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解説記事2019年08月12日 【SCOPE】 軽減税率QA改訂で一体資産の取扱いの疑問を解消(2019年8月12日号・№799)

一括譲渡なら対価を合理的に区分
軽減税率QA改訂で一体資産の取扱いの疑問を解消

 国税庁は8月1日、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」を一部改訂し、公表した(今号27頁、本誌798号9頁参照)。一体資産の適用税率に関する取扱いによると、例えば、ファストフードでハンバーガーとドリンクのセットにおもちゃが付いてくるケースでは、一括譲渡に該当することになるが、おもちゃを非売品(0円)とすることにより、全体を軽減税率の対象とすることができるとしている。

非売品のおもちゃ付きのハンバーガーセットは軽減税率適用可
 今回の国税庁のQ&Aは、事業者から寄せられた質問等を踏まえたもので、軽減税率に関するものについては19問追加し、4問改訂している。注目される項目は、一体資産の適用税率の判定だ。ここ最近では、一体資産に関する質問が事業者から多く寄せられており、これに対応する形でQ&Aが示されている。
 例えば、ファストフードでハンバーガーとドリンクのセットにおもちゃが付いてくるようなケースだ(問88参照)。このようなケースは「一体資産」に該当しないため、一括譲渡に該当することになる。したがって、税率の異なるごとに資産の譲渡等の対価の額を合理的に区分することになる。考え方として、仮にハンバーガーとドリンクが450円、おもちゃが50円であれば、450円分は軽減税率、50円分は標準税率となる。
レシートに「0円」と記載  しかし、セット価格が500円、単品での合計が550円(ハンバーガー300円、ドリンク250円)ということであればおもちゃの価額を「0円」とすることも可能。また、実態としておもちゃの有無に関係なくセット価格が変わらなければおもちゃの価格を「0円」とすることも合理的に区分が行われたとして、全体の500円について軽減税率が適用されることになる。なお、この場合、レシートに「0円」と記載することが必要になる。


販促品付きペットボトル飲料は一体資産  一方、販売促進の一環として非売品のおもちゃを付けたペットボトル飲料を販売するケース(問89参照)については、「食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの」であり、一の資産に係る価格のみが提示されているものであるため、「一体資産」に該当する。仮におもちゃが非売品であれば、一体資産の価額のうち食品に係る部分の価額の占める割合は3分の2以上となり、一体資産の譲渡の対価の額(税抜価格)が1万円以下である場合、その販売は「飲食料品の譲渡」に該当し、全体が軽減税率の対象になる。
レジで配布の販促品、告知すれば一体資産  また、販売促進の一環として特定の飲食料品を購入した際にステッカーなどの販促品を配布するケースについても一体資産に該当する。「あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの」とは、物理的に一体である必要はなく、陳列棚に販促品を配布する旨を表示した上で、レジでその販促品を引き渡すものも含まれるからだ。
 ただし、問90の質問のように、複数の食品や販促品の中から、顧客や事業者が任意にに選択するものである場合には、「あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの」ではないため、一体資産に該当せず、一括譲渡に該当することになる。この場合、税率の異なるごとに資産の譲渡等の対価の額を合理的に区分することになるが、前述したハンバーガーセットと同様、販促品のステッカーが非売品などであれば、ステッカーの売価を「0円」として合理的に区分されたものとし、全体が軽減税率の対象になる。

>一体資産
 食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているもの。一体資産のうち、税抜価格が1万円以下であり、食品の価格の占める割合が3分の2以上の場合に限り、全体が軽減税率の対象になる。
>一括譲渡
 課税関係の異なる2以上の資産を同一の者に同時に譲渡すること。この場合、税率の異なるごとに資産の譲渡等の対価の額を合理的に区分する。

飲食料品に必要かどうか  そのほか、「飲食料品の譲渡」の範囲等で示された「炭酸ガスの販売」(問22)、「キャラクターを印刷したお菓子の缶箱等」(問26)、「割り箸を付帯した弁当、ストローを付帯した飲料等」(問28)も一体資産の取扱いを示したものといえよう。これらの問についてはすべて軽減税率が適用されることになる。
 例えば、生ビールのサーバーを設置した場合に炭酸ガス(食品添加物)が必要になるという意味では、炭酸ガスが充てんされたボンベは炭酸ガスの販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものと考えられるとしている。したがって、ボンベについて別途対価を徴している場合を除き、ボンベも含め「飲食料品の譲渡」に該当することになる。
 また、キャラクターが印刷された缶箱等も、消費者が再利用することはあるが、基本的には飲食料品の販売に際し付帯して通常必要なものとして使用されるものに該当することになり、全体が軽減税率となる。弁当に付いた割り箸や飲料のストローについても、通常、飲食をする際にのみ用いられるものであるため、その全体が軽減税率となる。

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