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解説記事2017年10月09日 【第2特集】 Q&Aで読み解く新認定医療法人の運営要件(2017年10月9日号・№710)

第2特集
理事等への“特別の利益”の詳細が明らかに
Q&Aで読み解く新認定医療法人の運営要件

 医療法施行規則の一部を改正する省令が平成29年9月27日に公布され、10月1日から施行された。今回の省令は、医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)が施行されることに伴うもの。認定を受けようとする持分なし医療法人の運営に関する要件などが定められている。認定要件には、非課税基準である役員数、役員の親族要件等は除外され、医療法人の関係者に特別の利益を与えないことや役員報酬等について不当に高額にならないような支給基準を定めていることなどが規定されている。本特集では9月12日まで意見募集を行っていた省令案に寄せられたコメントや厚生労働省が公表した「持分の定めのない医療法人への移行に関する認定制度について」などを踏まえ、その概要をQ&A形式で解説する。

移行計画の認定要件とは?
Q
 認定を受けようとする持分なし医療法人の運営要件について教えてください。
A
 平成29年度税制改正では、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限が3年延長されるとともに、改正医療法で規定される新たな認定要件を満たした認定医療法人(平成29年10月1日から平成32年9月30日までの間に認定を受けたものに限る)の持分を有する個人がその持分の全部又は一部を放棄したことによる経済的利益に対する医療法人への贈与税課税(相法66④)を非課税とする改正が行われている(措法70の7の10)。
 新たに追加される移行計画の認定要件(運営に関する要件)については、今回の医療法施行規則の一部を改正する省令で示されることとなった。具体的には、①医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること、②理事及び監事に対する報酬等について、不当に高額なものとならないような支給基準を定めていること、③株式会社等に対し寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないこと、④遊休財産額は、直近に終了した会計年度の損益計算書に計上する事業に係る費用の額を超えてはならない、⑤法令違反や帳簿書類に取引の全部若しくは一部を隠蔽等するなどの事実がないこと、⑥社会保険診療等に係る収入が全体の80%超、⑦自費患者に対し請求する金額が社会保険診療報酬と同一の基準で計算されること、⑧医療診療収入金額が患者のために直接必要な経費の1.5倍以内であること――とされている(規則57条の2)。
 なお、従来の取扱いと比べ、医療法人の理事の定数を6人以上かつ監事の定数を2人以上とすることや、他の同一の団体の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にある理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること等については要件から除外されている。

「特別の利益」を与えているものとは?
Q
 上記の運営に関する要件では、「医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること」とありますが、具体的な内容について教えてください。
A
 例えば、医療法人が当該医療法人の関係者(理事、監事、使用人、出資者、社員のほか、これらの者の配偶者及び三親等以内の親族など)に対して、医療法人の財産を無償又は著しく低い価額の対価で譲渡するなど、下表に示したいずれかの行為をすると認められ、その行為が社会通念上不相当と認められる場合には、特別の利益を与えているものと判断される。

【表】“特別の利益を与えているもの”の例示
① 医療法人の所有する財産をこれらの者に居住、担保その他の私事に利用させること。
② 医療法人の余裕金をこれらの者の行う事業に運営していること。
③ 医療法人の他の従業員に比し有利な条件で、これらの者に金銭の貸付をすること。
④ 医療法人の所有する財産をこれらの者に無償又は著しく低い価額の対価で譲渡すること。
⑤ これらの者から金銭その他の財産を過大な利息又は賃貸料で借り受けること。
⑥ これらの者からその所有する財産を過大な対価で譲り受けること、又はこれらの者から当該医療法人の事業目的の用に供するとは認められない財産を取得すること。
⑦ これらの者に対して、当該医療法人の役員等の地位にあることのみに基づき給与等を支払い、又は当該医療法人の他の従業員に比し過大な給与等を支払うこと。
⑧ これらの者の債務に関して、保証、弁済、免除又は引き受け(医療法人の設立のための財産の提供に伴う債務の引受けを除く)をすること。
⑨ 契約金額が少額なものを除き、入札等公正な方法によらないで、これらの者が行う物品の販売、工事請負、役務提供、物品の賃貸その他の事業に係る契約の相手方となること。
⑩ 事業の遂行により供与する利益を主として、又は不公正な方法で、これらの者に与えること。

民間事業者の役員報酬等の比較方法は?
Q
 運営に関する要件では、理事及び監事に対する報酬等について、民間事業者の役員報酬等及び従業員給与などを考慮して、不当に高額なものとならないような支給基準を定めていることとされていますが(規則57条の2第1項1号ロ)、民間事業者の役員報酬とどのように比較すればよいのでしょうか。
A
 民間事業者の役員報酬との比較については、厚生労働省が制度の運用に向けた具体的な基準の検討を行っている。

理事が使用人としても給与等を受けている場合は?
Q
 理事等の報酬を低めに設定し、医師としての給与を多く支給しているようなケースはどうなりますか。
A
 理事等が当該医療法人の使用人として給与、賞与等を受ける場合には、理事等の報酬等と使用人として受ける給与、賞与等を合わせて不当に高額なものであるかどうかを判断することになる。
 なお、理事等に対する報酬等の支給基準については、理事等の勤務形態に応じた報酬等の区分及びその額の算定方法並びに支給の方法及び形態に関する事項を定めるものとされている。

法令違反の範囲は?
Q
 運用に関する要件にある「法令違反」(規則57条の2第1項1号ホ)にはどのような場合が該当しますか。
A
 具体的には、①医療に関する法律に基づき医療法人又はその理事長が罰金刑以上の刑事処罰を受けた場合、②医療法人の開設する医療機関に対する医療監視の結果、重大な不適合事項があり、都道府県知事から改善勧告が行われたが是正されない場合、③都道府県知事の勧告に反する病院の開設、増床又は病床種別の変更が行われた場合などが該当する。

介護系サービスの収入金額は?
Q
 運営に関する要件では、社会保険診療等に係る収入が全体の80%以上との要件がありますが、介護系サービスはこれに含まれますか。
A
 介護系サービス(介護福祉施設、訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与等)に係る収入金額については、医療法施行規則57条の2第1項2号イに規定される「介護保険法の規定による保険給付に係る収入金額」に該当する。したがって、社会保険診療等に係る収入金額の合計に含まれることになる。

特定入所者介護サービス費における食費は?
Q
 特定入所者介護サービス費における食費及び居住費については、社会保険診療収入等の80%基準の収入に含まれますか。
A
 特定入所者介護サービス費は、介護保険法40条により保険給付に含まれるため、特定入所者介護サービス費に含まれる食費及び居住費は、社会保険診療等に係る収入金額の合計に含まれることになる。

健康増進事業に係る収入金額とは?
Q
 健康増進事業に係る収入金額も社会保険診療等に該当するとのことですが、具体的にはどのようなものですか。
A
 具体的には、①健康保険法により保険者が行う健康診査、②船員保険法により全国健康保険協会が行う健康診査、③国民健康保険法により保険者が行う健康診査、④国家公務員共済組合法により国家公務員共済組合等が行う健康診査、⑤地方公務員等共済組合法により地方公務員共済組合等が行う健康診査、⑥私立学校教職員共済法により日本私立学校振興・共済事業団が行う健康診査、⑦学校保健安全法により学校において実施される健康診査等、⑧母子保健法により市町村が行う健康診査、⑨労働安全衛生法により事業者が行う健康診断等、⑩高齢者の医療の確保に関する法律により保険者が行う特定健康診査等となる。

【参考】移行計画に関連する税制措置
1 出資者等に係る相続税等の猶予等(租税特別措置法70条の7の5~70条の7の9関係) (1)認定医療法人の持分を有する出資者等が、持分の全部又は一部を放棄したことにより他の出資者に贈与税が課される場合や、持分を有していた出資者から相続又は遺贈によりその持分を取得した相続人に相続税が課される場合などにおいて、当該出資者等について、納税額相当の担保提供など一定の条件の下に認定移行計画に記載された移行期限までその納税が猶予され、移行期限までにその持分の全てを放棄した場合には納税が免除されるものである。
(2)納税猶予の適用を受ける出資者等による譲渡その他の持分の処分があった場合、認定医療法人が移行期限までに持分の定めのない医療法人に移行できなかった場合、認定が取り消された場合又は当該認定医療法人が解散若しくは合併により消滅した場合は、納税猶予の期限が確定することから、相続税又は贈与税を納付することになる。
  また、これらの事象が生じた場合には、厚生労働大臣は遅滞なくその旨等を、納税猶予を受けた出資者等の納税地の税務署長に通知しなければならないため、認定医療法人はその旨を速やかに厚生労働省医政局医療経営支援課へ連絡しなくてはならない。
(3)基金拠出型医療法人へ移行した場合、納税猶予の適用を受ける出資者等は、猶予税額のうち基金に拠出した額に対応する猶予税額と利子税を合わせて納付しなければならず、放棄した額に対応する猶予税額については免除されることとなる。
2 認定医療法人に係る贈与税の取扱い(租税特別措置法70条の7の10関係) (1)制度改正後(平成29年10月1日以降)の認定医療法人の持分を有する出資者等が持分の全部又は一部の放棄をしたことにより、当該認定医療法人が経済的利益を受けた場合であっても、相続税法66条4項の規定は適用されない。
(2)上記(1)の適用を受けた認定医療法人が、(1)に係る贈与税の申告書の提出期限から持分の定めのない医療法人への移行をした日から起算して6年を経過する日までの間に、その認定を取り消された場合には、当該医療法人を個人とみなして贈与税が課されることになる。

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