税務ニュース2003年10月20日 厚生労働省、出資額限度法人への円滑な移行を要望(2003年10月20日号・№039) 経済産業省、「業績連動型役員報酬の損金算入」要望はどこに?
厚生労働省、出資額限度法人への円滑な移行を要望
経済産業省、「業績連動型役員報酬の損金算入」要望はどこに?
平成16年度厚生労働省税制改正要望項目に、「出資額限度法人制度への円滑な移行を促進するための税制上の所要の措置」が新規要望項目として、盛り込まれた。
一方、昨年度の経済産業省の税制改正要望項目にあった「業績連動型役員報酬の損金算入」が、平成16年度の要望項目には見られない。明暗を分けた2つの税制改正要望項目を見てみよう。
出資持分の評価と円滑な移行を要望
厚労省の税制改正要望では、①出資持分の評価について、出資額を限度とする税制上の措置、②円滑な移行を促進するための税制上の措置、を要望している。
②については、これまでの医療界の要望からi出資額限度の払戻しが行われた場合の残存社員への受贈益課税が行われないこと、ii 出資額限度法人への移行時に出資社員への課税が行われないこと、iii 出資額限度法人への移行時に医療法人への受贈益課税が行われないこと、などを内容としていると考えられる。
日本医師会などでは、「出資額限度法人」を平成15年度税制改正要望に盛り込んでいたが、昨年度の厚労省の税制改正要望項目には「出資額限度法人」は見られていない。出資額限度法人の出資払戻しを争点とする「八王子事件」が、この夏に「出資額限度の払戻し」で決着し、「これからの医業経営のあり方に関する検討会」最終報告書においても制度化を必要であるとする意見が掲載されたこともあり、厚労省の平成16年度税制改正新規要望項目に取り上げられることになったということだろう。
昨年度の新設要望「業績連動型役員報酬の損金算入」
法人税法が借用する商法においては、業績連動型の役員報酬が商法上の報酬として位置付けられた(商法269条の改正)。定期・定額支給を損金算入の要件とする法人税法の考え方は、法人税法固有の考え方となっている。
商法改正を受けて経済産業省は、平成15年度の税制改正要望として新規に「業績連動型役員報酬の損金算入」を要望した。政策目的は、「法人の役員や使用人に対する報酬体系を業績向上に対し一層インセンティブのあるものにすることにより、企業の活力向上・国際競争力の強化を図る。」としていた。
一方、企業会計基準委員会(ASB)においても役員賞与のP/L計上が検討テーマに取り上げられたばかりである。
「業績連動型役員報酬の損金算入」要望は、税法的には、手垢のついていないサプライズのある要望であっただけに、「なぜ取り下げた?」との印象が拭えない。会計の取扱いが明らかになることを待つということだろうか。
経済産業省、「業績連動型役員報酬の損金算入」要望はどこに?
平成16年度厚生労働省税制改正要望項目に、「出資額限度法人制度への円滑な移行を促進するための税制上の所要の措置」が新規要望項目として、盛り込まれた。
一方、昨年度の経済産業省の税制改正要望項目にあった「業績連動型役員報酬の損金算入」が、平成16年度の要望項目には見られない。明暗を分けた2つの税制改正要望項目を見てみよう。
出資持分の評価と円滑な移行を要望
厚労省の税制改正要望では、①出資持分の評価について、出資額を限度とする税制上の措置、②円滑な移行を促進するための税制上の措置、を要望している。
②については、これまでの医療界の要望からi出資額限度の払戻しが行われた場合の残存社員への受贈益課税が行われないこと、ii 出資額限度法人への移行時に出資社員への課税が行われないこと、iii 出資額限度法人への移行時に医療法人への受贈益課税が行われないこと、などを内容としていると考えられる。
日本医師会などでは、「出資額限度法人」を平成15年度税制改正要望に盛り込んでいたが、昨年度の厚労省の税制改正要望項目には「出資額限度法人」は見られていない。出資額限度法人の出資払戻しを争点とする「八王子事件」が、この夏に「出資額限度の払戻し」で決着し、「これからの医業経営のあり方に関する検討会」最終報告書においても制度化を必要であるとする意見が掲載されたこともあり、厚労省の平成16年度税制改正新規要望項目に取り上げられることになったということだろう。
昨年度の新設要望「業績連動型役員報酬の損金算入」
法人税法が借用する商法においては、業績連動型の役員報酬が商法上の報酬として位置付けられた(商法269条の改正)。定期・定額支給を損金算入の要件とする法人税法の考え方は、法人税法固有の考え方となっている。
商法改正を受けて経済産業省は、平成15年度の税制改正要望として新規に「業績連動型役員報酬の損金算入」を要望した。政策目的は、「法人の役員や使用人に対する報酬体系を業績向上に対し一層インセンティブのあるものにすることにより、企業の活力向上・国際競争力の強化を図る。」としていた。
一方、企業会計基準委員会(ASB)においても役員賞与のP/L計上が検討テーマに取り上げられたばかりである。
「業績連動型役員報酬の損金算入」要望は、税法的には、手垢のついていないサプライズのある要望であっただけに、「なぜ取り下げた?」との印象が拭えない。会計の取扱いが明らかになることを待つということだろうか。
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