう。
  また、上記(1)の「一定の取組」とは、法律又は法律に基づく命令に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組として厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものをいう。
※ 上記の制度は、平成29年1月1日以後に特定一般用医薬品等購入費を支払った場合について適用される(措法41の17の2①)。

2 公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除の改正〔措法41の18の3関係〕  ① 適用対象となる寄附金の範囲に、国立大学法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構又は独立行政法人日本学生支援機構(その運営組織及び事業活動が適正であること並びに市民から支援を受けていることにつき一定の要件を満たすものに限る。)に対する寄附金のうち学生等に対する修学の支援のための事業に充てられることが確実であるものが追加された。
 ② その実績判定期間にその公益目的事業費用等の額の合計額が1億円に満たない事業年度を有する公益社団法人及び公益財団法人、学校法人及び準学校法人、社会福祉法人並びに更生保護法人に係るいわゆるパブリック・サポート・テストの絶対値要件(以下「絶対値要件」という。)における実績判定期間内の判定基準寄附者数が年平均100人以上とする要件の当該判定基準寄附者数は、当該事業年度における判定基準寄附者数に1億を乗じてこれを当該公益目的事業費用等の額の合計額で除して計算することとされるとともに、公益社団法人及び公益財団法人並びに更生保護法人に係る絶対値要件について、実績判定期間内の各事業年度における当該判定基準寄附者からの寄附金の額の総額に12を乗じてこれを当該実績判定期間の月数で除して得た金額が30万円以上であることが要件に追加された。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則57、改正措令附則2)。

3 国等に対して重要文化財等を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例の改正〔措法40の2関係〕  国等に対して重要有形民俗文化財を譲渡した場合の2分の1課税の特例の適用期限が平成30年12月31日まで2年延長された。

4 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例の改正〔措法40の3の2関係〕  本特例の適用要件に、贈与を受ける内国法人が金融機関から受けた事業資金の貸付けについてその貸付けに係る債務の弁済の負担を軽減するため中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日(平成21年12月4日)から平成28年3月31日までの間に条件の変更が行われていることを加えた上、その適用期限を3年延長することとされた。
※ 上記の改正は、平成28年4月1日以後の贈与について適用される(改正法附則74)。

5 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の改正〔所法60の2関係〕
(1)
本特例の対象となる有価証券等の範囲から、次に掲げる有価証券等で国内源泉所得を生ずべきものが除外された。
 ① 特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式で、譲渡についての制限が解除されていないもの
 ② 有利な条件等で株式を取得することができる権利でその権利の行使をしたならばその行使時の経済的利益に対して課税がされるものを表示する有価証券
(2)国外転出の日の属する年分の所得税の計算において、本特例が適用されていない場合には、国外転出の時において有する有価証券等の取得価額を時価に洗い替えないこととされた。
(3)国外転出の日から5年(又は10年)を経過する日までに本特例の適用を受けた個人が死亡したことにより、その国外転出の時に有していた対象資産の相続(限定承認に係るものを除く。)等があった場合において、その個人について生じた遺産分割等の事由が生じたことにより、その相続等により対象資産の移転を受けた相続人等に非居住者が含まれないこととなった場合には、本特例の適用を取り消すことができることとされた。
(4)本特例の適用を受けた新株予約権について、その国外転出の後に権利行使をして株式を取得した場合には、その株式の国外転出時評価額は、一定の調整計算をした金額とすることとされた。
(5)本特例の適用を受けるべき個人がその国外転出の時後に譲渡等により有価証券等の移転をした場合に、その移転をした有価証券等が国外転出の時において有していた有価証券等に該当するかどうかの判定方法の見直しが行われた。
(6)本特例の適用を取り消すことにより所得金額や所得税額が増加する場合等には、修正申告書を提出することができる特例が創設された。
※1 上記(1)の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされる(改正法附則2)。
※2 上記(2)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は決済をする有価証券等、未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引について適用し、同日前に譲渡又は決済をした有価証券等、未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引については、従前どおりとされる(改正法附則7①)。
※3 上記(3)の改正は、平成28年1月1日以後の遺産分割等の事由により相続人又は受遺者である個人に非居住者が含まれないこととなった場合について適用される(改正法附則7②)。
※4 上記(4)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は限定相続等があった有価証券等について適用し、同日前に譲渡又は限定相続等があった有価証券等については、従前どおりとされる(改正所令等附則9①)。
※5 上記(5)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は限定相続等により移転をする有価証券等の判定について適用し、同日前に譲渡又は限定相続等により移転をした有価証券等の判定については、従前どおりとされる(改正所令等附則9②)。
※6 上記(6)の改正は、平成28年1月1日以後に帰国等による課税の取消しができることとなる場合について適用される(改正法附則12)。

6 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の改正〔所法60の2、同法60の3関係〕
(1)
本特例の対象となる有価証券等の範囲から、上記5(1)①及び②に掲げる有価証券等で国内源泉所得を生ずべきものが除外された。
(2)贈与等の日の属する年分の所得税の計算において、本特例が適用されていない場合には、贈与等の時において有する有価証券等の取得価額を時価に洗い替えないこととされた。
(3)贈与等の日から5年(又は10年)を経過する日までに贈与等に係る非居住者である受贈者等が死亡したことにより、その贈与等の時に有していた対象資産の相続(限定承認に係るものを除く。)等があった場合において、その非居住者について遺産分割等の事由が生じたことにより、その相続等により対象資産の移転を受けた相続人等に非居住者が含まれないこととなった場合には、本特例の適用を取り消すことができることとされた。
(4)本特例の適用を受けた新株予約権について、その贈与等の後に権利行使をして株式を取得した場合には、その株式の贈与等時評価額は、一定の調整計算をした金額とすることとされた。
(5)本特例の適用を受けるべき個人の受贈者等がその贈与等の時後に譲渡等により有価証券等の移転をした場合に、その移転をした有価証券等が贈与等の時において有していた有価証券等に該当するかどうかの判定方法の見直しが行われた。
(6)本特例の適用を取り消すことにより所得金額や所得税額が増加する場合等には、修正申告書を提出することができる特例が創設された。
※1 上記(1)の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされる(改正法附則2)。
※2 上記(2)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は決済をする有価証券等、未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引について適用し、同日前に譲渡又は決済をした有価証券等、未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引については、従前どおりとされる(改正法附則8①)。
※3 上記(3)の改正は、平成28年1月1日以後の遺産分割等の事由により相続人又は受遺者である個人に非居住者が含まれないこととなった場合について適用される(改正法附則8②)。
※4 上記(4)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は限定相続等があった有価証券等について適用し、同日前に譲渡又は限定相続等があった有価証券等については、従前どおりとされる(改正所令等附則9①)。
※5 上記(5)の改正は、平成28年1月1日以後に譲渡又は限定相続等により移転をする有価証券等の判定について適用し、同日前に譲渡又は限定相続等により移転をした有価証券等の判定については、従前どおりとされる(改正所令等附則9②)。
※6 上記(6)の改正は、平成28年1月1日以後に帰国等による課税の取消しができることとなる場合について適用される(改正法附則13)。
7 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の改正〔所法60の2、同法137の2関係〕
(1)
納税猶予の期限の満了に伴う納期限が、国外転出の日から5年4月(又は10年4月)を経過する日とされた。
(2)税務署長による納税の猶予に係る期限の繰上げに係る事由について整備が行われた。
※1 上記(1)の改正は、国外転出の日から5年を経過する日又は帰国等の日が平成28年1月1日以後である場合について適用され、国外転出の日から5年を経過する日又は帰国等の日が平成28年1月1日前である場合は、従前どおりとされる(改正法附則10)。
※2 上記(2)の改正は、平成28年4月1日から施行される(改正所令附則1)。

8 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の改正〔所法60の3、同法137の3関係〕
(1)
納税猶予の期限の満了に伴う納期限が、贈与等の日から5年4月(又は10年4月)を経過する日とされた。
(2)「遺産分割等があった場合の期限後申告等及び修正申告の特例」の適用に係る修正申告期限後申告書又は修正申告書の提出により納付すべき所得税額についても、納税の猶予を受けることができることとされた。
(3)税務署長による納税の猶予に係る期限の繰上げに係る事由について整備が行われた。
※1 上記(1)及び(2)の改正(贈与があった場合の納税猶予に係る部分に限る。)は、贈与等の日から5年を経過する日又は帰国等の日が平成28年1月1日以後である場合について適用され、贈与等の日から5年を経過する日又は帰国等の日が平成28年1月1日前である場合は、従前どおりとされる(改正法附則11①②)。
※2 上記(3)の改正は、平成28年4月1日から施行されている(改正所令附則1)。

9 相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告及び更正の請求の特例の改正〔所法151の4~151の6関係〕
(1)
本特例の対象に、「遺産分割等があった場合の修正申告又は更正の請求の特例」の適用により贈与等時課税制度の適用がなかったものとされたことに伴い、相続により移転した有価証券等で既に譲渡したものの取得費の額に増減があった場合等が追加された。
(2)本特例の対象に、「国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例等」の適用に係る修正申告書が提出されたことにより国外転出時課税制度又は贈与等時課税制度の適用がなかったものとされたことに伴い、既に譲渡した有価証券等の取得費の額に増減があった場合等が追加された。
※ 上記の改正は、遺産分割等の特例又は帰国等の場合の修正申告の特例の適用に係る修正申告書の提出又は更正の請求に基づく更正があった日が平成28年1月1日以後である場合について適用される(改正法附則14①、16)。

10 遺産分割等があった場合の修正申告、期限後申告等及び更正の請求の特例の創設〔所法151の5・151の6関係〕
(1)
相続の開始の日の属する年分の所得税につき相続等時課税制度の適用を受けた居住者について生じた遺産分割等の事由により、非居住者に移転した相続等に係る対象資産が増減したことに基因して、その居住者のその相続の開始の日の属する年分の所得税額が過少となる場合等には、その相続人は、その遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、その年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、その期限内にその修正申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないこととされた。
(2)死亡による準確定申告書の提出期限後に遺産分割等の事由が生じたことによって相続等時課税制度が適用されたため新たに準確定申告書を提出すべき要件に該当することとなった居住者の相続人は、その遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、その居住者の死亡の日の属する年分の期限後申告書を提出し、かつ、その期限内にその期限後申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないこととされた。
(3)相続の開始の日の属する年分の所得税につき相続等時課税制度の適用を受けた居住者について生じた遺産分割等の事由により、非居住者に移転した相続等に係る対象資産が増減したことに基因して、その居住者のその相続の開始の日の属する年分の所得税額が過大となる場合等には、その相続人は、その遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、税務署長に対し、更正の請求をすることができることとされた。
※ 上記の改正は、平成28年1月1日以後に遺産分割等の事由が生ずる場合について適用される(改正法附則15)。

11 外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書の改正〔所法228の3の2関係〕  本調書の提出対象となる経済的利益を受けた役員又は使用人の範囲に、次に掲げる者が追加された。
 ① 非居住者のうちその供与等を受けた経済的利益の価額の全部又は一部が国内源泉所得となるものを受けた者
 ② 内国法人の役員又は使用人であった居住者及び外国法人の国内にある営業所等において勤務するその外国法人の役員又は使用人であった居住者
※ 上記の改正は、平成28年1月1日以後に供与等を受ける経済的利益について適用し、同日前に供与等を受けた経済的利益については、従前どおりとされる(改正法附則20)。

12 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の改正〔措法39関係〕  相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例の改正等に伴い、申告要件の見直し等が行われた。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則57)。

13 非課税所得の改正〔所法9、所令20の2関係〕
(1)
義務教育学校の児童又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入等をした預貯金等の利子等について、所得税を課さないこととされた。
(2)通勤手当の非課税限度額が月額15万円(改正前:10万円)に引き上げられた。
(3)学資に充てるため給付される金品のうち非課税所得とならない給与その他対価の性質を有するものから、給与所得を有する者がその使用者から通常の給与に加算して受けるものであって、法人である使用者からその法人の役員の学資に充てるため給付する場合など一定の場合以外に該当するものが除外された。
※1 上記(1)の改正は、平成28年4月1日から施行されている(改正法附則1)。
※2 上記(2)の改正は、平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当(同日前に受けるべき通勤手当の差額として追給されるものを除く。)について適用し、同日前に受けるべき通勤手当(同日以後に受けるべき通勤手当で同日前に受けるべきものの差額として追給されるものを含む。)については従前どおりとされている。ただし、平成28年4月1日までに既に支給された通勤手当については、既に行われている毎月(毎日)の源泉徴収税額の再計算は行わず、平成28年分の給与所得の年末調整の際に精算されることになる(改正所令附則2)。
※3 上記(3)の改正は、平成28年4月1日以後に受けるべき学資金について適用し、同日前に受けるべき学資金については従前どおりとされている(改正法附則3)。

14 簡素な給付措置(臨時福祉給付金)の非課税措置の改正及び年金生活者等支援臨時福祉給付金の非課税措置の創設〔措法41の8関係〕
(1)
平成28年1月1日において住民基本台帳に記録されている者等のうち、平成28年度分の市町村民税が課されていないもの等に対して平成28年度の予算における臨時福祉給付金給付事業費補助金を財源として市町村から給付される給付金(臨時福祉給付金)については、所得税を課さないこととされた。
(2)平成27年度における臨時福祉給付金の支給対象者のうち、平成28年3月31日において64歳以上である者に対して平成27年度の予算における年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業費補助金を財源として市町村から支給される給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)については、所得税を課さないこととされた。
(3)平成28年度臨時福祉給付金の支給対象者のうち、国民年金法の障害基礎年金又は遺族基礎年金等を受けている者に対して平成28年度の予算における年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業費補助金を財源として市町村から給付される給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)については、所得税を課さないこととされた。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則57)。

15 給与所得者の特定支出の控除の特例の改正〔所法57の2関係〕  本特例の対象となる特定支出の範囲から、「雇用保険法に規定する教育訓練給付金」及び「母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する自立支援教育訓練給付金」が支給される部分の支出が除外された。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用し、平成27年分以前の所得税については、従前どおりとされている(改正法附則2)。

16 給与所得者の扶養控除等申告書等に関する改正〔所法198、203の5、所規76の2、77、77の4関係〕
(1)
扶養控除等申告書等の提出を受ける給与支払者等が、その申告書を提出する者等の個人番号その他一定の事項を記載した帳簿(その扶養控除等申告書等の提出の前に、その給与所得者等から扶養控除等申告書等の提出を受けて作成されたものに限る。)を備えているときは、その扶養控除等申告書等には、その帳簿に記載されている個人番号の記載を要しないこととされた。ただし、その扶養控除等申告書等に記載されるべき氏名又は個人番号が、その帳簿に記載された控除対象配偶者等の氏名又は個人番号と異なる場合を除く。
(2)上記(1)の帳簿は、最後に上記(1)の規定の適用を受けた扶養控除等申告書等に係る提出期限等の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過する日まで保存しなければならないこととされた。
(3)上記(1)の規定の適用を受けた扶養控除等申告書等を提出した給与所得者等がその扶養控除等申告書等に記載すべき氏名、住所又は個人番号を変更した場合には、その者は、遅滞なく、その扶養控除等申告書等を受理した給与支払者等に、変更前及び変更後の氏名、住所又は個人番号を記載した届出書を提出しなければならないこととされた。その届出書を提出した後、再びその届出書に記載した氏名、住所又は個人番号を変更した場合も、同様とされている。
(4)給与支払者等は、その受理をした上記(3)の届出書を、その受理をした日の属する年の翌年から3年間保存しなければならないこととされた。
※ 上記の改正は、平成29年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について適用される(改正法附則18②③、改正所規附則9)。

17 特定譲渡制限付株式等に関する改正〔所令84関係〕
(1)
個人が法人に対して役務の提供をした場合において、その法人又はその法人の親法人から当該役務の提供の対価として法人又はその法人の親法人の特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式が交付されたときにおけるその交付に係る経済的利益は、その特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の譲渡制限が解除された日における価額とされた。
(2)特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の取得価額は、その特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の譲渡制限が解除された日における価額とすることとされた。
※ 上記の改正は、平成28年分以後の所得税について適用される(改正所令附則5)。

18 確定申告書等に添付すべき証明書等の範囲の拡充〔所令262、319、措規19の10の3、19の10の4、19の10の5関係〕  確定申告又は年末調整の際に生命保険料控除、地震保険料控除又は寄附金控除等の適用を受ける場合に確定申告書又は保険料控除申告書に添付し又はこれらの申告書の提出の際に提示することとされているものの範囲に、生命保険料、地震保険料又は寄附金の金額等を証する書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を記録した電子証明書等の情報の内容を、国税庁長官の定める方法によって出力することにより作成した書面が追加された。
※ 上記の改正は、平成30年分以後の所得税について適用し、平成29年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正所令附則11、13、改正措規附則19①)。

19 中小企業退職金共済法の改正等に伴う特定退職金共済制度等の改正〔所令65、73、76、183、所規18の4関係〕  中小企業退職金共済法の改正等に伴い、特定退職金共済制度等について、所要の整備が行われた。

20 農業協同組合法等の改正に伴う所要の措置〔農地法、農業協同組合法、農業委員会等に関する法律、農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律、昭和60年改正法附則12、昭和60年改正措令附則8、昭和60年改正措規附則7関係〕
(1)農業生産法人の名称変更に係る改正
 農業生産法人に現物出資した場合の納期限の特例等に関する経過措置について、「農業生産法人」を「農地所有適格法人」と読み替える改正が行われたほか、延納に係る所得税の額に相当する担保の提供及び延納期間に係る利子税の割合について所要の規定の整備が行われた。
(2)特定承継会社の創設に係る改正  銀行を適用対象としている規定について特定承継会社を追加する改正が行われた。
※ 上記のうち延納に係る改正は、平成28年4月1日以後に延納の許可が行われる場合について適用し、同日前に延納の許可が行われた場合については従前どおりとされている(改正法附則150①)。また、上記のうち利子税に係る改正は、利子税のうち平成29年1月1日以後の期間に対応するものについて適用し、同日前の期間に対応するものについては従前どおりとされている(改正法附則150②)。
(注)上記以外の改正は、平成28年4月1日に施行されている。

21 給与所得控除の上限額の引下げに伴う告示の改正〔平成28年3月財務省告示第90号、第105号、第106号関係〕  平成26年度税制改正における給与所得控除の上限額の引下げの平成29年1月1日施行分(給与等の収入金額1,000万円で給与所得控除額を220万円に引下げ)の施行にあわせて、復興特別所得税を併せた源泉徴収税額表等の改正が行われた。
※ 上記の改正は、平成29年1月1日以後に支払うべき給与等について適用し、同日前に支払うべき給与等については従前どおりとされている(平成28年3月財務省告示第90号前文、第105号前文、第106号前文)。

22 国税通則法の延滞税の計算期間の改正に伴う所要の改正〔所法151の4、151の6、措法28の3、30の2、31の2、33の5、35、36の3、37の2、37の8、41の3、41の19の4関係〕  国税通則法の改正による延滞税の計算期間について見直しに伴い、所得税における修正申告の特例に係る同法の規定の適用についても、「期限内申告書又は期限後申告書」を「所得税における修正申告の特例による申告書」として、同法の延滞税の特例の規定を適用することとされた。
※ 上記の改正は、平成29年1月1日以後に義務的修正申告書の提出期限が到来する所得税について適用される(改正法附則14②、67①、69、70①④、76②、82②)。

23 支払通知書等の記載事項の改正〔所規92、93、94、94の2、措規4の4、18の13の5、18の15の11、19の6関係〕  支払通知書、源泉徴収票及び報告書で金銭等の支払を受ける者に対して交付すべきものについては、その金銭等の支払を受ける者及び控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の個人番号の記載を要しないこととされた。
※ 上記の改正は、支払の確定した日が平成28年1月1日以後である収益の分配等、同日
以後に支払うべき給与等又は平成28年分以後の各年において開設されていた特定口座等に係る支払通知書等について適用される(番号改正省令附則2~9)。

Ⅴ 東日本大震災の特例(所得税関係)の改正

1 復興指定会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の改正〔震災税特法13の3関係〕
 適用対象となる東日本大震災復興特別区域法の指定会社に係る同法の規定に基づく指定期限が平成33年3月31日まで5年延長された。

2 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除の特例の改正〔震災税特法11の5関係〕  特定住宅被災市町村の区域内の土地等を地方公共団体等に譲渡した場合の2,000万円特別控除について、本特例の適用対象となる事業は東日本大震災からの復興のための事業に限られることを明確化した上、その適用期限が5年延長された。

3 復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除の改正〔震災税特法10の2関係〕  復興産業集積区域に係る措置について、次の見直しが行われた上で、その適用期限が平成33年3月31日まで5年延長された。
(1)対象となる建築物整備事業の用に供する建物及びその附属設備の範囲に、地域の活力の再生及び地域住民の生活の利便性の確保に資する事業の用に供する建物及びその附属設備で一定の要件を満たすものが追加された。
(2)機械装置並びに建物等及び構築物の特別償却限度額及び税額控除率が次のとおりとされた。なお、認定を受けた福島県又は福島県の区域内の市町村の指定を受けた個人が取得等をしてその認定に係る復興産業集積区域内において産業集積事業の用に供した機械装置並びに建物等及び構築物の特別償却限度額及び税額控除率については、従前と同様とされている。
 ① 特別償却限度額  イ 機械装置 その取得価額の50%(平成31年4月1日以後に取得等をしたものについては、34%)相当額(改正前:その取得価額から普通償却額を控除した金額に相当する金額)
 ロ 平成31年4月1日以後に取得等をした建物等及び構築物 その取得価額の17%相当額(改正前:その取得価額の25%相当額)
 ② 税額控除率  イ 平成31年4月1日以後に取得等をした機械装置 10%(改正前:15%)
 ロ 平成31年4月1日以後に取得等をした建物等及び構築物 6%(改正前:8%)

4 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の所得税額の特別控除の改正〔震災税特法10の3関係〕  平成31年4月1日から平成33年3月31日までの間に、認定地方公共団体(福島県又は福島県の区域内の市町村を除く。)の指定を受けた個人がその指定をした認定地方公共団体の作成した認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域内に所在する産業集積事業所に勤務する被災雇用者等に対して支給する給与等の額に係る税額控除率が7%(改正前:10%)に引き下げられた上、個人指定の期限が平成33年3月31日まで5年延長された。

5 復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却等の改正〔震災税特法10の5関係〕  特別償却限度額が開発研究用資産の取得価額の50%(平成31年4月1日から平成33年3月31日までの間に取得等をしたものは34%)相当額(改正前:その取得価額から普通償却額を控除した金額に相当する金額)に引き下げられた上、その適用期限が平成33年3月31日まで5年延長された。なお、認定を受けた福島県又は福島県の区域内の市町村の指定を受けた個人が取得等をしてその認定に係る復興産業集積区域内において開発研究の用に供した開発研究用資産の特別償却限度額については、従前と同様とされている。

6 被災代替資産等の特別償却制度の改正〔震災税特法11関係〕  次の見直しが行われた上で、その適用期限が平成31年3月31日まで3年延長された。
(1)対象となる被災代替資産等の範囲から、非自航作業船、航空機、二輪の小型自動車、検査対象外軽自動車、小型特殊自動車及び原動機付自転車が除外された。
(2)被災区域の定義について、東日本大震災に起因して事業又は居住の用に供することができなくなった建物又は構築物の敷地及びその建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域が被災区域とされ、物理的な原因によるもの以外のものも含まれることが明確化された。
(3)特別償却割合が次のとおり引き下げられた。
建物等又は構築物 中小事業者以外 10%
     (改正前:15%)
中小事業者    12%
     (改正前:18%)
機械装置、船舶又は
車両運搬具
中小事業者以外 20%
     (改正前:30%)
中小事業者    24%
     (改正前:36%)

7 特定の事業用資産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例の改正〔震災税特法12関係〕  被災区域内にある土地等又はこれとともに建物若しくは構築物の譲渡をして、その譲渡の日の年において国内にある土地等又は減価償却資産の取得をした場合に係る買換資産が、特定被災区域内にある土地等又は減価償却資産等に限定された上で、その適用期限が平成33年3月31日まで5年延長された。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • bnr-購読者専用ダウンロードサービス
  • 法苑
  • 裁判官検索