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税務ニュース2003年09月15日 財務省、総額表示でレジシステムの変更の必要を認める(2003年9月1日号・№033) 消基通発遣されるが、区分領収には触れず

財務省、総額表示でレジシステムの変更の必要を認める
消基通発遣されるが、区分領収には触れず


財務省のHPでは、8月14日に、消費税における「総額表示方式」の概要(平成16年4月から「総額表示方式」がスタートします。)が掲載された。①「なぜ『総額表示』を義務付けるのでしょうか?」、②「『総額表示』Q&A」、が掲載され、「総額表示」Q&Aにおいては、レジシステムの変更対応の必要性・消費税法第22条第1項のあり方の検討など、財務省がこれまで明らかにしてきた公式見解よりも踏み込んだ説明が行われている。
 また、国税庁は、平成15年6月30日、「消費税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」を発遣した。この改正は、平成15年度税制改正の内容を受けたものである。平成15年度税制改正において、消費税法は、以下の主要5項目で改正が行われた。①事業者免税点制度の適用上限の引下げ(3千万円⇒1千万円)、②簡易課税制度の適用上限の引下げ(2億円⇒5千万円)、③中間申告納付制度の改正(直前課税期間の確定消費税額4,800万円を超える事業者の中間申告納付を毎月に)、④課税期間の特例制度の改正(新たに1月ごとの期間を課税期間とする特例を創設)、⑤総額表示義務規定の創設、である。
 消費税法基本通達の一部改正では、上記①から④の項目について、金額を差し替えるなどの改正が行われたが、⑤総額表示の義務付けに関連すると考えられる消基通15-2-2(決済上受領すべき金額の意義)及び15-2-3(区分して領収するの意義)については、改正項目とはされていない。財務省において、領収単位の端数処理の特例(消費税法施行規則第22条第1項)のあり方について検討中であることから、国税庁は執行機関として、様子見をせざるを得ない事情が窺える。

「総額表示方式」の概要は、本誌(6月16日号)記事から進展なし
 財務省のHP(消費税における「総額表示方式」の概要)では、レジシステムの変更対応の必要性・規則22条のあり方の検討という2点で、これまでの公式見解よりも踏み込んだ説明が行われている。これらの内容については、本誌(6月16日号、8・9ページ)に既報のとおりであり、当該記事を追認した内容ということができる。
 税抜金額の合計額に、消費税額等を計算して領収書等に記載する方法は、規則22条1項を適用する場合の「区分して領収する」の意義(消基通15-2-3)に合致するものとして、広く普及されてきた。しかし、この記載方法では、各商品ごとの税込価格の合計額との間で、(端数処理により)差金が生じかねないことが指摘されている。
 概要のQ&Aでは、総額表示価格157円(税抜価格150円)の商品を2個販売した場合を例に挙げて説明している。区分領収するレジでは、150円×2個×1.05=315円と計算されるが、総額表示価格を基礎として計算すると、157円×2個=314円となり、差金が生じることになる。
 これまでの、財務省の公式見解では、「『総額表示義務』は、レジシステムの変更を義務付けるものではありません。」というものであったが、今回のHP上の説明では、端数処理による差金の存在を認めた上で、「このような場合(税抜き価格が20円で割り切れない商品・サービスを扱っている場合)には、レジシステムを変更するなどの対応が必要になると考えます。」というように、総額(税込価格)を基礎としたレジシステムへの変更対応の必要性を示唆したものとなっている。
 一方、消費税の計算で円未満の端数処理を必要としない商品を取扱う場合には、差金は生じないので、区分領収のレジシステムを変更する必要はないということになる。
 財務省は、規則22条のあり方について検討を行っていることをQ&Aの(注)に明らかにしているが、事実上この取扱いが明らかにされないと、レジシステムの変更は進まないことになる。

同時に申告期限を迎える1月中間申告書の2月分は、1月分ごとに
 消費税法基本通達の改正は、旧通達の該当事項について、ほぼ機械的に差し替えた内容だ。①小規模事業者に係る納税義務の免除については、3,000万円を1,000万円に、②簡易課税制度については、2億円を5,000万円に、金額を差し替えた。③中間申告納付制度・④課税期間の特例制度については、新しく創設される毎月の中間申告について、区分を設けている。
 また、新規に15-1-4の2(申告期限が同一の日となる1月中間申告書の取扱い)が設けられた。本誌【011】(2003.3.17日号)にて報じたように、3月末決算法人で1月中間申告を行う法人については、課税期間開始直後の4月分についても、5月分についても、その中間申告書の提出期限は、当該課税期間開始の日から2月を経過した日(3月末決算では、5月31日)から2月以内(7月31日)ということになる。4・5月分の中間申告書の提出期限(7月31日)が同一の日となるが、4・5月の2月分として中間申告を行うのではなく、4月分、5月分の各中間申告書を提出しなければならないことを留意的に明らかにしている。

消費税の税率アップは?
 税の関係者には、比較的消費税率アップやむなしの気運が強いが、最終的な決定権を有する政治において、この議論は困難が予想される。「税の対話集会」においても、アンケートでは、拮抗するが、会場の雰囲気として、税率アップ反対論が優勢だ。
 政府・与党のみならず、野党指導者(菅民主党代表)も消費税の増税を選挙での争点化することを回避する方向のようだ。消費税は15年度改正で、納税義務者が激増するため、その実際の申告納付時には、中小企業者を中心にして反発も予想される。無事に税率アップまでたどり着けるのか、楽観的な予想はできない状況にある。

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