会計ニュース2016年12月05日 子会社株式減損、清算方針でも一時差異(2016年12月5日号・№669) 「分類1」で繰延税金資産の回収可能性がないケースも
子会社株式減損、清算方針でも一時差異
「分類1」で繰延税金資産の回収可能性がないケースも
企業会計基準委員会が検討している税効果会計に関する実務指針の論点の1つが個別財務諸表における子会社株式の減損に係る将来減算一時差異の取扱いだ。税務上、損金に算入されていない国内の100%子会社の株式の減損は、会計上の簿価と税務上の簿価との差額であるため、一時差異の定義に該当する可能性がある。当該減損に係る一時差異は、当該子会社株式を売却したときには損金算入されるが、当該子会社が清算したときには損金に算入されない(法法33⑤)。このため、当該子会社株式の減損は、会計上の簿価と税務上の簿価との差額が解消するときに、その期の課税所得を減額する効果を持つケース(売却等)と当該効果を持たない可能性があるケース(清算)が存在することになる。国内の100%子会社の清算や売却等が決定していない場合、後者の清算のケースについては、個別財務諸表において繰延税金資産を認識する必要があるかどうかが論点となる。
この点、企業会計基準委員会では、国内の完全支配関係にある子会社株式の評価損のように、個別貸借対照表に計上されている資産又は負債の金額と課税所得計算上の資産又は負債の金額との差額のうち、将来の一定の時期が到来しないと課税所得計算において税務上の益金又は損金に算入されるかどうかが判明しない項目については、それが判明するまでの間、一時差異として取り扱うこととしている。
これに関連し、例えば、国内の完全支配関係にある子会社株式の評価損について、企業が当該子会社株式を清算するまで保有し続ける方針がある場合、将来において税務上の損金に算入される蓋然性が低いときに当該子会社株式の評価損に係る繰延税金資産の回収可能性はないと判断することも考えられる。したがって、繰延税金資産の回収可能性の判断の例示区分の「分類1」に該当する企業においても、回収可能性がないものと判断する場合があることになるため、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針第18項について、「繰延税金資産の全額について、原則として、回収可能性があるものとする。」と「原則として」との文言を追加する方向となっている。
「分類1」で繰延税金資産の回収可能性がないケースも
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この点、企業会計基準委員会では、国内の完全支配関係にある子会社株式の評価損のように、個別貸借対照表に計上されている資産又は負債の金額と課税所得計算上の資産又は負債の金額との差額のうち、将来の一定の時期が到来しないと課税所得計算において税務上の益金又は損金に算入されるかどうかが判明しない項目については、それが判明するまでの間、一時差異として取り扱うこととしている。
これに関連し、例えば、国内の完全支配関係にある子会社株式の評価損について、企業が当該子会社株式を清算するまで保有し続ける方針がある場合、将来において税務上の損金に算入される蓋然性が低いときに当該子会社株式の評価損に係る繰延税金資産の回収可能性はないと判断することも考えられる。したがって、繰延税金資産の回収可能性の判断の例示区分の「分類1」に該当する企業においても、回収可能性がないものと判断する場合があることになるため、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針第18項について、「繰延税金資産の全額について、原則として、回収可能性があるものとする。」と「原則として」との文言を追加する方向となっている。
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