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税務ニュース2019年08月30日 海外子会社役員への株式報酬にニーズ(2019年9月2日号・№801) 常任代理人業務が障害となる中、海外に信託作るスキームに注目

  • 自社の役員への株式報酬付与が一巡する中、主要な海外子会社の役員に対する株式報酬の付与にニーズも、証券会社等は非居住者の役員の常任代理人業務には消極的。
  •  こうした中、株式を海外の信託にプールして付与する「ストック・アドミニストレーション」を提供するフィンテック企業が日本に進出、利用を検討する企業も。

 海外事業の重要性が高まる中、主要な海外子会社の役員に日本の親会社の株式報酬を付与したいというニーズがあるが、そもそも非居住者が日本の証券会社で口座を開設することは困難なため、株式報酬に代えて、一定期間における株価の上昇・下落等を反映させた「株価×付与数」を現金で支給するファントム・ストックを付与する企業もある。こうしたニーズを踏まえ、経済産業省は今年3月、海外子会社の役員にファントム・ストックを支給した場合、「業績連動給与」の損金算入要件を満たせば損金算入が認められる旨の課税上の取扱いを明らかにしている(本誌781号11頁参照)。
 ただ、グローバルな一体感を出すためには、現金報酬であるファントム・ストックではなく、株式報酬を付与したいと考える企業は多い。現状、海外に居住する外国人役員に株式報酬を付与するには、証券会社等に常任代理人業務を引き受けてもらう必要があるが、常任代理人業務は議決権行使や様々な通知業務など手間がかかる上、ビジネス的にもメリットは薄く、さらに外国人役員が日本の株式を保有することについて外国人役員の居住国における法律上の取扱いが不透明というコンプラリスクもあるため、証券会社等は引き受けに積極的ではない。また、仮に日本から海外子会社の役員に株式報酬を付与する場合、企業にも、海外の税制、証券規制、為替規制等について高額な調査費用がかかる。
 こうした中、最近、「ストック・アドミニストレーション」というサービスを提供するフィンテック企業が日本に進出して来ている。これは、例えばタックスヘイブンに信託を創って日本の親会社の株式をプールし、そこからグローバルに株式報酬を付与するスキーム。また、英国などにはグローバルに株式報酬を付与する際の法律問題に特化した法律事務所があり、企業は低コストでの情報収集とリスク管理が可能だ。
 海外子会社の役員に株式報酬を付与する際に起こる問題は、日本人役員が海外に転勤して、非居住者となった場合にも発生する。このスキームを利用して日本企業が海外に株式報酬を付与する事例は近い将来一般的なものとなる可能性もありそうだ。

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