税務ニュース2003年03月03日 業界団体の輸入条件から海外会社経由取引を認定 国側上告断念!アルゼ事件控訴審判決を検証する
業界団体の輸入条件から海外会社経由取引を認定
国側上告断念!アルゼ事件控訴審判決を検証する
東京高裁第15民事部(赤塚信雄裁判長)は、パチスロ機の大手メ-カ-アルゼ(株)が自社の取引で生じた利益(43億8,603万円)を海外関係会社が行っていたように仮装し、同取引によって得た所得等を申告しなかったとして、原処分庁(税務署長)が行った法人税・消費税及び地方消費税についての更正処分及び重加算税の賦課決定処分を取り消した第1審の判決を支持し、国側の控訴を棄却した(平成14年(行コ)第159号)。国側は最高裁への上告を断念し、判決は確定した。
控訴審では輸入条件が争点に
契約書上の商品(パチスロ機のメイン基板)の流れは、次の通りである(実際にはこの流れ通りにダミ-商品の輸出入が行われていた)。
取引対象である商品の実際の流れは、次の通りである。
課税当局は、アルゼが自社の取引で生じた利益を米国UDN社が行っていたように仮装し、同取引によって得た所得等を申告しなかったとして、法人税・消費税及び地方消費税についての更正処分及び重加算税の賦課決定処分を行った。
アルゼでは、「業界団体が外資系企業に厳しい態度をとっており、ECT社には本件取引当時、パチスロ機の製品又は部品を海外から輸入しなければならないという輸入条件が課されており、アルゼからではなく、米国UDN社からメイン基板を輸入しなければならなかった。」「アルゼは本件取引の付随的な事務に関与したことはあったが、本件取引の当事者になったことはない。」と主張した。
ダミ-商品の輸出入の目的は、輸入条件の充足であり、租税回避目的に非ず
控訴審では、ECT社に課された輸入条件の有無が争点となった。
判決では、ECT社に課された輸入条件の存在を認め、ECT社が米国UDN社との取引を行う意味があるとし、ダミ-製品の輸出入等があったとしても、その目的は輸入条件を満たすことにあると認定した。すなわち、米国UDN社との取引に実際の商品の輸出入が伴っていないとしても、取引の当事者がUDN社であることを否定されたり、その当事者がアルゼになるということにはならないと結論付けている。業界特有の事情を広く認定し、租税回避目的の行為だとする課税当局の主張を斥けたものである。
国側上告断念!アルゼ事件控訴審判決を検証する
東京高裁第15民事部(赤塚信雄裁判長)は、パチスロ機の大手メ-カ-アルゼ(株)が自社の取引で生じた利益(43億8,603万円)を海外関係会社が行っていたように仮装し、同取引によって得た所得等を申告しなかったとして、原処分庁(税務署長)が行った法人税・消費税及び地方消費税についての更正処分及び重加算税の賦課決定処分を取り消した第1審の判決を支持し、国側の控訴を棄却した(平成14年(行コ)第159号)。国側は最高裁への上告を断念し、判決は確定した。
控訴審では輸入条件が争点に
契約書上の商品(パチスロ機のメイン基板)の流れは、次の通りである(実際にはこの流れ通りにダミ-商品の輸出入が行われていた)。
取引対象である商品の実際の流れは、次の通りである。
課税当局は、アルゼが自社の取引で生じた利益を米国UDN社が行っていたように仮装し、同取引によって得た所得等を申告しなかったとして、法人税・消費税及び地方消費税についての更正処分及び重加算税の賦課決定処分を行った。
アルゼでは、「業界団体が外資系企業に厳しい態度をとっており、ECT社には本件取引当時、パチスロ機の製品又は部品を海外から輸入しなければならないという輸入条件が課されており、アルゼからではなく、米国UDN社からメイン基板を輸入しなければならなかった。」「アルゼは本件取引の付随的な事務に関与したことはあったが、本件取引の当事者になったことはない。」と主張した。
ダミ-商品の輸出入の目的は、輸入条件の充足であり、租税回避目的に非ず
控訴審では、ECT社に課された輸入条件の有無が争点となった。
判決では、ECT社に課された輸入条件の存在を認め、ECT社が米国UDN社との取引を行う意味があるとし、ダミ-製品の輸出入等があったとしても、その目的は輸入条件を満たすことにあると認定した。すなわち、米国UDN社との取引に実際の商品の輸出入が伴っていないとしても、取引の当事者がUDN社であることを否定されたり、その当事者がアルゼになるということにはならないと結論付けている。業界特有の事情を広く認定し、租税回避目的の行為だとする課税当局の主張を斥けたものである。
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