会社法ニュース2012年08月27日 多重代表訴訟は中小企業も対象に(2012年8月27日号・№464) 金融機関などの持株会社が該当も親族間で争いがあるケースは要注意
多重代表訴訟は中小企業も対象に
金融機関などの持株会社が該当も親族間で争いがあるケースは要注意
多重代表訴訟制度とは、親会社の株主がその子会社の取締役等の責任を追及する訴えを提起することができるというもの。法制審議会会社法制部会が8月1日に取りまとめた「会社法制の見直しに関する要綱案」では、企業集団における親会社株主の保護の観点から創設される運びとなった。
しかし、企業側の濫訴になるのではないかといった懸念から、同制度の対象範囲はかなり限定されるものとなっている。
具体的には、株式会社の最終完全親会社の総株主の議決権の1%以上の議決権または発行済株式の1%以上の株式を有する株主(最終完全親会社が公開会社である場合は6か月前から引き続き1%以上の株式を有していること)は、株式会社に対し、発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人の責任を追及する訴えの提起を請求することができることとされた。少数株主となったことで、機関投資家などの一部の株主に限定される。また、対象となる子会社も最終完全親会社が有する子会社株式の帳簿価額が最終完全親会社の総資産額の5分の1を超える場合とされている。
基本的には、金融機関などの持株会社などが該当することになりそうだ。本誌の調べでは、三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、東京海上ホールディングスなどの大手金融機関、三越伊勢丹ホールディングス、セブン&アイ・ホールディングスなどの大手流通、そのほか、富士フィルムホールディングス、キリンホールディングスなどが対象となりそうだ。各企業は多重代表訴訟の対象となる可能性のある子会社を早急に調べる必要がありそうだ。
ただし、多重代表訴訟制度は大企業に限った話ではない。前述の要件を満たせば、中小企業についても対象となる。議決権の1%以上を保有する株主は、大企業よりも中小企業の方が多いと想定される。特に親族間で争いがあるケースなどは要注意だ。
会社法制部会では、親族間の争いが多重代表訴訟という形で顕在化する可能性があることなども指摘されている。留意しておくべき点といえそうだ。
金融機関などの持株会社が該当も親族間で争いがあるケースは要注意
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しかし、企業側の濫訴になるのではないかといった懸念から、同制度の対象範囲はかなり限定されるものとなっている。
具体的には、株式会社の最終完全親会社の総株主の議決権の1%以上の議決権または発行済株式の1%以上の株式を有する株主(最終完全親会社が公開会社である場合は6か月前から引き続き1%以上の株式を有していること)は、株式会社に対し、発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人の責任を追及する訴えの提起を請求することができることとされた。少数株主となったことで、機関投資家などの一部の株主に限定される。また、対象となる子会社も最終完全親会社が有する子会社株式の帳簿価額が最終完全親会社の総資産額の5分の1を超える場合とされている。
基本的には、金融機関などの持株会社などが該当することになりそうだ。本誌の調べでは、三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、東京海上ホールディングスなどの大手金融機関、三越伊勢丹ホールディングス、セブン&アイ・ホールディングスなどの大手流通、そのほか、富士フィルムホールディングス、キリンホールディングスなどが対象となりそうだ。各企業は多重代表訴訟の対象となる可能性のある子会社を早急に調べる必要がありそうだ。
ただし、多重代表訴訟制度は大企業に限った話ではない。前述の要件を満たせば、中小企業についても対象となる。議決権の1%以上を保有する株主は、大企業よりも中小企業の方が多いと想定される。特に親族間で争いがあるケースなどは要注意だ。
会社法制部会では、親族間の争いが多重代表訴訟という形で顕在化する可能性があることなども指摘されている。留意しておくべき点といえそうだ。
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