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解説記事2017年07月03日 【税制改正解説】 平成29年度における所得税関係の改正について(上)(2017年7月3日号・№697)

税制改正解説
平成29年度における所得税関係の改正について(上)
 御田啓宝

 我が国経済の成長力の底上げのため、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行うとともに、経済の好循環を促す観点から研究開発税制及び所得拡大促進税制の見直しや中小企業向け設備投資促進税制の拡充等を行う。あわせて、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から酒税改革を行うとともに、我が国企業の海外における事業展開を阻害することなく、国際的な租税回避により効果的に対応するため外国子会社合算税制を見直す。このほか、災害への税制上の対応に係る各種の規定の整備等を行うことを内容とした「所得税法等の一部を改正する等の法律」は国会における審議を経て平成29年3月27日に参議院本会議にて可決・成立し、3月31日に関係政省令とともに公布され、原則として4月1日から施行されている。
 以下これらの改正内容について概要を説明する。

Ⅰ 所得税法等の改正

1 配偶者控除の改正(所法83関係)
 合計所得金額が1,000万円を超える居住者については、配偶者控除を適用しないこととされた。
 あわせて、この措置が導入されることに伴い、所得に応じた税負担の差をなだらかにする観点から、合計所得金額が900万円超950万円以下の居住者については配偶者控除の額を改正前の3分の2の水準である26万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、32万円)とし、合計所得金額が950万円超1,000万円以下の居住者については配偶者控除の額を改正前の3分の1の水準である13万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、16万円)とすることとされた。
 上記1の改正は、平成30年分以後の所得税について適用され、平成29年分以前の所得税については従前どおりとされている。

2 配偶者特別控除の改正(所法83の2関係)  38万円の配偶者特別控除の適用を受けることができる配偶者の合計所得金額の上限額が40万円未満から85万円以下に引き上げられた。また、配偶者控除と同様に、所得に応じた税負担の差をなだらかにする観点から、合計所得金額が900万円超950万円以下の居住者については配偶者特別控除の額を3分の2とし、合計所得金額が950万円超1,000万円以下の居住者については配偶者特別控除の額を3分の1とすることとされた。改正後の配偶者特別控除は、居住者が生計を一にする配偶者(青色事業専従者等を除き、合計所得金額が123万円以下であるものに限る。)で控除対象配偶者に該当しないものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を控除することとされた。
① その居住者の合計所得金額が900万円以下である場合……その居住者の配偶者の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
 イ 配偶者の合計所得金額が85万円以下である場合……38万円
 ロ 配偶者の合計所得金額が85万円を超え120万円以下である場合……38万円からその配偶者の合計所得金額のうち83万1円を超える部分の金額(その超える部分の金額が5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額でないときは、5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額でその超える部分の金額に満たないもののうち最も多い金額)を控除した金額
 ハ 配偶者の合計所得金額が120万円を超える場合……3万円
② その居住者の合計所得金額が900万円を超え950万円以下である場合……その居住者の配偶者の上記①イからハまでに掲げる場合の区分に応じそれぞれ上記①イからハまでに定める金額の3分の2に相当する金額(その金額に1万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
③ その居住者の合計所得金額が950万円を超え1,000万円以下である場合……その居住者の配偶者の上記①イからハまでに掲げる場合の区分に応じそれぞれ上記①イからハまでに定める金額の3分の1に相当する金額(その金額に1万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
④ 配偶者控除とあわせ、改正後の配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額は、その居住者の合計所得金額及び配偶者の合計所得金額に応じて、前頁の図表1のようになる。

 上記2の改正は、平成30年分以後の所得税について適用され、平成29年分以前の所得税については従前どおりとされている。

3 障害者控除の改正(所法79関係)  上記1の改正に伴い、従来の控除対象配偶者に代わり、居住者の同一生計配偶者(居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもののうち、合計所得金額が38万円以下である者)が障害者である場合には、その居住者は障害者控除の適用を受けることができることとされた。

4 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴う源泉徴収等に関する改正(所法186関係等)
(1)
配偶者控除に係る所得制限の導入及び配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額の引上げに伴い、給与等に係る源泉徴収の際には、従来の控除対象配偶者に代えて、給与所得者の扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者(合計所得金額が900万円以下である居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもののうち、合計所得金額が85万円以下である者)に該当する者を扶養親族等の数に1人加えて税額の計算をすること等とされた。
(2)年末調整の際に配偶者控除の適用を受けようとする場合には、給与所得者の配偶者控除等申告書を給与等の支払をする者に提出しなければならないこととされた。
(3)従たる給与についての扶養控除等申告書は、2以上の給与等の支払者から給与等の支払を受ける給与所得者が、源泉控除対象配偶者について控除を受ける配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除その他の人的控除の額の合計額を主たる給与等の支払者から受ける給与等からでは控除しきれない場合に提出できることとされた。
(4)公的年金等の受給者の扶養親族等申告書には、従来の控除対象配偶者に代えて源泉控除対象配偶者に該当する者の有無等を記載することとされた。

5 医療費控除(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例を含む。)の添付書類の改正(所法120関係)
(1)医療費控除の添付書類の改正
 医療費控除の適用を受ける確定申告書を提出する場合には、次に掲げる書類を確定申告書に添付しなければならないこととされた。イに掲げる書類は、納税者自らが作成する医療費の明細書などが該当するものと考えられるが、一定の事項の記載があるものであれば、自らが作成する明細書に限定されていない。ロに掲げる書類は各医療保険者から交付を受けた医療費通知書が該当するものと考えられる。実際の確定申告の際には、ロに掲げる書類の交付を受けた者は、「ロに掲げる書類」と「ロに掲げる書類に係る医療費以外の医療費について自らが作成したイに掲げる書類」を併せて添付することとなるものと考えられる。
イ 確定申告書に記載した医療費控除の適用を受ける金額の計算の基礎となる医療費について一定の事項(以下「控除適用医療費の額等」という。)の記載がある明細書(ロに掲げる書類が確定申告書に添付された場合にお
けるその書類に記載された控除適用医療費の額等に係るものを除く。)
(注)上記の「一定の事項」は、次の事項とされている。
 1 その年中において支払った医療費の額
 2 医療費に係る診療、治療等を受けた者の氏名
 3 医療費に係る診療、治療等を行った病院、診療所その他の者の名称又は氏名
 4 その他参考となるべき事項
ロ 各医療保険者の医療費の額を通知する一定の書類で、控除適用医療費の額等の記載があるもの
(注)上記の「一定の書類」は、次の書類とされている。
 1 健康保険法施行規則第112条の2の保険者の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 2 国民健康保険法施行規則第32条の7の2の保険者の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 3 高齢者の医療の確保に関する法律施行規則第82条の2の後期高齢者医療広域連合の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 4 船員保険法施行規則第155条の2の協会の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 5 国家公務員共済組合法施行規則第113条の3の2の組合の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 6 地方公務員等共済組合法施行規程第119条の5の組合の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 7 私立学校教職員共済法施行規則第16条の4の事業団の同条各号に掲げる事項が記載された書類
 また、税務署長は、上記の確定申告書の提出があった場合において、必要があると認めるときは、その申告書を提出した者(以下「医療費控除適用者」という。)に対し、その確定申告書に係る確定申告期限の翌日から起算して5年を経過する日までの間、上記イに掲げる書類に記載された医療費につきこれを領収した者のその領収を証する書類の提示又は提出を求めること(以下「税務署長の求め」という。)ができることとされ、税務署長の求めがあったときは、医療費控除適用者は、その領収を証する書類を提示し、又は提出しなければならないこととされている。よって、医療費控除適用者はその添付した書類が上記イに掲げる書類である場合には、上記イに掲げる書類に係る医療費の領収を証する書類を5年間は保存しておく必要があります。一方で、上記ロに掲げる書類に係る医療費については各医療保険者により被保険者の医療費の支払が明らかにされますので、上記ロに掲げる書類を提出した場合における上記ロに掲げる書類に係る医療費の領収を証する書類は、税務署長の求めの対象外とされている。
(注)上記の「確定申告期限」は、確定申告書が国税通則法第61条第1項第2号に規定する還付請求申告書である場合にはその申告書の提出があった日とされ、上記の「5年を経過する日」は、その5年を経過する日前6月以内に更正の請求があった場合にはその更正の請求があった日から6月を経過する日とされる。
 電子情報処理組織を使用して確定申告(いわゆるe-Taxによる確定申告)を行う場合には、添付書類に記載されている事項又は記載すべき事項を入力して送信することにより添付書類の提出に代えることができることとされている。今回の改正により、添付書類が上記ロに掲げる書類である場合には、その書類に記載されている事項又は記載すべき事項が記録された電磁的記録であって、各医療保険者から提供を受けた医療費通知情報(各医療保険者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書が付されたものに限る。)の送信(以下「医療費通知情報の送信」という。)をした場合に限り、上記ロに掲げる書類の提出に代えることができることとされた。この医療費通知情報の送信をした場合には、上記ロに掲げる書類の提出に代えることができるので、その送信した情報に係る医療費の領収を証する書類については、税務署長の求めの対象外となる。
(注)医療費通知情報の送信に該当しない医療費通知に係る情報の送信や医療費の明細書に記載すべき事項の送信は、上記イに掲げる書類に記載すべき事項を送信したことになるので、上記イに掲げる書類の確定申告書への添付に代えることはできるが、その送信した情報に係る医療費の領収を証する書類については、税務署長の求めの対象となる。
(2)医療費控除の特例の添付書類の改正  医療費控除の特例の適用を受ける確定申告書を提出する場合には、確定申告書に記載した医療費控除の特例の適用を受ける金額の計算の基礎となる特定一般用医薬品等購入費について一定の事項の記載がある明細書を確定申告書に添付しなければならないこととされた。この明細書は、納税者自らが作成する特定一般用医薬品等購入費の明細書などが該当するものと考えられるが、一定の事項の記載があるものであれば、自らが作成する明細書に限定されていない。
(注)上記の「一定の事項」は、次の事項とされている。
 1 その年中において支払った特定一般用医薬品等購入費の額
 2 特定一般用医薬品等購入費に係る特定一般用医薬品等の販売を行った者の氏名又は名称
 3 特定一般用医薬品等購入費に係る特定一般用医薬品等の名称 
 4 その他参考となるべき事項
 また、税務署長は、上記の確定申告書の提出があった場合において、必要があると認めるときは、その申告書を提出した者(以下「医療費控除の特例適用者」という。)に対し、その確定申告書に係る確定申告期限の翌日から起算して5年を経過する日までの間、その明細書に記載された特定一般用医薬品等購入費につきこれを領収した者のその領収を証する書類の提示又は提出を求めること(以下「税務署長の求め」という。)ができることとされ、税務署長の求めがあったときは、医療費控除の特例適用者は、その領収を証する書類を提示し、又は提出しなければならないこととされている。
(注1)上記の「確定申告期限」及び「5年を経過する日」は、上記(1)の(注)と同じ。
(注2)上記(1)の医療費控除と異なり、医療費通知に相当する制度はない。
(注3)取組に係る書類についての改正は行われていない。よって、取組を行ったことを明らかにする書類は、確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出の際に提示しなければならない。
 上記の改正は、平成30年1月1日以後に平成29年分以後の所得税に係る確定申告書を提出する場合について適用し、同日前に確定申告書を提出した場合及び同日以後に平成28年分以前の所得税に係る確定申告書を提出する場合については従前どおりとされている。
 平成30年1月1日以後に平成29年から平成31年までの各年分の所得税に係る確定申告書を提出する場合には、医療費を領収した者のその領収を証する書類の確定申告書への添付若しくは確定申告書を提出する際の提示又は特定一般用医薬品等購入費を領収した者のその領収を証する書類の確定申告書への添付若しくは確定申告書を提出する際の提示をもって、それぞれ、確定申告書に添付すべき医療費の明細書又は特定一般用医薬品等購入費の明細書の添付に代えることができることとされている。つまり、平成29年から平成31年までの各年分の所得税に係る確定申告については、経過措置により、改正前と同様に、医療費の領収を証する書類又は特定一般用医薬品等購入費の領収を証する書類の添付又は提示による医療費控除又は医療費控除の特例の適用もできることとされている。

6 所得税の納税地の異動届出書等の提出先のワンストップ化(所法16関係等)  所得税の納税地の変更に関する届出書等の変更前後の双方の納税地の所轄税務署長に提出することとされていた届出書について、変更前の納税地の所轄税務署長等にのみ提出すれば良いこととされた。

7 退職所得控除額に係る勤続年数の計算の改正(所令69関係)  確定拠出年金法の老齢給付金として支給される一時金に係る退職所得控除額の計算の基礎となる組合員等であった期間に、確定拠出年金以外の制度から資産又は脱退一時金相当額等の移換があった場合におけるその移換を受けた資産又は脱退一時金相当額等の額の算定の基礎となった期間のうち、加入者の年齢が60歳に達した日の前日が属する月後の期間及び確定拠出年金の運用指図者期間と重複している期間を含めることとされた。

8 特定譲渡制限付株式等に関する改正(所令84関係)  収入金額とすべき経済的な利益の価額が譲渡についての制限が解除された日における価額とされる特定譲渡制限付株式及び承継譲渡制限付株式の範囲に、役務提供を受けた法人以外の法人が交付する一定の株式が追加された。

9 移転等の支出に充てるための交付金の総収入金額不算入制度の改正(所令93関係)  この制度の対象となるやむを得ない事由の範囲に、被災市街地復興土地区画整理事業が施行された場合の換地処分により譲渡した土地の上にある資産の除却が加えられた。

Ⅱ 金融・証券税制の改正

1 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置等の改正(措法9の8関係等)
(1)非課税累積投資契約に係る非課税措置の創設
 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置は、「NISA(ニーサ)」と呼ばれているもので、これまで株式等のリスク資産への投資に親しみがなかった方に継続的な資産形成を始めるインセンティブを付与するとともに、経済成長に必要な成長資金を確保する観点から導入された制度である。
 NISAは、平成28年6月末時点で1,000万口座以上が開設され、買付金額も8兆円以上に及んでいるなど、着実に普及している。一方で、家計の安定的な資産形成の実現に当たっては、価額の高い時にまとめて投資を行ってしまう高値掴みのリスクを軽減しながら安定的な収益を確保するという観点から少額からの積立・分散投資の手法が有効と考えられるところ、このような積立によるNISAの利用は総口座の1割に満たず、積立投資の手法が十分に活用されていないことが課題となっていた。そこで、家計の安定的な資産形成を支援する観点から、少額からの積立・分散投資を促進するための制度として、非課税累積投資契約に係る非課税措置(積立NISA)が新たに創設された。
 具体的には、非課税累積投資契約に係る非課税措置が次のとおり創設され、現行の非課税上場株式等管理契約に係る非課税措置と選択して適用できることとされた。

① 配当所得の非課税措置の内容
 金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している居住者等が、その非課税口座に累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後20年を経過する日までの間に支払を受けるべきその累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の配当等(その金融商品取引業者等が国内における支払の取扱者である配当等に限る。)については、所得税を課さないこととされた。
② 譲渡所得等の非課税措置の内容
 金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している居住者等が、その非課税口座に累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後20年を経過する日までの間にその累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権の非課税累積投資契約に基づく譲渡をした場合には、その譲渡による譲渡所得等については、所得税を課さないこととされた。また、その公募等株式投資信託の受益権の譲渡による損失金額は、ないものとみなすこととされた。
③ 非課税累積投資契約
 非課税累積投資契約とは、上記①及び②の非課税措置の適用を受けるために、居住者等が金融商品取引業者等と締結した累積投資契約により取得した公募等株式投資信託の受益権の振替口座簿への記載等に係る契約で、その契約書において、次に掲げる事項が定められているものをいう。
 イ 公募等株式投資信託の受益権の振替口座簿への記載等は、累積投資勘定において行うこと。
 ロ その累積投資勘定においては、その居住者等の一定の要件を満たす公募等株式投資信託の受益権のうち、累積投資勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの期間内にその金融商品取引業者等への買付けの委託等により取得をした受益権(その期間内の取得対価の額の合計額が40万円を超えないものに限る。)及び一定の公募等株式投資信託の受益権のみを受け入れること。
 ハ その金融商品取引業者等は、初めて累積投資勘定を設けた日から10年を経過した日及び同日の翌日以後5年を経過した日ごとの日におけるその居住者等の氏名及び住所を確認することとされていること。
 ニ その他一定の事項
(2)非課税期間終了時の移管に係る払出し時の金額の上限額の撤廃  非課税口座に設けられた非課税管理勘定に、他年分非課税管理勘定から、その他年分非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から5年を経過した日に移管がされる上場株式等については、その移管に係る払出し時の金額の上限額が撤廃された。
 上記1の改正は、平成29年10月1日から施行される。

2 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例の改正(措令4の2関係等)
(1)
上場株式等に係る配当所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額を申告する際の確定申告書等に添付すべき特定口座年間取引報告書の範囲に、当該特定口座年間取引報告書に記載すべき事項を記録した電子証明書等の情報の内容を、国税庁長官の定める方法によって出力することにより作成した書面が追加された。
(2)特定保管勘定又は特定信用取引等勘定の設定又は廃止をする場合に提出をする特定口座異動届出書について、当該届出書を提出する者の個人番号の記載を要しないこととされた。

3 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の改正(措法37の13関係)  特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等、特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等及び特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例について、適用対象となる沖縄振興特別措置法の指定会社に係る同法の規定に基づく指定期限が平成31年3月31日まで2年延長された。

4 勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税の改正(措法2の12関係等)  財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申告書を提出した個人が、災害等の事由により、当該災害等の事由が生じた日から同日以後1年を経過する日までの間に、財産形成住宅(年金)貯蓄の要件外払出しを行う場合には、その貯蓄に係る利子等に対する遡及課税等を行わないこととされた。

5 組織再編税制の見直しに伴う所得税関係法令の改正(所法24関係等)  株式分配を組織再編成の一類型として位置づけるための措置その他の適正化措置として、次の措置が講じられた。
(1)株式分配を配当所得の対象となる剰余金の配当又は利益の配当から除外した上、法人の株主等が適格株式分配に該当しない株式分配により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭その他の資産の価額の合計額がその法人の資本金等の額のうちその交付の基因となったその法人の株式等に対応する部分の金額を超える場合におけるその超える部分の金額は、配当等とみなすこととされた。
(2)配当等とみなす金額について、みなし配当等が生ずる基因となる自己株式の取得事由から、全部取得条項付種類株式を発行する旨の定めを設ける定款等の変更に反対する株主等の買取請求に基づく買取り(全部取得条項付種類株式の取得決議に係る取得対価としてその株主等に交付するその買取りをする法人の株式が一に満たない端数となる場合に行われるものに限る。)が除外された。
(3)法人の株主等がその法人の行った株式分配(その法人の株主等に対して、完全子法人の株式又は出資のみが、現物分配法人の各株主等の有するその現物分配法人の発行済株式等の数又は金額の割合に応じて交付されたものを除く。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額については、配当等とみなされる部分の金額を除き、一般株式等に係る譲渡所得等又は上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして課税することとされた。
(4)法人の行った株式分配(その法人の株主等に対して、完全子法人の株式又は出資のみが、現物分配法人の各株主等の有するその現物分配法人の発行済株式等の数又は金額の割合に応じて交付されたものに限る。)により取得したその完全子法人の株式又は出資の取得価額の計算方法が定められた。
(5)交付金銭等の受領者の告知制度及び交付金銭等の支払調書について、適用対象となる交付金銭等の範囲に、法人の株主等がその法人の行った株式分配(その法人の株主等に対して、完全子法人の株式又は出資のみが、現物分配法人の各株主等の有するその現物分配法人の発行済株式等の数又は金額の割合に応じて交付されたものを除く。)により交付を受ける金銭その他の資産が追加された。
(6)国外転出をする場合の譲渡所得等の特例について、この特例の適用を受けた株式を発行した法人が行った上記(4)の株式分配により、国外転出の時後に完全子法人の株式を取得した場合には、その完全子法人の株式の国外転出時評価額は、一定の調整計算をした金額とすることとされた。
(7)特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等について、返還又は移転があった場合にその時における価額に相当する金額による譲渡があったものとみなされる分割等株式の範囲に、特定新株予約権等の権利行使により取得をした株式につき取得することとなる上記(4)の株式分配に係る完全子法人株式が追加された。
(8)特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例について、特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に、法人が行った株式分配(その法人の株主等に対して、完全子法人の株式又は出資のみが、現物分配法人の各株主等の有するその現物分配法人の発行済株式等の数又は金額の割合に応じて交付されたものに限る。)により取得する完全子法人の株式が追加された。

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