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会社法ニュース2006年04月24日 最高裁、蛇の目ミシン工業の代表訴訟で取締役らの責任を認定(2006年4月24日号・№160) 損害賠償額の算定等のため、審理を高裁に差戻し

最高裁、蛇の目ミシン工業の代表訴訟で取締役らの責任を認定
損害賠償額の算定等のため、審理を高裁に差戻し


 最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は4月10日、蛇の目ミシン工業が、同社株式を買い占めた光進の元代表の恐喝に応じ、また、債務の肩代わりにより巨額の損害を被ったとして、株主が平成5年8月9日に提起した株主代表訴訟で、株主側の請求を斥けた原審・東京高裁平成15年3月27日判決を破棄し、当時の取締役5人の責任を認定した上で、損害額・利益供与額等の審理のため、高裁に差し戻す判決を言い渡した。

事件の概要
 光進および個人の名義で大量の株式を保有するに至った元代表は平成元年、株式が暴力団関係者へ売却済みである旨を信じさせて買戻しのために300億円を用立てるよう取締役らを脅迫、同年8月、光進に対して300億円が迂回融資された。その後も光進のファイナンス会社に対する966億円の債務の肩代わりを迫り、平成2年には関連2社に同債務を肩代わりさせている。
 株主は、これらの恐喝被害・債務肩代わり等により計939億円の損害を受けたと主張、取締役の忠実義務・善管注意義務違反、利益供与禁止規定違反の責任を追及した。

原審の判断
 原審は、「いかに脅迫されているとはいえ、……取締役も、本来的には責任を免れない」としながら、「こうかつで暴力的な脅迫行為を前提とした場合、当時の一般的経営者として、……それは誠にやむを得ないことであった」とし、また、「(実際には300億円を喝取されたもので)「株主ノ権利ノ行使ニ関シ」財産上の利益を供与したことに該当しないことが明らか」などと責任を否定した。株主は平成15年4月7日に上告。

最高裁の判断
 中川裁判長は、原審の判断はいずれも是認できないとし、まず、善管注意義務等違反について、「証券取引所に上場され、自由に取引されている株式について、暴力団関係者等会社にとって好ましくないと判断される者がこれを取得して株主となることを阻止することはできないのであるから、会社経営者としては、そのような株主から、株主の地位を濫用した不当な要求がされた場合には、法令に従った適切な対応をすべき義務を有するものというべきである」と述べて、取締役らの過失を認定した。
 利益供与禁止規定違反についても、「(暴力団関係者の経営干渉を恐れ)これを回避する目的で、……約300億円というおよそ正当化できない巨額の金員を、う回融資の形式を取って元代表に供与したというのであるから、……上記利益の供与は、商法294条ノ2第1項にいう「株主ノ権利ノ行使ニ関シ」されたもの」と明確に指摘した。

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