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解説記事2021年04月05日 ニュース特集 令和3年3月期における法人税の誤りやすいポイント(2021年4月5日号・№877)

ニュース特集
税額控除制度の適用や留保金課税等に注意
令和3年3月期における法人税の誤りやすいポイント


 これから令和3年3月決算作業が本格化するが、今年もコロナ禍による法人税の確定申告を余儀なくされそうだ。確定申告においては、例年、課税処理が明確に定まっているにもかかわらず、申告の際に処理が誤っている項目が少なからず散見されているという。租税特別措置法における特別償却・税額控除制度や受取配当等の益金不算入のほか、いまだに留保金課税における特定同族会社の判定なども誤りが多い項目とされている。
 本特集では、3月決算において企業が誤りやすい法人税処理の留意点を解説する。

所得拡大促進税制、役員等の給与は除外して計算

 租税特別措置法における特別償却・法人税額の税額控除については、制度が目まぐるしく変わることもあり、最も誤りやすい事項といえよう。
 まずは中小企業向けの所得拡大促進税制だ。同税制は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度のこと。継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加した場合には、給与総額の前年度からの増加額の15%を税額控除できる。給与総額とは継続雇用者(前年度の期首から適用年度の期末までの全ての月分の給与等の支給を受けた従業員のうち一定の者)に限定しない、全ての国内従業員に支払った給与等の総額のことをいうが、使用人兼務役員を含む役員及び役員の特殊関係者に支払った給与等は除かれる点に留意したい。
 特に役員の特殊関係者(親族等)の給与等を含めたところで計算している事例が多いということだ。
医療業は指定業種にあらず
 商業・サービス業・農林水産業活性化税制(経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除)は、中小企業者等が経営改善指導等に基づき、建物附属設備(1台60万円以上)又は器具・備品(1台30万円以上)を取得した場合に、特別償却(30%)又は税額控除(7%)を認める制度だが、適用できる業種が限られている。特に医療業については、指定業種に該当されていないにもかかわらず同税制の適用を受けている事例があるとしている。
 なお、同税制は、令和3年度税制改正により対象業種を中小企業投資促進税制に追加した上で、適用期限(令和3年3月31日)をもって廃止されることになっている。

中小企業投資促進税制、資本金3,000万円超は税額控除は適用できず

 また、中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)は、適用する中小企業も多く、例年誤りを多く指摘される制度だ。
 同税制は、機械装置等の対象設備を取得や製作等をした場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除の適用を受けることができるというもの。ただし、税額控除については資本金の額等が3,000万円以下の法人等に限られているが、3,000万円を超えているにもかかわらず、税額控除を適用している誤りが見受けられている。また、大規模法人の子会社(資本金の額等が1億円以上の法人が資本金の額等を2分の1以上保有している法人等)については同税制の適用対象外となるが、適用して申告している事例もあるという。
 そのほか、医療保険業を営む法人が対象とならない下記の医療機器について適用している誤りも指摘されている。

「歯科治療用椅子」「超音波診断装置」「デジタル超音波診断装置一式」「オートレフケラトトノメーター」「白内障手術装置」「ジェネレーター」「従量式人工呼吸器」「血圧脈波監視」「デジタルベット」「人工腎臓装置」「生ゴミ処理機」「全身用PET運動負荷付」「全身用X線CT装置」「CTスキャナ装置(マルチスライス装置等)」「画像読影読取診断装置」

 これらの医療機器は「器具及び備品」に該当し、「機械及び装置」には該当しないため、中小企業投資促進税制を適用することができないとされているので留意したい。
適用率の誤りも
 研究開発税制(試験研究費を行った場合の税額控除制度)も例年誤りやすい項目の1つだ。例えば、①当期の損金の額に算入された試験研究費の額が、前期の試験研究費の額を超えていないにもかかわらず、繰越税額控除限度超過額の1年間繰越控除を適用していた、②繰越税額控除の対象となるのは前期分のみであるにもかかわらず、前々期分を対象としていた、③前期繰越額を誤って記載していた、④試験研究費に充てるため他の者から支払を受けた金額を試験研究費の額から控除していなかった、⑤当期税額基準額の計算に当たって適用する率を誤っていた事例などが挙げられる。
再生可能エネルギー税制、ソフトは対象外
 再生可能エネルギー税制については、再生可能エネルギー設備等の取得等をして、事業の用に供した場合には対象設備の取得価額の14%を特別償却することができるというもの(令和3年3月31日で適用期限切れ)。対象設備は中小水力発電設備、地熱発電設備、木質バイオマス発電設備、木質バイオマス熱供給装置、バイオマス利用メタンガス製造装置、風力発電装置専用機械類、定置用蓄電設備、電線路(自営線)に限られているが、適用対象外であるソフトウェア等の資産について適用を受けていた事例があるという。
みなし大企業が中小特例を適用するケースが
 大法人の子会社であるにも関わらず中小法人の特例を適用しているケースも多い。資本金の額等が1億円以下の法人であっても、発行済株式等を同一の大規模法人に1/2以上保有されている、又は複数の大規模法人に2/3以上保有されている法人については、みなし大企業として中小企業者の範囲から外れ、①法人税の軽減税率、②貸倒引当金の損金算入、③欠損金等の繰越控除の控除限度額、④欠損金の繰戻しによる還付、⑤交際費の定額控除限度額を適用することはできないとしている。
 なお、大規模法人には、資本金の額等が5億円以上である法人との間に完全支配関係がある法人も該当することになっているので留意したい。

特定同族会社の判定、発行済株式総数からは議決権のない株式を控除

 企業が誤りやすい項目としていまだに挙げられるのが、特定同族会社の判定だ。特定同族会社の特別税率の規定の適用を受ける特定同族会社とは、発行済株式の50%超を1株主グループにより支配されている会社で、被支配会社であることについての判定の基礎となった株主等のうちに被支配会社でない法人がある場合には、当該法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定するものとした場合においても被支配会社となるものとされる(法法67条)。
 判定の基礎となる株主等については、株主等と特殊の関係のある個人及び法人を持ち株数に含めることになるが、これを含めず特定同族会社に該当しないとして留保金課税を適用しない事例があるという。また、発行済株式総数には議決権のない株式数は含めないこととされているが、これを含めて判定したことにより特定同族会社に該当しないとした事例も見受けられている。
大会社の子会社に該当することが明確も
 また、別表二「同族会社等の判定に関する明細書」の「判定基準となる株主等の株式数等の明細」の各欄に記載されている内容から判断すると、資本金の額等が5億円以上の法人との間に完全支配関係がある法人(大法人の子会社)に該当することが明らかであっても、「判定結果」欄の記載漏れや誤りにより留保金課税を適用していないケースも散見されているという。
 そのほか、前期末配当等の額及び当期末配当等の額(平18.5.1以後にその支払に係る基準日がある配当等の額)については、会社法施行後、期末配当は別表四で留保所得とし、別表三(一)の留保金額の計算で留保所得に当期末配当を減算し、前期末配当を加算する調整が必要となっているが、その調整を誤っている事例もあるので留意したい点だ。

特定新規設立法人に該当も消費税申告を行わない事例あり
 消費税で誤りやすい事例としては、特定新規設立法人の判定が挙げられる。特定新規設立法人(代表者が発行済株式の50%超を保有しており、かつ、代表者が発行済株式の100%を保有する他の法人の基準期間に相当する期間の課税売上高が5億円を超えている場合)に該当する場合には、基準期間がない場合であっても消費税の申告が免除されないこととされているが、新設法人に該当するものとして消費税の申告を行っていなかった事例があるという。

益金不算入対象となる株式等の区分を誤るケース

 受取配当等の益金不算入については、対象とならない①公社債の利子の額、②公社債投資信託等、MMF(追加型公社債投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)等の証券投資信託の収益の分配の額(外国株価指数連動型特定株式投資信託以外の特定株式投資信託の収益の分配の額を除く)、③オープン投資信託の特別分配金の額、④外国法人、特定目的会社、投資法人から受ける配当等の額、⑤匿名組合契約に基づいて受ける利益の分配の額について適用している事例が例年見受けられているというので留意したい(表1参照)。

 また、平成27年度税制改正では、益金不算入の対象となる株式等の区分及び益金不算入割合の改正が行われているが(表2参照)、いまだに区分を誤る事例があるという。

 具体的には、平成27年3月31日以前に開始する事業年度の株式区分を平成27年4月1日以後に開始する事業年度にも適用し、「非支配目的株式等」に該当する「特定株式投資信託の受益権」を「その他株式等」と記載し、誤った益金不算入割合を適用しているというものである。
役員賞与、別表四に加算しなかったケースも
 そのほか、役員給与関係では、役員に対して支給する役員賞与について、事前確定届出給与に該当しないにもかかわらず、別表四に加算していなかった事例があるほか、使用人兼務役員とされない監査役や、同族会社の特定役員に対して、使用人の職務に対する給与を支給し、損金の額に算入していた事例もあるという。気を付けておきたい点だ。

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