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資料2020年07月03日 【税務通達等】 金属鉱業における環境社会影響評価に要する費用の新鉱床探鉱費該当性について(文書回答)

取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)

取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)

〔照会〕
照会者 ①(フリガナ)
団体の名称
(ニホンコウギョウキョウカイ)
 日本鉱業協会
②(フリガナ)
総代又は法人の代表者
(フクカイチョウセンムジリ カトウ モトヒコ )
 副会長専務理事 加藤 元彦
照会の内容 ③照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約及び照会者の求める見解の内容)  別紙のとおり
④照会に係る取引等の事実関係(取引等関係者の名称、取引等における権利・義務関係等)  別紙のとおり
⑤④の事実関係に対して照会者の求める見解となることの理由  別紙のとおり
⑥関係する法令条項等 租税特別措置法第58条、第59条、第68条の61、第68条の62
租税特別措置法施行令第34条、第39条の88
租税特別措置法関係通達58-12、68の61-13
⑦添付書類


〔回答〕
⑧回答年月日 令和2年6月29日
⑨回答者 国税庁課税部審理室長


⑩回答内容  標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
 ただし、次のことを申し添えます。
(1)この文書回答は、ご照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は国税庁としての見解であり、個々の納税者の申告内容等を拘束するものではありません。



(別紙)

令和2年6月24日

国税庁課税部審理室長
北村 厚 殿

日本鉱業協会
 副会長専務理事 加藤 元彦


金属鉱業における環境社会影響評価に要する費用の新鉱床探鉱費該当性について


 標記について、以下のとおり解して差し支えないか、ご照会申し上げます。

照会内容

 鉱山開発事業を行う際に実施する、環境社会影響評価(いわゆる環境アセスメント)は、かつては開発段階にて実施が義務付けられるものでしたが、近年では、初期探鉱の段階から環境や社会に対する影響に配慮した事業活動が世界各国において要求される傾向にあります。要求される事業活動の詳細は国や地域によって異なりますが、探鉱活動の実施に際し環境社会影響評価の実施を義務付ける法制化が各国で進んでおり、実務上、環境社会影響評価の実施が探鉱活動の一部として必須となっています。
 ところで、租税特別措置法に規定する鉱業所得の課税の特例制度(以下「本制度」といいます。)では、昭和40年4月1日から令和4年3月31日までの期間内の日を含む各事業年度において、鉱物に係る新鉱床探鉱費の支出に備えるため、積立限度額以下の金額を損金経理の方法により探鉱準備金又は海外探鉱準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入できるとされています。また、探鉱準備金又は海外探鉱準備金を有する法人が新鉱床探鉱費の支出を行った場合など一定の要件に該当する場合には、特別控除を受けることができるとされています(措置法58、59、68の61、68の62)。
 本制度の対象となる新鉱床探鉱費とは、探鉱のために要する費用で、 ①探鉱のための地質の調査、 ②地震探鉱、重力探鉱その他これらに類する探鉱、 ③探鉱のためのボーリング及び ④鉱量が推定されていない鉱床につき鉱量を推定するための坑道の掘削(当該推定に必要な範囲内のものに限ります。)(以下これら①~④を「調査等」といいます。)の費用とされており(措置法58③、68の61③、措置令34⑬、39の88⑫)、金属鉱業における範囲については、次により取り扱うこととされています(措置法通達58-12、68の61-13)。

(1) 探鉱のための地質調査の費用
 地表の踏査、地質調査及び坑内の地質調査に要する費用をいい、地質調査のための測量、製図、航空写真図化、トレンチング、旧坑取明け、サンプリング、分析、借地、地荒補償等の附帯費用を含む。

(2) 地震探鉱、重力探鉱その他これらに類する探鉱の費用
 地震探鉱、重力探鉱、磁力探鉱、電気探鉱、放射能探鉱等の物理探鉱及び化学探鉱に要する費用をいい、測量、解析、図化、伐採、地荒補償、器材の運搬などの附帯費用を含む。

(3) 探鉱のためのボーリングの費用
 探鉱目的のボーリングに要する費用をいい、ボーリングのための道路開設、整地、坑内試すい(錐)室作成、機械器材の運搬、電気工事、借地、地荒補償、岩しん(芯)整備、分析などの附帯費用を含む。

(4) 鉱量が推定されていない鉱床につき鉱量を推定するための坑道の掘削(当該推定に必要な範囲内のものに限る。)の費用
(イ) 鉱量が推定されていない鉱床とは、日本産業規格(以下「JIS」という。)―M1001号「鉱量計算基準」に基づく鉱量の分類の確定鉱量、推定鉱量以外の区域の鉱床をいい、鉱量を推定するための坑道とは、前記区域の探鉱を目的とした坑道(探鉱目的と共に運搬目的等を兼ねる坑道については、その鉱山の探鉱のみを目的として掘削された坑道の範囲内に限る。)をいう。
(ロ) 当該坑道の掘削の費用とは、当該坑道の掘削に要する費用をいい、軌道、圧気、揚水、排水、照明、通気などの附帯費用を含む。

 ここで、近年の探鉱活動をとりまく環境の変化により、探鉱活動の実施に係る環境社会影響評価に要する費用として、具体的には、現地国の法令や慣習などにより探鉱活動の許認可要件とされるものや、その作業のために必要な土地への立ち入り等、機械設備等の設置、索道等の開設、鉱害の予防や従事者のための施設の設置に直接要するものが生じています。これらはいずれも調査等を実施するに当たり必要不可欠な費用と認められますが、上記(1)~(4)に掲げる費用には列挙されていないことから、本制度の対象となる新鉱床探鉱費の範囲に含まれないのではないか、という疑義が生じます。
 この点、必要不可欠な費用の例として、鉱業法では、鉱物の探査を行おうとする者や、鉱業に関する測量等のため必要があり他人の土地に立ち入り等をしようとする者、鉱業権者や祖鉱権者がその作業のために必要な機械設備等の設置、索道等の開設、鉱害の予防や従事者のための施設の設置を目的に他人の土地を使用するときは、経済産業大臣へ申請し、許可を受けなければならないとされており(鉱業法100の2、101、104、106)、これらの申請や施設等の設置に要する費用は調査等の実施に必須となることから、上記(1)~(4)に掲げる費用の「附帯費用」に当たるものと考えられます。
 このことを踏まえると、環境社会影響調査に要する費用として下記に例示する費用について、上記(1)~(4)に掲げる費用の「附帯費用」として適切なものは、本制度の対象となる新鉱床探鉱費の範囲に含まれるとして差し支えないと考えられます。
 ただし、環境社会影響評価に要する費用のうち、例えば、現地住民等との関係を調整するための負担金等(寄附金や交際費に該当する金額を含みます。)などは、調査等と直接関係がないため、本制度の対象となる新鉱床探鉱費の範囲には含まれないと考えられます。



〇 鉱区取得に係る許認可のために必要となる地域社会・共同体の調査(※)、保有地の境界や権利関係などの調査及び現地住民に対する説明会の開催等に要する費用(労務費、コンサルタント費、その他諸経費)
※ 先住民共同体の有無の確認、住民マッピング(いわゆる「Stakeholder Identification」のことで、地域社会の構成、キーパーソン・グループの特定、資源開発事業へのスタンスなどを調査し、共同体毎の居住地や生活圏、民族的な差異など住民の分布状況を資料化します)などを行います。
〇 ボーリング実施のために必要となる環境ベースライン調査(※)、環境社会影響評価書の作成、考古学文化財調査(モニタリングを含みます。)及び環境モニタリング(大気、水質など)などに要する費用(労務費、コンサルタント費、地権者等に対する鉱区への立入り費用、その他諸経費)
※ 地形、大気、水質、気候、遺跡、地域社会、先住民文化及び動植物等の調査をいいます。

以上

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