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税務ニュース2019年09月27日 図解 新・時価評価課税&欠損金持込制限(2019年9月30日号・№805) グループ通算制度 開始時と加入時で異なる要件、規制対象は拡大

  • 「グループ通算制度」では、「時価評価課税の対象となる法人」と「時価評価の対象外となる法人」を定義した上で、後者については、「含み損益の実現時に利用制限があるもの」と「含み損益の実現時に利用制限がないもの」に区分。
  • 組織再編税制との整合性に配慮した結果、時価評価課税及び欠損金持込制限は現行制度よりも拡大。

 8月27日に開催された政府税調総会で連結納税制度に関する専門家会合が行った報告により、連結納税制度の後継制度となる「グループ通算制度」のアウトラインが見えてきたが(本誌801号4頁~)、同制度の導入議論における重要論点の一つが、開始・加入時の時価評価課税・欠損金の切り捨てのルールだ。
 グループ通算制度では、「時価評価課税の対象となる法人」と「時価評価の対象外となる法人」を定義した上で、後者については、「含み損益の実現時に利用制限があるもの」と「含み損益の実現時に利用制限がないもの」に区分している。詳細は次頁のの通りとなっている。
 3.の「時価評価の対象外となる法人」のうち「含み損益の実現時に利用制限があるもの(欠損金は一部利用制限)」で言及されている「含み損益の利用を一部制限する」とは、具体的には下記を指す。

・加入後の特定資産譲渡等損失額については、損金不算入
・含み益についても、含み益のある資産を譲渡して含み益を実現させ、その譲渡した法人の株式について投資簿価修正を行った後、その株式を売却することで、含み益が生じていた資産の帳簿価額が引き上がるにもかかわらず、含み益の実現益は株式譲渡損が生じた場合には相殺されて課税が逃れられるなどの問題が生ずるような含み益の実現益は、投資簿価修正の対象から除く
・親法人との間に支配関係が生じた事業年度前に生じた欠損金の利用を制限することとし、親法人との間に支配関係が生じた事業年度前から有する資産の加入前の実現損から成る欠損金の利用を制限する
・構造的に損失(償却費等)が発生する事業を行う法人については、加入後に発生した欠損金については、損益通算の対象外とした上で、SRLYルール(欠損金の繰越控除を自己の所得の範囲内に限定すること)を適用する

 このように今回の報告では、開始・加入時の時価評価課税・欠損金の切り捨てについて、組織再編税制に類似した仕組みが説明されているが、企業や実務家からは、一見しただけで適用関係を理解するのは難しいとの声が多数聞かれる。そこで以上を「連結納税開始時」「連結納税グループ加入時」に分けてフローチャートで示せば次頁のとおりとなる。開始・加入時の時価評価課税・欠損金の切り捨ての制限の適用の有無等を判定する際に活用されたい。

【表】時価評価課税・欠損金の利用制限のパターン

1.時価評価課税の対象となり、欠損金の利用が制限される法人

① 開始時のグループ法人で、完全支配関係がある法人間の適格組織再編成と同様の要件(完全支配関係の継続要件)に該当しないもの
② 非適格組織再編成により加入した再編当事者
③ 再編当事者以外の加入法人で、適格組織再編成と同様の要件(親法人との間の完全支配関係の継続要件、従業者継続要件及び事業継続要件等)に該当しないもの


2.時価評価課税の対象外となる法人

(1)開始時のグループ法人で、完全支配関係がある法人間の適格組織再編成と同様の要件(完全支配関係の継続要件)に該当するもの
(2)適格組織再編成により加入した再編当事者
(3)再編当事者以外の加入法人で、適格組織再編成と同様の要件(親法人との間の完全支配関係の継続要件、従業者継続要件及び事業継続要件等)に該当するもの
(4)グループ内の新設法人


3.「時価評価の対象外となる法人」のうち「含み損益の実現時に利用制限があるもの(欠損金は一部利用制限)」

上記(1)~(3)のうち、親法人との間の支配関係が5年以内であり、かつ、共同事業性がないものについて、含み損益の利用を一部制限する(※下記参照)とともに、支配関係前に生じた欠損金等の利用を制限すること等を行う。


4.「時価評価の対象外となる法人」のうち「含み損益の実現時に利用制限がないもの(欠損金も持込み可能)」

上記(1)~(3)のうち、親法人との間の支配関係が5年超あるか又は共同事業性があるもの、及び上記(4)は、制限なく、含み損益を利用できることとするとともに、欠損金の持込みについても制限しないこととする。

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