コラム2021年01月11日 年頭所感 年頭所感 国税庁長官 可部哲生(2021年1月11日号・№865)
年頭所感2021
年頭に当たって
可部哲生 国税庁長官

令和3年の年頭に当たり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
この度の新型コロナウイルス感染症による影響を受けられた皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、納税の猶予制度を御案内するなど、納税者の皆様の実情に耳を傾けつつ、今後も丁寧な対応に努めてまいります。
近年、国税組織を取り巻く環境は、経済活動のICT化やグローバル化の進展に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に変化しています。こうした状況の下でも、引き続き、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という国税庁の使命を果たしていくため、二つの柱に沿って対応することとしています。
一つは、「納税者の利便性の向上」です。
納税者の皆様がより便利にスムーズに申告や納税の手続を行っていただけるよう、納税者サービスの充実に向けた施策を実施し、納税環境の整備に取り組んでまいります。
もう一つは、「調査・徴収の効率化・高度化」です。
適正な申告を行った納税者が不公平感を抱くことがないよう、調査・徴収の効率化・高度化を図りつつ、悪質な納税者に対しては厳正な態度で臨むことにより、適正・公平な課税の実現に努めてまいります。
年も改まり、令和2年分の所得税等の確定申告の時期を迎えます。
昨年の令和元年分の確定申告期は、自宅等からのe-Taxが前年分の約5割増、スマートフォンを活用したe-Taxが前年分の約4倍となりました。令和2年分の確定申告においても、感染拡大防止の観点から、外出を必要としない自宅等からのe-Taxの利用を一層推進することとしています。令和2年分の所得税確定申告手続からは、マイナンバーカードを利用してマイナポータルを活用することにより、生命保険料控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、申告書へ自動入力することが可能となりました。これにより、自宅等からのe-Taxがますます簡単・便利になりましたので、是非皆様に御利用いただきたいと思います。
昨今、企業においては、ビジネス環境の激しい変化に対応するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する動きが広がりつつあります。国税庁では、平成29年6月に概ね10年後をイメージした「税務行政の将来像」を公表し、スマート税務行政に進化していくことをお示ししましたが、この公表から既に3年以上が経過しており、その間にもデジタル技術は急速に進展しています。
今後は、こうした変化や納税者のニーズを十分に踏まえ、税務行政のデジタルトランスフォーメーションについて、既存の価値観や枠組みにとらわれずに柔軟な発想の下で、更に大きく前進させてまいりたいと考えています。
本年も引き続き、税務行政に御理解と御協力をお願い申し上げます。
結びに、皆様と御家族の御多幸を祈念いたしまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。
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