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税務ニュース2018年01月22日 従業員再雇用で退職金の損金算入認める(2018年1月22日号・№723) 審判所、給与等の待遇面の変更から“退職した事実”があったと判断

従業員再雇用で退職金の損金算入認める
審判所、給与等の待遇面の変更から“退職した事実”があったと判断

退職後も継続雇用されている従業員に対する退職金の損金算入の可否が争われた事案で、審判所が損金算入認める(平成29年8月21日・広裁(法・諸)平29-2)。
審判所、再雇用は後任者への引継ぎであること、給与等の待遇面が大きく異なることを指摘。原処分庁の主張(退職後の継続雇用から退職の事実はない旨)を斥ける。
 今回紹介する裁決事例で争点の1つとなったのは、従業員に対する退職金を請求人(法人)の損金に算入することができるか否かという点である。具体的には、退職日の翌日に再雇用された従業員に退職の事実があったか否かが問題となった。事実関係をみると、請求人は、従業員(経理担当者)に対する退職金4,000万円から源泉税等を控除した残額を従業員名義の口座に振り込んだ。従業員は、請求人の関与税理士立会いのもと3,300万円を出金し、請求人の代表者に交付した。これは、従業員が請求人の代表者に対する借入金を返済処理したうえで金員を横領していたことによる未返済額を代表者に返済したものである。なお、従業員は、退職日の翌日付で再雇用となり、引き続き請求人に勤務していた。
 退職金4,000万円を損金計上した申告書を提出した請求人に対し原処分庁は、従業員は退職日以降も請求人に勤務していることなどから退職した事実がないとして、退職金のうち3,300万円を損金不算入とする課税処分を行った。これを不服とした請求人は、従業員に対する退職金は適正に支給されているなどと指摘し、3,300万円は損金に算入できると主張した。
 審判所は、従業員が退職後再雇用され約2年3か月勤務を継続した理由(後任者への事務の引継ぎ)はあながち不自然なものではないと指摘。再雇用後の勤務内容は退職前と同様なものの、退職の前後で給与や保険などの待遇面の変更も認められるから(基本給54万円→40万円(諸手当なし)、社会保険は任意継続)、再雇用の事実をもって従業員の退職を否定する事情にはならないと判断した。また審判所は、請求人に退職金支給規定はなかったものの、取締役会で従業員の退職金を支給することは可能であり、取締役会で決定された従業員の退職金(前2年の年収を24か月で除した月収(98万円)に勤続年数28年及び功績倍率1.5倍を乗じたうえで端数を切り捨て)の額が不相当に高額であるといえないと指摘。以上を踏まえ審判所は、退職金は請求人が従業員の退職の事実に基因して支払ったものと認められることから、退職金の全額を損金に算入できると判断した。

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