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解説記事2018年09月17日 【ニュース特集】 平成30事務年度における「特留事項」の特徴(2018年9月17日号・№755)

ニュース特集
当局の新たな調査方針等を確認
平成30事務年度における「特留事項」の特徴

 国税庁が定めた平成30事務年度における税理士関係、調査課、課税部事務運営上の特留事項(特に留意すべき事項)が判明した。前事務年度からの変更点をみると、税理士関係特留では、税理士等に対する実態確認において犯罪収益移転防止法で義務付けられている本人確認、取引記録の作成等の実施状況を確認することが明記されている。また、調査課特留では、移転価格調査着手後、密接な調査法人との意思疎通により効率的な調査展開を図ることを指示。課税部特留(資産課税関係)では、海外資産に係る非違について、隠蔽・仮装の立証に必要な証拠保全に向けた取り組みを進めるとしている。

実態確認で犯罪収益移転防止法の遵守状況をチェック
 平成30事務年度の税理士関係特留は、概ね前事務年度と同じ内容(本誌715号7頁参照)となっているが、税理士・税理士法人に対する実態確認の実施に当たり、犯罪収益移転防止法の遵守状況をチェックする旨が追加されている。
 税理士等の実態確認は、税理士法違反行為は明らかでないものの各種の情報がある場合など、税理士等の業務の執行状況を個別に接触して確認する必要があると認められる場合に実施されるもの。
 税理士関係特留では、税理士・税理士法人に対する実態確認の実施に当たり、犯罪収益移転防止法の遵守状況について必ず特定受任行為の代理等の該当有無を確認し、該当がある場合には取引時確認(本人確認・取引記録の作成等)の実施状況を確認するほか、犯罪収益移転防止法の理解が不十分な税理士等に対しては、義務の概要を説明し、適切に義務が履行されるよう努めるとしている。

税理士登録希望の退職予定職員に税理士法遵守の注意喚起
 また、国税庁は、税理士関係特留で退職予定職員(特に税理士登録希望者)に対する税理士法遵守についての注意喚起等を徹底する方針を示している。
 同庁は、税務職員を退職して税理士となった者が税理士法に違反した場合、税理士制度に対する信頼のみならず、税務行政に対する信頼が損なわれることにもなりかねないと指摘。局・署の幹部に対して、税務職員を退職して税理士となった者による税理士法違反行為を未然に防止するため、退職予定職員に税理士法上の義務等を遵守するよう注意喚起を行うことを指示している。

TP調査の効率展開で密接に企業側とコミュニケーション
 平成30事務年度の調査課特留では、効果的・効率的な移転価格調査を実施するため、調査着手後、密接に調査法人とコミュニケーションを図る旨が記載されている。
 具体的には、BEPS事案など調査必要度の高い事案を重点的に調査対象とすることに加え、①移転価格上の問題の有無を速やかに判断するための準備調査の実施、②調査着手後の密接な調査法人との意思疎通による効率的な調査展開が指示されている。
調査間隔延長は双方にメリット  調査課特留では、税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組として、調査間隔延長等の対象法人の増加に努めることも指示している。
 国税庁は、調査間隔延長等が納税者における税務調査対応の負担軽減、国税当局の調査事務量の効率的配分の双方に資するものと評価。税務コンプライアンスの維持・向上に向けた取組の推進をトップマネジメントに促す方針だ。
グループ一体的な勧奨を実施  なお、平成30年度税制改正で創設された大法人の電子申告義務化への対応では、グループ法人等の基幹法人等に対して、当該グループ法人等の関連法人等への勧奨等を依頼するなど、グループ一体的な勧奨等を実施するとしている。

○調査課特留:国際課税の充実・移転価格税制の適切な執行
効果的・効率的な移転価格調査の実施
 調査選定に当たっては、多角的な観点から検討し、BEPS事案など、移転価格リスクを有することが想定される調査必要度が高い事案について、重点的に調査対象とする。
 移転価格調査に当たっては、調査の各段階において、幹部による進捗管理を徹底するなど、効果的・効率的な調査の実施に努める。
 特に、移転価格上の問題の有無の判断を速やかに行うため、準備調査の段階から情報の収集・分析に努め、調査着手後には密接に調査法人と意思疎通を図り、効率的な調査展開を図る。
 (下線:編集部)

海外資産に係る非違、隠蔽・仮装の立証に必要な証拠保全を推進
 平成30事務年度の課税部特留(資産課税関係)では、重加算税賦課を視野に入れた海外資産関連事案調査に取り組む方針が示されている。
 具体的には、海外資産関連事案について、国外送金等調書・国外財産調書・CRSに基づく自動的情報交換資料等を活用した的確な事案の把握に加え、海外資産に係る非違についても隠蔽または仮装の立証に必要な証拠の保全に向けた取組を進めていくとしている(下掲参照)。

〇課税部特留(資産課税関係):調査事務の充実・国際化への取組
海外資産関連事案の的確な把握・調査
 国外送金等調書及び国外財産調書のほか、CRSに基づく自動的情報交換資料等も活用し、海外資産関連事案を的確に把握する。
 また、把握した海外資産関連事案については、調査事務量を優先的に確保した事務計画を策定の上、調査手法の開発や調査事例の集積の観点も含め、租税条約等に基づく情報交換制度なども活用しつつ、引き続き、積極的に調査を実施する。
 なお、海外資産に係る非違についても、隠蔽又は仮装の立証に必要な証拠の保全に向けた取組を進めていく。
 (下線:編集部)

 なお、国税庁が公表している相続税の調査状況をみると、相続税調査の重加算税賦課割合が約13%、海外資産に係る重加算税賦課割合は7%前後となっている(参照)。


消費税等担当統実官の役割は  そのほか、課税部特留では、重点課題に掲げる無申告事案への取組において、仮想通貨取引やシェアリングエコノミー(民泊など)のような新たな取引形態により利益を得ているにもかかわらず適正に申告していないなど、課税上の問題が伏在する個人・法人に対する適切な調査等の実施を指示。
 また、新たに東京局、大阪局に設置した統括国税実査官(消費税等担当)の役割については、事務系統横断的な観点からの情報分析、他局を含めた消費税の観点からの調査企画を実施するとしている(下掲参照)。

〇課税部特留(共通関係・重点課題等):調査事務の充実・局資料調査課等の運営
局統括国税実査官(消費税等担当)における取組
 局統括国税実査官(消費税等担当)は、消費税を着眼点とした調査企画の要否を判断するための深度ある情報収集・分析や消費税の課税上の問題がある事案の抽出を目的とした事務系統横断的な観点からの情報分析を行い、他局の事案も含めて、消費税の観点から調査事案の企画に取り組むよう努める。
 なお、調査企画や情報分析に当たっては、投下可能な事務量を考慮の上、事務系統横断的な観点からの調査企画や情報分析を優先するものとし、関係行政機関を含む関係部署との緊密な連携を図り、効果的・効率的に実施する。
 おって、局統括国税実査官(消費税等担当)は、調査手法や情報分析手法の開発を行い共有を図るなど、局内の関係部署や他局に対する必要な支援に努める。

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