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解説記事2021年03月15日 ニュース特集 BEPS行動14・2020年レビューとデジタル課税への影響(2021年3月15日号・№874)

ニュース特集
ミニマム・スタンダード強化巡り先進国と途上国に溝、先行き見通せず
BEPS行動14・2020年レビューとデジタル課税への影響


 デジタル課税の導入議論が合意に向け着実に歩みを進めている。これまでOECDは、7月9日から10日にかけて開催されるG20財務大臣中央銀行総裁会議の“前”までに「包摂的枠組み」としてデジタル課税について合意に至りたいとの意向を示しつつも、「米国の出方次第」というニュアンスの発言も聞かれたところだ。こうした中、3月4日にOECDが開催したTax Talkでは、OECD事務局から、米国が第1・第2両方の柱にポジティブであることとともに、いわゆる「セーフハーバー提案」を撤回したことが明らかにされた。これにより、デジタル課税議論は合意に向け前進したと言えるだろう。
 その一方で懸念されるのが、デジタル課税議論と同時並行で進行するBEPS行動14(紛争解決メカニズムの効率化)の2020年レビューの行方だ。昨年11月に公表された公開討議文書では、二国間APA(事前確認制度)の利用促進などBEPS最終報告書に基づく既存のミニマム・スタンダードの強化が大きな論点となっているが、これを含む公開討議文書に盛り込まれた主要な提案を巡り、先進国と新興国・途上国の意見の相違が鮮明となっており、先行きが見通せない状況となっている。
 こうした中、日本企業等からは「紛争解決メカニズムが脆弱なままでは、デジタル課税で紛争が生じた際にも救済が不十分になるのではないか」との懸念が浮上している。

BEPS行動14・2020年レビューの現状

APA申請を拒否する事例も発生する中、APAの導入自体のMS化を提案

 BEPS行動14(紛争解決メカニズムの効率化)の2020年レビューはOECDが昨年11月に公開討議文書(ディスカッション・ドラフト=DD)を公表し、今年1月25日まで意見募集が行われていたところだ。
 BEPS行動14最終報告書では、複数の勧告をミニマムスタンダード(MS)とベストプラクティス(BP)に分類し、MS(例えば相互協議(MAP:Mutual Agreement Procedure)に関する条項をすべての条約に導入すること、平均24か月でMAP事案の解決を図ることを目的とすること等)については多国間協定などで個別の二国間租税条約に盛り込むとともに、必要なガイダンスの整備や執行体制の強化などが各国で進められている。OECD及び包摂的枠組み(IF:Inclusive Framework)ではそのモニタリングも実施中だ。各国を複数のグループに分けて順次審査し、改善策などを勧告している。
 DDで提案された内容は、主としてMSの強化である。例えば事前確認制度(APA)を導入している場合、現状では過年度に遡及適用することを認めることのみがMSとされているが、DDではAPAの導入自体をMS化することが提案されている(ただし、移転価格関係のMAP事案が少ない法域はMS化の意義が乏しいため、除外することとしている)。
 この提案に対し、企業からは賛成の声が上がる一方、「問題はAPA導入の“有無”ではなくその“運用”にある」との指摘も多い。現状、一部のアジアの国では、APA申請を行う前段階で「事前審査」が行われ、税務当局が気に入らない内容であればAPA申請自体を拒否する事例がある模様。また、過去のAPAと類似するケースにもかかわらず、同じような情報を提供するよう要請される事例もあるようだ。

相互協議申立時の提出情報を標準化、仲裁導入国の短期的な拡充は困難

 またDDでは、調査官への研修機会の拡充も提案されている。具体的には、現時点では国際課税問題に関係する調査官への訓練の提供はBPにとどまっているところ、それを義務化するというもの。新興国における課税事案には、調査官の知識不足によると見られるものも少なくないため、企業は概ね歓迎している。ただし、本質的には調査官に事実上の税収確保の“ノルマ”を課すといった税務当局の慣行そのものを改めなければ不合理な課税はなくならないとの指摘もある。
 さらにDDでは、「MAP申立て時に提出を要する情報の標準化」「MAP協議中の納税猶予」「MAPの結果と附帯税(加算税/延滞税、利子税)との関係を比例的なものにする」「全てのMAP合意の実施を確保するための適切な国内法の導入」「再発する課題に関し複数年度分のMAPを可能とする」などの提案を行っている。いずれも企業としては違和感のない内容であろう。
 仲裁については、反対する国への配慮からMS化は提案されていないが、その効果(紛争解決に要する時間、効率性、コスト等)について、仲裁がない場合と比べてどう考えるか、との問いが立てられている。仲裁に賛成する国は主として米欧であり、アジアでは日本とシンガポール程度に留まる。導入国の拡充は短期的には期待しにくいが、検討自体は継続されていることが伺える。

相互協議を巡り浮かび上がった「3つの課題」

 2月1日にはBEPS行動14の2020年レビューに係るオンライン公聴会が開催されているが、DDに盛り込まれた主要な提案を巡り、先進国と新興国・途上国の意見の相違が鮮明となった。
 公聴会では昨年11月に公表されたDDに基づきMSの強化等が議論され、冒頭、OECD事務局が2020年レビューの意義・背景について説明した。それによると、BEPS最終報告書が公表されたのは2015年であるが、翌2016年から2019年にかけての紛争解決データからは「3つの課題」が浮かび上がるという。
 第1に、MAP事案の在庫(すなわち解決されず翌期に繰り越された事案)が増加基調にあるということだ。例えば移転価格の事案では、2016年から2019年にかけてMAP終了件数が50%増加する一方、開始件数も90%増加している。BEPSプロジェクトによって紛争がかえって増えたようにも見える一方、MAPの改善がMAPへの信頼へとつながり、MAP事案が増加しているという見方もできるため、評価は難しいところだが、いずれにせよ、在庫の増加が望ましくないことは言うまでもない。
 第2に、MAP終了までに要する時間が短縮されていないということだ。例えば移転価格の事案では、2016年から2019年にかけて4年連続で平均30か月超の時間を要している。BEPS最終報告書では、24か月を目標とすることがMSとされている。すなわち、MS未達の状況が続いているということである。
 第3に、紛争解決が不十分な事例もあるということだ。例えば、2019年のデータでは、75%の移転価格事案で紛争が解決できた一方、残りの25%はMAPが不合意に終わったり、合意があったとしても部分的な合意にとどまったり、そもそもMAPへのアクセスが拒否されるといった事案が発生している。

APAのMS化にはアフリカが強い反対姿勢

 こうした状況を踏まえ、行動14の2020年レビューでは、BEPS最終報告書に基づく既存のMSの強化が必要ではないかという問題提起がなされている。
 DDにおける提案は以下の通りとなっているが、企業等同士で議論が大きく割れるということはなく、各提案について広範な支持があった。特に(1)の提案8については、企業や経済団体から仲裁の実現を求める声が多数上がった点、注目される。ただし、上述の通り、仲裁のMS化がDDにおいて提案されたわけではなく、あくまで仲裁の有用性について「どう考えるか」という問いが立てられるにとどまっている。

(1)ミニマム・スタンダード(MS)の強化に係る提案
提案1:二国間APAの利用促進(APAプログラム導入のMS化)
提案2:調査官のための国際課税問題に関する研修へのアクセス拡充
提案3:申立の正当性に関する判断基準の明確化/MAP申立時に提出する情報の標準化
提案4:MAP協議中の納税猶予(国内法と同様の条件のもと)
提案5:MAPの結果と附帯税(加算税/延滞税、利子税)との関係を比例的なものにする
提案6:全てのMAP合意の実施を確保するための適切な国内法の導入
提案7:再発する課題に関しMAPを通じ複数年度分の紛争解決を可能とする
提案8:仲裁またはその他の紛争解決メカニズムの実施
(2)MAP統計の強化に係る提案
提案1:繰越又は処理されたMAP事案のデータの追加
提案2:MAPに影響する他のプラクティス(APA)に関する統計の追加

 BEPS行動14の2020年レビューに係る公聴会は、デジタル課税の公聴会とは異なり、各論点について(企業等もさることながら)各国政府が活発に発言したという点に特徴がある。発言者を割り振ったOECD事務局には、あえて争点が浮かび上がらせようという意図も感じられる。先進国と新興国・途上国で意見の相違が鮮明になったのはその結果とも言える。
 例えば提案1について、カナダ歳入庁は「APAは各国の協調を促すものであり、カナダ政府としても古くから導入している。OECDの提案に賛成する」と述べる一方、アフリカ税務行政フォーラムは「アフリカ諸国は人的なリソースの問題を抱えており、また、先進国との間で公正な結果とならない恐れもあり、APAのMS化に強く反対する」とけん制。同様にマレーシアも「リソースに限りがある」との理由により難色を示した。
 また、提案8の仲裁についても、米国のIRS(内国歳入庁)が「仲裁は紛争の完全かつタイムリーな解決に資するものである。既存のMAPの強化だけでは不十分」として仲裁の意義を強調したが、アルゼンチンは、「国によって憲法上の制約があること」「第三者による裁定では結果が予見できず税の安定性がないこと」「先進国の方がリソースがあり不平等な結果となる恐れがあること」等の理由を挙げ、慎重な姿勢を示した。
 提案6については、スウェーデンが「すべての条約にOECDモデル租税条約でいう第25条2項(国内法の期間制限に関わらずMAP合意を実施)を導入すべき」と主張する一方、インドネシアは「国内法の改正を迫られるものであれば対応は困難」と明言、ここでも先進国と途上国の意見の対立が浮き彫りとなった。

デジタル課税議論の現状

第1の柱「利益A」のネクサス認定の方法で、日本と欧米企業の考え方に違い

 このように、BEPS行動14の2020年レビューの行き着く先が見通せない一方、デジタル課税の導入議論は、紆余曲折を経ながらも歩みを進めている。
 現在、デジタル課税に関する議論で、第1の柱、第2の柱ともに最大のテーマとなっているのが「簡素化」だ。今年1月14、15日OECDが開催した公聴会でも簡素に向けた意見が相次いだ。
 第1の柱に関する公聴会(14日開催)では、二重課税の排除等も含め、日本企業にとって違和感のない内容が続いたものの、米・欧企業と日本企業の考え方の相違が浮き彫りとなったのが、利益Aのネクサス認定の方法だ。日本企業の間では、CFB(消費者向けビジネス)について、単に市場国で売り上げが立っているからと言ってネクサス認定されるのは適当ではなく、市場国において既に子会社やPE等の物理的拠点がある場合に限ってネクサス認定をすべきとの考え方(いわゆるプラス・ファクター論)が比較的優勢だが、これに対しOECDは、パブコメ結果について「プラス・ファクターは過度のコンプライアンスコストを生じさせるとの懸念があった」と総括している。米・欧の企業は簡素化の観点から、単純に売り上げだけでネクサス判定をすべきとのスタンスであり、日本企業の考え方は国際的に見れば多数派ではないことが伺える。
 その後行われた各企業・団体からの意見表明でも「簡素化」がキーワードとなった。ジョンソン&ジョンソンからは、現状の利益A、Bの複雑さを回避する観点から、これらをまとめた概念として新たに「利益Z」が、プロクター&ギャンブルからは、利益Aの要素を踏まえた「修正利益B」が提案された。日本からはパナソニックが出席し、乾電池やエアコンを題材に、第三者を介在する取引におけるレベニュー・ソーシング・ルールの簡素化を求めた(製品の最終消費地の判定を過度に厳格にしない等)。また、アマゾンもついに公聴会に出席、OECDの取り組みをサポートするとしつつ、現状のレベニュー・ソーシング・ルールの執行の難しさを指摘した。利益BについてはTNMM(取引単位営業利益法)の適用取引を広く対象とすべきとの示唆がある一方(PwC)、範囲が狭い方が良いとの指摘もあった(ブッキング・ドットコム)。
 こうした中、OECDは特に利益Bについて「様々な見方がある」との分析結果を提示するにとどまり、各国政府も、同日の公聴会では具体的なコメントを控えた。このため、利益A、Bいずれについても、今後どこまでの簡素化が可能なのか、青写真のどこか変更となるのか、引き続き政府間で議論が行われている。
 加えて、利益Aの残された課題である「スコープ」についても、ネットフリックスから、ADS(自動化されたデジタルサービス)やCFBといった活動の性質に着目したテストはやめて、グループの営業利益などの客観的な指標で対象を判定することを求める声も上がった。米国政府はデジタル企業のリングフェンス(囲い込み)は引き続き容認できないとの立場と見られ、本論点の取り扱いも今後の注目ポイントの一つとなる。ウーバーは、移転価格税制による事後の更正と利益Aの関係について整理が必要であると指摘した。途上国の利益を代弁するNGOからは、制度の簡素化、途上国へのさらなる利益配分、仲裁反対といったかねてからの主張が繰り返された。

IIR、リスクの低い高税率国を明示して「計算対象から除外」する案に期待

 第2の柱についても簡素化措置が論点となった。
 IIR(所得合算ルール)においてミニマム税率がX%に設定されたとして、個別の法域の租税負担割合がX%以上であることを一つ一つ証明するのは実務的に手間がかかるため(例えば高税率国であるドイツやフランスの子会社の租税負担割合をいちいち計算するのは割に合わない)、青写真では計算すべき対象を入り口で狭くする簡素化措置がいくつか検討されているが、OECDによれば、税務行政ガイダンス(要するに“ホワイトリスト”のようなものであり、リスクの低い高税率国を明示の上、計算対象から除外する案)への期待が最も高く、次いで、CbCRを利用する案(CbCR上の税額/税前利益情報をベースに、租税負担割合を判定)への支持があることが紹介された。ただしCbCR案については、新たなデータが必要となるならば事務負担が増すとの指摘があることも紹介された。ここまでは、日本企業の求める方向性と完全に一致している。実際、今回の公聴会でも、フランス経団連(MEDEF)やドイツ産業連盟(BDI)などから、ホワイトリストを支持する声が上がった。

IIRの租税負担割合計算、青写真の「繰越方式」ではなく「税効果方式」に支持

 また、簡素化措置以外の注目すべき論点として、税効果会計への考え方がある。IIRの租税負担割合の計算上、分母の課税ベースは会計データをもとに計算するため、税会差異による時間差異(timing difference)への対処を行わなければ、ある年度においてIIRが過少合算又は過剰合算になるとの問題意識のもと、青写真では繰越方式(損失の繰り越しの他、現地租税繰越やIIR税額控除)を提唱しており、税効果会計については見積りの不確かさから採用しないこととしているが、OECDはパブコメの紹介において、「税効果方式への強い支持があった」と説明。実際、公聴会でもリオティントやグラクソスミスクラインを含め複数の参加者から税効果方式を支持する旨の発言があった。リオティントは、税効果会計のうち見積もりが介在する部分については、信頼性をもって除外(isolate)できると主張している。
 OECD事務局は、セッションの締めくくりにおいて、税効果方式が今のところ採用されていないのは、やはり租税負担割合の分母分子の計算上、分子は現地での実際の支払い税額を計上すべきであり、税効果方式を認めると、いわば将来部分の数値を利用して、現時点において税額控除を行っているに等しくなるとの懸念を持つ国があることなどを説明。一方で、様々な指摘を踏まえ、今後税効果方式についても検討することも示唆した。
 なお、日本企業にとって気になる分割持分ルール(Split Ownership rule)や簡素化IIR(simplified IIR)については、欧州系の実務家から懸念する声があった。途上国を代弁する団体からは、IIRは途上国にとって税収増の効果がなくメリットを享受できないとして、Subject to Tax Rule(軽課税国への支払いについて条約上の特典を否認するルール)への期待が述べられた。

BEPS行動14・2020年レビューがデジタル課税に与える影響

米新政権が第1・第2の柱ともに賛成する意向示す

 これまでOECDはデジタル課税の合意時期を「2021年半ば」としていたが、今年1月14、15日の公聴会で、サンタマンOECD租税センター局長は、7月9日から10日にかけて開催されるG20財務大臣中央銀行総裁会議(今年の議長はイタリア)の“前”まで(6月末〜7月初旬)にIF(包摂的枠組み)としてデジタル課税について合意に至りたいとの意向を示していた。このシナリオが実現するかどうかの鍵を握るのが米国バイデン新政権の出方だ。サンタマン局長からも、「米国の動向次第」というニュアンスの発言も聞かれた。
 この点についてOECDが3月4日に開催したTax Talkで、サンタマン局長が米国のイエレン財務長官のレターに言及、米国が両柱に対してポジティブであることとともに、いわゆる「セーフハーバー提案」(第1の柱を企業の選択制にする提案と理解されている)を撤回したことを明らかにした。また、Tax Talkでは、議論が続く「簡素化」にも言及している。具体的には、第1の柱については、すべてのビルディング・ブロックについて簡素化を検討中とし、日本企業が注目のレベニュー・ソーシングについても簡素化の必要性を指摘した(一方、ハイレベルな正確性を保つ必要性にも言及)。また、第2の柱では分割持分ルールなどの簡素化の方向性が示された。このほか、視聴者からは第1の柱と第2の柱のデカップリングの可能性を問う声も聞かれたが、OECDはこれを否定し、合意に向けて2つの柱は「一体の議論」であることを強調している。
 米国の賛意は、OECDが描く合意に向けたスケジュールの実現を後押しすることになろう。サンタマン局長も上記想定を変えていない。デジタル課税の実施タイミングについては、条約や国内法整備で一定の時間がかかるとしつつも、合意された後には各国が迅速に動くとの観測を示した。デジタル課税のドラフトが公表されるのは「国際合意の際」としており、時間的に事前にパブリックコメントが実施される可能性は低いとのことだ。ただし、制度の細部、技術的な課題については、合意後に別途パブリックコメントを実施することはあり得るとしている。
 経産省もこうした動きに対応、今月1日には「デジタル経済下における国際課税研究会」を設置し、国内法制化も視野に入れた議論をスタートさせている。

紛争解決メカニズムが脆弱なままなら、デジタル課税巡る紛争救済も不十分となる懸念

 上述のとおり米国が賛意を示したことで、デジタル課税議論は合意に向け加速する可能性が高まったと言える。
 その一方で懸念されるのが、 BEPS行動14(紛争解決メカニズムの効率化)の2020年レビューの結果だ。行動14はデジタル課税との関係も深く、レビュー結果次第では、デジタル課税の実効性にも影を落としかねない。
 例えば、デジタル課税の第1の柱における利益Aは、定式的に残余利益を市場国に配分するものであり(多国籍企業グループの連結財務諸表をベースに、利益配分計算の基礎となる「トータル利益」を特定した上で、一定の率(例えば10%)を超過した利益を「みなし残余利益」とし、その一定割合を市場国に配分)、一見簡素だが、ある取引について一回でも重大な移転価格課税がなされ、その後、タイムリーに紛争解決を行うことができなければ、利益Aの計算基礎が不安定となり、グローバルな利益配分に混乱が生じる恐れがある。
 こうした中、日本企業等からは、「紛争解決メカニズムが脆弱なままでは、デジタル課税で紛争が生じた際にも救済が不十分になるのではないか」との懸念が浮上している。デジタル課税議論の進展とともに、行動14の2020年レビューの行方が注目される。

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