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税務ニュース2020年12月04日 貸倒損失の必要経費該当性争い原告控訴(2020年12月7日号・№861) 原告(控訴人)、「必要経費」の意義は幅広く解すべきと主張

  • オーナーブリーダー事業における貸倒損失の必要経費該当性が争われている事案。
  • 東京地裁は、本件貸付金は、事業の遂行上生じた貸付金には該当しないと判示し、原告の請求を棄却も、原告は反発し控訴。

 東京高裁は令和2年11月4日、個人馬主の牧場(以下「本件会社」)に対する貸付金(以下「本件貸付金」)の貸倒損失が事業所得計算上の必要経費に算入できるか否かが争点となる事案の第1回口頭弁論を開催し、控訴審での弁論を終結させた。一審(東京地裁)判決(3月18日)は、「本件貸付金は、原告が本件会社を維持するために、本件会社の経営者として行ってきたものとみるのが相当であり、原告の個人馬主事業に係る事業所得を得るために客観的に必要であったということはできない。」「本件貸付金は、所得税法51条2項所定の事業の遂行上生じた貸付金には該当しないから、その貸倒れにより損失が生じたとしても、その損失の金額は、原告の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。」と判示し、原告の請求を斥けていた。
 控訴人は、「原判決は、最初から『結論ありき』で、本件貸倒損失の必要経費該当性を否定し、かつ、本件更正処分の理由付記の違法性を否定するために牽強付会な判断を下している。」「事実認定において、本件貸倒損失の必要経費該当性に関し、控訴人が主張してきた重要な部分を割愛している。」「所得税法上の『必要経費』の範囲を不当に狭く解釈し、それを基に本件貸倒損失を必要経費に該当しないとしている。」などと一審判決に反発している。
 本件では、原告は、「『必要経費』は、個人の事業経営から生ずる所得に関する限り、法人税法上の『損金』に準じるものとして、その意義を幅広く解すべきである。」と主張した上で、「原告がオーナーブリーダー事業を営んできたものの、成田空港の建設を機にする移転・農地法の規制により、個人の名義で牧場用地を取得することができず、ブリーダー事業を本件会社に移行することとなったが、本件会社の行うブリーダー事業と原告の馬主事業とが不可分一体の関係にあることに変わりはなかった。」などと、本件オーナーブリーダー事業固有の事情、状況、メリットなどを主張(説明)してきた。
 本件控訴審では、控訴人が新たな主張をするというよりも、控訴人は、一審での主張を真摯に検討することを求めている。東京高裁が、一審の判断を見直すことになるのか否か、令和3年2月に期日指定された控訴審判決が注目される。

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