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解説記事2021年06月21日 税制改正解説 令和3年度における所得税関係の改正について(2021年6月21日号・№887)

税制改正解説
令和3年度における所得税関係の改正について
 美崎真実


 ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現、家計の暮らしと民需の下支え等の観点から、事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度及び認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例の創設、中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の特例の延長等、納税環境の整備、租税特別措置の見直し等所要の措置を講ずることを内容とした「所得税法等の一部を改正する法律」は、国会における審議を経て令和3年3月26日に参議院本会議で可決・成立し、3月31日に関係政省令とともに公布され、原則として4月1日から施行されている。
 以下これらの改正内容について概要を説明する。

所得税法等の改正

1 国又は地方公共団体が行う保育その他の子育てに対する助成事業等により支給される金品の非課税措置の創設(所法9等関係)
(1)改正の内容

 国又は地方公共団体が保育その他の子育てに対する助成を行う事業その他これに類する一定の事業により、その業務を利用する者の居宅その他の場所において保育その他の日常生活を営むのに必要な便宜の供与を行う業務又は認可外保育施設その他の一定の施設の利用に要する費用に充てるため支給される金品については、所得税を課さないこととされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年分以後の所得税について適用される。

2 退職所得課税の見直し(所法30等関係)
(1)改正の内容

① 短期退職手当等に係る退職所得の金額は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次の金額とされた。
 イ 当該短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が300万円以下である場合……当該残額の2分の1に相当する金額
 ロ 上記イに掲げる場合以外の場合……150万円と当該短期退職手当等の収入金額から300万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額
② 上記①の見直しに伴い、退職手当等に係る源泉徴収税額の計算方法及び退職所得の受給に関する申告書の記載事項等について、所要の整備が行われた。
(2)適用関係
 上記(1)①の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

3 減価償却資産の範囲の改正(所令6関係)
(1)改正の内容

 無形固定資産となる電気ガス供給施設利用権に、電気事業法の配電事業を営む者に対して電気の供給施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して電気の供給を受ける権利が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年4月1日から施行される。

4 非課税貯蓄申告書の電子提出の特例の創設等の障害者等の少額預金の利子所得等の非課税措置等の改正(所法10等関係)
(1)改正の内容

① 非課税貯蓄申告書等の電子提出の特例
 イ 障害者等の少額預金の利子所得等の非課税措置について次に掲げる書類の金融機関の営業所等に対する書面による提出に代えて、その金融機関の営業所等に対してその書類に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その書類の提出があったものとみなすこととされた。
 (イ)非課税貯蓄申込書
 (ロ)非課税貯蓄申告書
 (ハ)非課税貯蓄限度額変更申告書
 (ニ)非課税貯蓄に関する資格喪失届出書
 (ホ)非課税貯蓄申込書を提出する者が告知をすべき事項を記載した帳簿の作成に係る申請書
 (ヘ)非課税貯蓄申込書を提出する者が告知をすべき事項を記載した帳簿の記載事項の変更届出書
 (ト)非課税貯蓄に関する異動申告書
 (チ)非課税貯蓄廃止申告書
 (リ)非課税貯蓄者死亡届出書
 (ヌ)非課税貯蓄相続申込書
 ロ 公共法人等及び公益信託等に係る非課税措置について公社債等の利子等の非課税申告書の金融機関等の営業所等又は支払者に対する書面による提出に代えて、その金融機関等の営業所等又は支払者に対してその申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その申告書の提出があったものとみなすこととされた。
② 障害者等の少額預金の利子所得等の非課税措置について非課税貯蓄申告書又は非課税貯蓄限度額変更申告書の提出をする者がその氏名等を金融機関の営業所等の長に告知をする場合において、これらの申告書へのその告知をした事項につき確認した旨のその金融機関の営業所等の長の証印を要しないこととし、金融機関の営業所等の長は、その告知があった事項につき確認した旨をこれらの申告書に記載しなければならないこととされた。また、非課税貯蓄申込書又は非課税貯蓄相続申込書の提出を受けた金融機関の営業所等が行うこととされていた通帳等への本非課税措置の対象である旨の証印についても同様とされた。 
③ 障害者等の少額預金の利子所得等の非課税措置の適用対象となる障害者等の範囲に、複数事業労働者傷病年金を受けている者及び複数事業労働者障害年金を受けている者並びに複数事業労働者遺族年金を受けている遺族(妻に限る。)である者が加えられた。
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、令和3年4月1日以後に金融機関の営業所等に対して行う電磁的方法による上記(1)①イに掲げる書類に記載すべき事項の提供について適用される。
② 上記(1)①ロの改正は、令和3年4月1日以後に金融機関等の営業所等又は支払者に対して行う電磁的方法による公社債等の利子等の非課税申告書に記載すべき事項の提供について適用される。
③ 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日以後に提出する非課税貯蓄申告書及び非課税貯蓄限度額変更申告書について適用し、同日前に提出した非課税貯蓄申告書及び非課税貯蓄限度額変更申告書については従前どおりとされている。
④ 上記(1)③の改正は、令和3年4月1日以後に提出する非課税貯蓄申告書等について適用し、同日前に提出した非課税貯蓄申告書等については従前どおりとされている。

5 家事関連費等の必要経費不算入等の改正(所法45関係)
(1)改正の内容

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正に伴い、居住者が納付する同法の課徴金及び延滞金の額は、必要経費に算入しないこととされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(令和3年8月1日)から施行される。

6 寄附金控除制度の改正(所法78等関係)
(1)改正の内容

① 適用対象となる特定公益増進法人の主たる目的である業務に関連する寄附金から出資に関する業務に充てられることが明らかな寄附金が除外された。
② 適用対象となる特定公益増進法人の範囲に、定款に試験研究地方独立行政法人の試験研究の成果を活用する事業等を実施する者に対する出資を行う旨の定めがある地方独立行政法人が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日以後に支出する特定寄附金等について適用し、個人が同日前に支出した特定寄附金等については従前どおりとされている。

7 確定申告義務の見直し等の改正(所法120等関係)
(1)改正の内容

 所得税の確定所得申告について、その計算した所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合であっても、控除しきれなかった外国税額控除の額があるとき、控除しきれなかった源泉徴収税額があるとき、又は控除しきれなかった予納税額があるときは、その申告書の提出を要しないこととされた。これに伴い、決定による源泉徴収税額等の還付及び決定による予納税額の還付の規定が削除された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、改正前の所得税法の規定による確定申告期限が令和4年1月1日以後となる所得税の確定申告書(通常は、令和3年分以後の確定申告書)について適用し、その確定申告期限が同日前となる所得税の確定申告書については従前どおりとされている。

8 給与所得者等の源泉徴収に関する申告書の電子提出の改正(所法198等関係)
(1)改正の内容

 給与所得者等の源泉徴収に関する申告書の電子提出を受けるための税務署長の承認に係る手続等を廃止することとされ、給与支払者等が電子提出を適正に受けるための必要な措置を講じていること等の要件を満たしている場合には、給与所得者等が源泉徴収に関する申告書の電子提出を行うことができることとされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日以後に行う源泉徴収に関する申告書の電子提出について適用し、同日前に行った源泉徴収に関する申告書の電子提出については従前どおりとされている。

9 償還金等の支払調書の改正(所令352の2関係)
(1)改正の内容

 交付を受ける償還金等が支払調書制度の対象となる内国法人の範囲に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の敷地分割組合が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第62号)の施行の日から施行される。

10 支払調書等の提出の特例の改正(所規97の4等関係)
(1)改正の内容

 電子情報処理組織を利用した調書等の提供方法に、特定ファイルに記載事項を記録し、かつ、税務署長に対して、特定ファイルに記録されたその記載事項を閲覧し、及び国税庁の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する権限を付与する方法による提供(いわゆるクラウド等を利用した提供)が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年1月1日から施行される。

11 確定拠出年金制度等の改正に伴う所得税法関係の整備(所令70関係)
(1)改正の内容

 確定拠出年金制度等の改正に伴い、退職所得控除額の計算の特例等について整備が行われた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年4月1日以後に支払を受けるべき確定拠出年金法の老齢給付金として支給を受ける一時金について適用し、同日前に支払を受けるべき確定拠出年金法の老齢給付金として支給を受ける一時金については従前どおりとされている。

租税特別措置法等(所得税関係)の改正

第一 土地・住宅税制の改正

1 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の特例等の改正(新型コロナ税特法6の2等関係)
(1)改正の内容

① 住宅ローン税額控除に係る居住の用に供する期間等の特例措置
  次のとおり住宅ローン税額控除に係る居住の用に供する期間等の特例が措置された。
 イ 住宅の新築取得等(床面積が50㎡以上の住宅の取得等又は床面積が50㎡以上の認定住宅の新築等をいう。以下同じ。)で特別特例取得に該当するものをした者が、その特別特例取得をした家屋を令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、その他の要件については現行と同様の要件の下で、住宅ローン税額控除、認定住宅の住宅ローン税額控除の特例及び東日本大震災の被災者等に係る住宅ローン税額控除の控除額に係る特例並びにこれらの控除の控除期間の3年間延長の特例を適用することができる。
 ロ 個人又は住宅被災者が、特例住宅の新築取得等(床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅の取得等又は床面積が40㎡以上50㎡未満の認定住宅の新築等をいう。以下同じ。)で特例特別特例取得に該当するものをした場合には、上記イの住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に係る居住の用に供する期間の特例を適用することができる。ただし、その者の13年間の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える年については、このロの特例は適用されない。
 ハ 上記イの「特別特例取得」及び上記ロの「特例特別特例取得」とは、それぞれその取得に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等相当額が、その取得に係る課税資産の譲渡等につき現行の消費税率により課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額の合計額に相当する額である場合における住宅の新築取得等又は特例住宅の新築取得等のうち、その契約が次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める期間内に締結されているものをいう。
 (イ)家屋の新築……令和2年10月1日から令和3年9月30日までの期間
 (ロ)家屋の取得又は家屋の増改築等……令和2年12月1日から令和3年11月30日までの期間
 ニ 要耐震改修住宅を耐震改修した場合の特例についても上記イからハまでと同様の特例が措置されるほか、所要の改正が行われている。
② 住宅ローン税額控除の適用対象となる既存住宅又は要耐震改修住宅であることの税務署長による確認
  税務署長が納税者から提出された書類に記載された既存住宅又は要耐震改修住宅に係る不動産識別事項等を使用して、入手等をした既存住宅又は要耐震改修住宅の登記事項証明書に係る情報により床面積要件等を満たすことの確認ができた住宅を、住宅ローン税額控除の適用対象となる既存住宅又は要耐震改修住宅に含めることとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和3年4月1日から施行され、家屋を令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合について適用される。
② 上記(1)②の改正は、令和4年1月1日以後に確定申告書を提出する場合について適用し、同日前に確定申告書を提出した場合については従前どおりとされている。

2 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の改正(措法31の2等関係)
(1)改正の内容

① マンション敷地売却事業を実施する者に対する土地等の譲渡の特例の改正
  適用対象となるマンション敷地売却事業について、その認定買受計画に決議特定要除却認定マンション(改正前:決議要除却認定マンション)を除却した後の土地に新たに建築されるマンションに関する事項等の記載があるマンション敷地売却事業とされた。
② 都市計画法の改正に伴う所要の規定の整備
  優良な建築物の建築をする事業を行う者に対する土地等の譲渡の特例及び特定の民間再開発事業の施行者に対する土地等の譲渡の特例の対象となる譲渡については、地区施設の範囲を都市計画法の改正前と同様とするための所要の規定の整備が行われた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第62号)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日から施行される。
② 上記(1)②の改正は、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律(令和3年法律第31号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日から施行される。

3 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の改正(措規14関係)
(1)改正の内容

① 電気事業法に規定する配電事業に係る改正
  電気事業法に特定の配電エリアにおいて電気を供給する配電事業の類型が新たに設けられたことに伴い、簡易証明制度の対象とされている送電施設又は変電施設に係る部分について、その配電事業の用に供するために設置される送電施設又は使用電圧5万ボルト以上の変電施設が追加された。
② 東日本大震災復興特別区域法に規定する復興推進計画に係る改正
  東日本大震災復興特別区域法に規定する復興推進計画及び復興整備計画の作成主体について、東日本大震災からの復興に向けた取組を重点的に推進する必要があると認められる区域である地方公共団体とされたことに伴い、特例の適用対象となる一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に関する事業がその地方公共団体の区域(改正前:特定被災区域)内において行われるものとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和4年4月1日から施行される。
② 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日から施行されている。

4 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例等の改正(措法33の3等関係)
(1)改正の内容

① 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例の改正
  個人が、その有する資産につき敷地分割事業が実施された場合において、その資産に係る敷地権利変換により分割後資産を取得したときは、譲渡所得の金額の計算については、その敷地権利変換により譲渡した資産の譲渡がなかったものとみなすこと等とされた。
② 収用交換等により取得した代替資産等の取得価額の計算の改正
  上記①の特例の適用を受けた者が、その敷地権利変換によって取得した分割後資産をその取得の日以後に譲渡、贈与などをした場合において、譲渡所得の金額を計算するときは、敷地権利変換により譲渡した資産の取得の時期をもってその分割後資産の取得の時期とし、敷地権利変換により譲渡した資産の取得価額並びに設備費及び改良費の額の合計額のうち、分割後資産に対応する部分の金額をその分割後資産の取得価額とすること等とされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第62号)の施行の日から施行される。

5 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の改正(措法34の2関係)
(1)改正の内容

① 特定の民間住宅地造成事業のための土地等の譲渡の特例の改正
  適用対象となる特定の民間住宅地造成事業のための土地等の譲渡について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年12月31日まで3年延長された。
 イ 適用対象から開発許可を受けて行われる一団の宅地造成事業に係る土地等の譲渡が除外された。
 ロ 適用対象となる土地区画整理事業として行われる一団の宅地造成事業に係る土地等の譲渡について、施行地区の全部が市街化区域に含まれる土地区画整理事業として行われる一団の宅地造成事業に係る土地等の譲渡に限定された。
② マンション敷地売却事業が実施された場合の譲渡の特例の改正
  適用対象となるマンション敷地売却事業について、通行障害既存耐震不適格建築物に該当する決議特定要除却認定マンション(改正前:決議要除却認定マンション)の敷地の用に供されている土地等につき実施されたマンション敷地売却事業とされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、個人が令和3年4月1日以後に行う土地等の譲渡について適用し、個人が同日前に行った土地等の譲渡については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第62号)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日から施行される。

6 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除の改正(措規18関係)
(1)改正の内容

 農地中間管理機構に対し農地売買等事業のために農用地区域内にある農地等を譲渡した場合の特例の適用を受ける場合について、確定申告書に添付する書類の範囲に「福島県知事のその農地等に係る権利の移転につき農用地利用集積等促進計画を定めたことの公告をした旨及びその公告の年月日を証する書類」が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日から施行されている。

7 特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例等の改正(措法37等関係)
(1)改正の内容

 過疎地域の外から内への買換えに係る措置及び防災再開発促進地区のうち危険密集市街地内における防災街区整備事業に関する都市計画の実施に伴う買換えに係る措置は、その適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって制度の対象から除外された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日前に行った資産の譲渡については従前どおりとされている。

第二 金融・証券税制の改正

1 利子所得の分離課税等の改正(措法3等関係)
(1)改正の内容

 同族会社が発行した社債の利子で、その同族会社の判定の基礎となる株主である法人がその支払を受ける個人(以下「対象者」という。)と特殊の関係のある法人である場合におけるその対象者及び対象者の親族等が支払を受けるものについて、総合課税の対象となる「特定公社債以外の公社債の利子」に追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、居住者等が令和3年4月1日以後に支払を受けるべき特定公社債以外の公社債の利子について適用し、居住者等が同日前に支払を受けるべき特定公社債以外の公社債の利子については従前どおりとされている。

2 特別非課税貯蓄申告書の電子提出の特例の創設等の障害者等の少額公債の利子の非課税措置等の改正(措法4等関係)
(1)改正の内容

① 申告書等の電子提出の特例の創設等
イ 障害者等の少額公債の利子の非課税措置について、次に掲げる書類の販売機関の営業所等に対する書面による提出に代えて、その販売機関の営業所等に対してその書類に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その書類の提出があったものとみなすこととされた。
(イ)特別非課税貯蓄申込書
(ロ)特別非課税貯蓄申告書
(ハ)特別非課税貯蓄限度額変更申告書
(ニ)特別非課税貯蓄に関する資格喪失届出書
(ホ)特別非課税貯蓄申込書を提出する者が告知をすべき事項を記載した帳簿の作成に係る申請書
(ヘ)特別非課税貯蓄申込書を提出する者が告知をすべき事項を記載した帳簿の記載事項の変更届出書
(ト)特別非課税貯蓄に関する異動申告書
(チ)特別非課税貯蓄廃止申告書
(リ)特別非課税貯蓄者死亡届出書
(ヌ)特別非課税貯蓄相続申込書
ロ 国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等について、国外公社債等の利子等の源泉徴収不適用申告書の支払の取扱者に対する書面による提出に代えて、その支払の取扱者に対してその申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その申告書の提出があったものとみなすこととされた。
ハ 特定寄附信託の利子所得の非課税措置について、特定寄附信託申告書及び特定寄附信託異動申告書の特定寄附信託の受託者の営業所等に対する書面による提出に代えて、その特定寄附信託の受託者の営業所等に対してこれらの申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、これらの申告書の提出があったものとみなすこととされた。
  また、特定寄附信託申告書に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合には、特定寄附信託の受託者の営業所等に対する書面による特定寄附信託契約の契約書の写しの提出に代えて、その特定寄附信託の受託者の営業所等に対してその写しに記載されるべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供を行った居住者は、その申告書にその写しを添付して、提出したものとみなすこととされた。
ニ 金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の不適用について、金融機関が支払を受ける収益の分配に対する源泉徴収不適用に係る明細書の支払の取扱者に対する書面による提出に代えて、その支払の取扱者に対してその明細書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その明細書の提出があったものとみなすこととされた。
ホ 公募株式等証券投資信託の受益権を買い取った金融商品取引業者等が支払を受ける収益の分配に係る源泉徴収の特例について、公募株式等証券投資信託の受益権を買い取った金融商品取引業者等が支払を受ける収益の分配に係る源泉徴収不適用申告書の支払者に対する書面による提出に代えて、その支払者に対してその申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行うことができることとされた。この場合において、その提供があったときは、その申告書の提出があったものとみなすこととされた。
② 障害者等の少額公債の利子の非課税措置について特別非課税貯蓄申告書又は特別非課税貯蓄限度額変更申告書の提出をする者がその氏名等を販売機関の営業所等の長に告知をする場合において、これらの申告書へのその告知をした事項につき確認した旨のその販売機関の営業所等の長の証印を要しないこととし、販売機関の営業所等の長はその告知があった事項につき確認をした旨をこれらの申告書に記載しなければならないこととされた。また、特別非課税貯蓄申込書又は特別非課税貯蓄相続申込書の提出を受けた販売機関の営業所等が行うこととされていた通帳等への本非課税措置の対象である旨の証印についても同様とされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、令和3年4月1日以後に販売機関の営業所等に対して行う電磁的方法による上記(1)①イに掲げる書類に記載すべき事項の提供について適用される。
② 上記(1)①ロの改正は、令和3年4月1日以後に支払の取扱者に対して行う電磁的方法による国外公社債等の利子等の源泉徴収不適用申告書に記載すべき事項の提供について適用される。
③ 上記(1)①ハの改正は、令和3年4月1日以後に特定寄附信託の受託者の営業所等に対して行う電磁的方法による特定寄附信託申告書及び特定寄附信託異動申告書に記載すべき事項並びに特定寄附信託契約の契約書の写しに記載されるべき事項の提供について適用される。
④ 上記(1)①ニの改正は、令和3年4月1日以後に支払の取扱者に対して行う電磁的方法による金融機関が支払を受ける収益の分配に対する源泉徴収不適用に係る明細書に記載すべき事項の提供について適用される。
⑤ 上記(1)①ホの改正は、令和3年4月1日以後に支払者に対して行う電磁的方法による公募株式等証券投資信託の受益権を買い取った金融商品取引業者等が支払を受ける収益の分配に係る源泉徴収不適用申告書に記載すべき事項の提供について適用される。
⑥ 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日以後に提出する特別非課税貯蓄申告書及び特別非課税貯蓄限度額変更申告書について適用し、同日前に提出した特別非課税貯蓄申告書及び特別非課税貯蓄限度額変更申告書については従前どおりとされている。

3 勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税措置の改正(措法4の3の2等関係)
(1)改正の内容

① 勤労者、勤務先の長、事務代行先の長又は金融機関の営業所等の長(以下「提出者」という。)は、財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申込書等の提出を受けるべき者(提出者の提出書類の区分に応じた提出先をいう。以下「提出先」という。)に対して、その財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申込書等に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとされた。提出者が提出先に記載事項を電磁的方法により提供した場合は、その提出者は、その記載事項に係る財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申込書等を提出先に提出したものとみなすこととされた。
② 財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申告書に記載された勤務先(以下「前の勤務先」という。)から前の勤務先以外の勤務先(以下「他の勤務先」という。)への異動があり、かつ、その異動が子会社への出向等の一定の場合に該当する場合には、他の勤務先の長は、その該当する個人の全員につき、これらの個人の財産形成非課税住宅(年金)貯蓄の勤務先異動申告書の提出に代えて、その申告書と同様の事項を記載した書類を一括して提出できることとされた。
③ 財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申告書に記載された勤務先の名称変更等の一定の事由が生じた場合において、その事由が生じた個人の全員につき、勤務先が、これらの個人の財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書の提出に代えて、その申告書と同様の事項を記載した書類を一括して提出することができることとする現行の取扱いが、法令に規定された。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和3年4月1日以後に行う電磁的方法による記載事項の提供について適用される。
② 上記(1)②③の改正は、令和3年4月1日以後に勤務先の長が行う書類の提出について適用される。

4 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の改正(措法37の10等関係)
(1)改正の内容

 同族会社が発行した社債の償還金等で、その同族会社の判定の基礎となる株主である法人がその交付を受ける個人(以下「対象者」という。)と特殊の関係のある法人である場合におけるその対象者及び対象者の親族等が交付を受けるものについて、本特例(申告分離課税)の対象となる一般株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなされる金額から除外された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、居住者等が令和3年4月1日以後に交付を受けるべき特定公社債以外の公社債の償還金等について適用し、居住者等が同日前に交付を受けるべき特定公社債以外の公社債の償還金等については従前どおりとされている。

5 特定管理株式等が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の改正(措法37の11の2等関係)
(1)改正の内容

① 特例の適用対象から特定保有株式が除外された。
② 特定管理口座開設届出書の書面による提出に代えて行う電磁的方法によるその届出書に記載すべき事項の提供の際に併せて行うこととされていた「その者の住所等確認書類の提示又はその者の特定署名用電子証明書等の送信」が不要とされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和3年分以後の所得税について適用し、令和2年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日以後に行われる特定管理口座開設届出書の提出について適用し、同日前に行われた特定管理口座開設届出書の提出については従前どおりとされている。

6 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の改正(措法37の11の4等関係)
(1)改正の内容

① 特定口座内保管上場株式等移管依頼書の書面による提出に代えて、その依頼書に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとされた。
② 次に掲げる届出書等について、これらの届出書等の書面による提出に代えて行う電磁的方法によるこれらの届出書等に記載すべき事項の提供の際に併せて行うこととされていた「その者の住所等確認書類の提示又はその者の特定署名用電子証明書等の送信」が不要とされた。
 イ 特定口座への非課税口座内上場株式等移管依頼書
 ロ 特定口座への未成年者口座内上場株式等移管依頼書
 ハ 特定口座源泉徴収選択届出書
 ニ 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書
 ホ 源泉徴収選択口座内配当等受入終了届出書
 ヘ 勘定の設定若しくは廃止又は営業所の移管に係る特定口座異動届出書
③ 居住者等の源泉徴収選択口座を開設している金融商品取引業者等は、その源泉徴収選択口座においてその年中に行われた対象譲渡等につきその者が締結した投資一任契約に基づきその金融商品取引業者等に支払うべき費用の額のうちその対象譲渡等に係る事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額でその年12月31日において取得費等の金額の総額並びに信用取引に係る差益金額及び差損金額の計算上処理された金額に含まれないものがある場合には、その居住者等に対し、その費用の金額(その金額がその源泉徴収選択口座においてその年最後に行われた対象譲渡等に係る源泉徴収口座内通算所得金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)の15%相当額の所得税を還付しなければならないこととされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和3年4月1日以後に行われる特定口座内保管上場株式等移管依頼書の提出について適用し、同日前に提出した特定口座内保管上場株式等移管依頼書については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日以後に行われる上記(1)②に掲げる届出書等の提出について適用し、同日前に行われた上記(1)②に掲げる届出書等の提出については従前どおりとされている。

7 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の改正(措法37の13等関係)
改正の内容

 沖縄振興特別措置法第57条の2第1項に規定する指定会社について、同項の規定に基づく指定期限が令和4年3月31日まで1年延長された。

8 株式等を対価とする株式の譲渡に係る譲渡所得等の課税の特例の創設(措法37の13の3等関係)
(1)改正の内容

 個人が、所有株式を発行した法人を会社法に規定する株式交付子会社とする株式交付によりその所有株式の譲渡をし、その株式交付に係る会社法に規定する株式交付親会社の株式の交付を受けた場合(その株式交付により交付を受けたその株式交付親会社の株式の価額がその株式交付により交付を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額のうちに占める割合が100分の80に満たない場合を除く。)には、その譲渡をした所有株式(その株式交付により交付を受けた金銭又は金銭以外の資産(その株式交付親会社の株式を除く。)がある場合には、その所有株式のうち、その株式交付により交付を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額(その株式交付親会社の株式の価額を除く。)に対応する部分以外のものとして一定の部分に限る。)の譲渡がなかったものとみなし、その譲渡に係る事業所得、譲渡所得及び雑所得の課税を繰り延べることとされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日以後に行われる株式交付について適用される。

9 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る譲渡所得等の課税の特例の廃止(旧措法37の13の3等関係)
(1)改正の内容

 認定の期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日前に受けた認定に係る特別事業再編計画に係る特別事業再編による株式等の譲渡については従前どおりとされている。

10 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置等の改正(措法37の14等関係)
(1)改正の内容

① 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(一般NISA、つみたてNISA及び新NISA)の改正
 イ 次に掲げる届出書等について、これらの届出書等の書面による提出に代えて行う電磁的方法によるこれらの届出書等に記載すべき事項の提供の際に併せて行うこととされていた「その者の住所等確認書類の提示又はその者の特定署名用電子証明書等の送信」が不要とされた。
 (イ)金融商品取引業者等変更届出書
 (ロ)非課税口座廃止届出書
 (ハ)特定口座以外の他の保管口座への非課税口座内上場株式等移管依頼書
 (ニ)非課税口座内上場株式等移管依頼書
 (ホ)未成年者口座非課税口座間移管依頼書
 (ヘ)特定累積投資上場株式等受入選択不適用届出書
 (ト)勘定の変更等に係る非課税口座異動届出書
 (チ)非課税口座移管依頼書
 ロ 個人番号を告知していない非課税口座開設者の非課税管理勘定の再設定等の手続の整備が行われた。
② 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)の改正
  次に掲げる届出書等について、これらの届出書等の書面による提出に代えて行う電磁的方法によるこれらの届出書等に記載すべき事項の提供の際に併せて行うこととされていた「その者の住所等確認書類の提示又はその者の特定署名用電子証明書等の送信」が不要とされた。
 イ 未成年者口座廃止届出書
 ロ 未成年者口座内上場株式等移管依頼書
 ハ 特定口座以外の他の保管口座への未成年者口座内上場株式等移管依頼書
 ニ 未成年者口座移管依頼書
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、令和3年4月1日以後に行われる上記(1)①イに掲げる届出書等の提出について適用し、同日前に行われた上記(1)①イに掲げる届出書等の提出については従前どおりとされている。
② 上記(1)①ロの改正は、令和3年4月1日から施行されている。
③ 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日以後に行われる上記(1)②に掲げる届出書等の提出について適用し、同日前に行われた上記(1)②に掲げる届出書等の提出については従前どおりとされている。

11 割引債の差益金額に係る源泉徴収等の特例の改正(措令26の17関係)
(1)改正の内容

 特例の適用対象となる内国法人の範囲に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の敷地分割組合が追加された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第62号)の施行の日から施行される。

第三 事業所得等に係る税制の改正

1 事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除制度の創設(措法10の5の6関係)
(1)改正の内容

 次の①から③までの措置によって構成される制度が創設された。
① 青色申告書を提出する個人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律(以下「産競法等改正法」という。)の施行の日から令和5年3月31日までの間に、情報技術事業適応の用に供するために特定ソフトウエアの新設若しくは増設をし、又は情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)を支出する場合において、その新設又は増設に係る特定ソフトウエア並びにその特定ソフトウエア又はその利用するソフトウエアとともに情報技術事業適応の用に供する機械装置及び器具備品の取得等をして、その個人の事業の用に供したときは、その事業の用に供した日の属する年において、その取得価額(下記②の措置の対象となる資産と合計して300億円が上限とされている。)の30%相当額の特別償却又はその取得価額の3%(情報技術事業適応のうち産業競争力の強化に著しく資する一定のものの用に供するものについては、5%)相当額の税額控除(税額控除額は、下記②の措置及び下記③の措置の税額控除と合計して調整前事業所得税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができる措置
② 青色申告書を提出する個人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、産競法等改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合には、その支出した日の属する年において、その支出した費用に係る繰延資産の額(上記①の措置の対象となる資産と合計して300億円が上限とされている。)の30%相当額の特別償却又はその繰延資産の額の3%(情報技術事業適応のうち産業競争力の強化に著しく資する一定のものを実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用に係る繰延資産については、5%)相当額の税額控除(税額控除額は、上記①の措置及び下記③の措置の税額控除と合計して調整前事業所得税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができる措置
③ 青色申告書を提出する個人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者(その認定事業適応計画(エネルギー利用環境負荷低減事業適応に関するものに限る。)にその計画に従って行うエネルギー利用環境負荷低減事業適応のための措置として生産工程効率化等設備等を導入する旨の記載があるものに限る。)であるものが、産競法等改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に、その計画に記載された生産工程効率化等設備等の取得等をして、その個人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日の属する年において、その取得価額(500億円が上限とされている。)の50%相当額の特別償却又はその取得価額の5%(その生産工程効率化等設備等のうちエネルギーの利用による環境への負荷の低減に著しく資する一定のものについては、10%)相当額の税額控除(税額控除額は、上記①の措置及び上記②の措置の税額控除と合計して調整前事業所得税額の20%相当額が上限とされている。)との選択適用ができる措置
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、産競法等改正法の施行の日から施行される。

2 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の改正(措法10等関係)
(1)改正の内容

① 試験研究費の額について、次の見直しが行われた。
 イ 試験研究のために要する費用の額で、研究開発費として経理をした金額のうち、棚卸資産若しくは固定資産(事業の用に供する時において試験研究の用に供する固定資産を除く。)の取得に要した金額とされるべき費用の額又は繰延資産(試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除く。)となる費用の額が追加された。
 ロ 上記イの見直しに伴い、上記イの固定資産又は繰延資産の償却費等の額が除外された。
 ハ 上記イの見直しに伴い、売上原価等の額が除外された。
 ニ 新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究に該当しない試験研究のために要する費用の額が除外された。
② 一般試験研究費の額に係る税額控除制度
 イ 税額控除割合が、次の区分に応じそれぞれ次の割合(上限:10%)とされた。
 (イ)(ロ)以外の場合……10.145%−{(9.4%−増減試験研究費割合)×0.175}(税額控除割合の下限:2%)
 (ロ)その年が開業年である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
 ロ 令和4年及び令和5年の各年分については、上記イにかかわらず、税額控除割合は次の区分に応じそれぞれ次の割合(上限:14%)とされた。
 (イ)増減試験研究費割合が9.4%を超える場合((ハ)の場合を除く。)……10.145%+{(増減試験研究費割合−9.4%)×0.35}
 (ロ)増減試験研究費割合が9.4%以下である場合((ハ)の場合を除く。)……10.145%−{(9.4%−増減試験研究費割合)×0.175}(税額控除割合の下限:2%)
 (ハ)その年が開業年である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
 ハ 試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除割合の特例の適用期限が、令和5年まで2年延長された。
 ニ 令和4年及び令和5年の各年分のうち基準年比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年試験研究費の額を超える年分については、控除上限額に調整前事業所得税額の5%相当額を加算することとされた。
 ホ 試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除額の上限の特例の適用期限が、令和5年まで2年延長された。
③ 中小企業技術基盤強化税制
 イ 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例のうち税額控除割合を割り増す部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の措置に見直され、その特例における逓増率が0.3から0.35に引き上げられた上、その適用期限が令和5年まで2年延長された。
 ロ 試験研究費割合が10%を超える場合の特例のうち税額控除割合を割り増す部分の適用期限が令和5年まで2年延長された。
 ハ 上記②ニと同様の見直しが行われた。
 ニ 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例のうち税額控除額の上限を引き上げる部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える年分(開業年の年分及び比較試験研究費の額が0である年分を除く。)の控除上限額に調整前事業所得税額の10%相当額を加算する措置とされた上、その適用期限が令和5年まで2年延長された。
 ホ 試験研究費割合が10%を超える場合の特例のうち税額控除額の上限を割り増す部分について、増減試験研究費割合が9.4%を超える場合には適用しないこととされた上、その適用期限が、令和5年まで2年延長された。
④ 特別試験研究費の額に係る税額控除制度
 イ 成果活用促進事業者との共同研究及び成果活用促進事業者への委託研究に係る税額控除割合が、25%とされた。
 ロ 特定中小企業者等に対する委託研究について、次の見直しが行われた。
 (イ)委任契約等により委託するもので、その委託に基づき行われる業務が試験研究に該当するものに限ることとされた。
 (ロ)委任契約等において、その試験研究の成果がその委託をする個人に帰属する旨を定めなければならないこととされた。
ハ 大学等との共同研究及び大学等に対する委託研究について、適用を受けようとする個人が中小事業者以外の個人である場合におけるその契約又は協定に定めるべき事項に試験研究に要する費用の見込額が追加され、その見込額は50万円を超えるものに限ることとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①~③の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)④イの改正は、個人が令和3年4月1日以後に支出する試験研究費の額について適用し、個人が同日前に支出した試験研究費の額については従前どおりとされている。
③ 上記(1)④ロの改正は、個人が令和3年4月1日以後に締結する委任契約等に基づいて行われる試験研究について適用し、個人が同日前に締結した契約又は協定に基づいて行われる試験研究については従前どおりとされている。
④ 上記(1)④ハの改正は、個人が令和3年4月1日以後に締結する契約又は協定に基づいて行われる試験研究について適用し、個人が同日前に締結した契約又は協定に基づいて行われる試験研究については従前どおりとされている。

3 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の廃止(旧措法10の2等関係)
(1)改正の内容

 この制度は廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした高度省エネルギー増進設備等及び一定の個人が同日から令和4年3月31日までの間に取得又は製作若しくは建設をする高度省エネルギー増進設備等で一定のものについては従前どおりとされている。

4 中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の3等関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上で、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
① 指定事業に、次の事業が追加された。
 イ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業で、生活衛生同業組合の組合員が行うもの
 ロ 不動産業
 ハ 物品賃貸業
② 対象資産から、匿名組合契約その他これに類する一定の契約の目的である事業の用に供するものが除外された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得又は製作をする特定機械装置等について適用し、個人が同日前に取得又は製作をした特定機械装置等については従前どおりとされている。

5 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の4等関係)
(1)改正の内容

 承認地域経済牽引事業に係る要件の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日から施行されている。

6 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の廃止(旧措法10の5の2等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした経営改善設備については従前どおりとされている。

7 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の3関係)
改正の内容

 適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。

8 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の所得税額の特別控除制度の改正(改正後:給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除制度)(措法10の5の4関係)
(1)改正の内容

① 個人が給与等の引上げ及び設備投資を行った場合に係る措置が改組され、青色申告書を提出する個人が、令和4年又は令和5年の各年において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、その年において次のイの要件を満たすときは、その個人のその年の控除対象新規雇用者給与等支給額(その年において地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除制度の適用を受ける場合には、その控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を控除した残額)の15%(その年において次のロの要件を満たす場合には、20%)相当額の税額控除ができる措置とされた。
 イ その個人の新規雇用者給与等支給額からその新規雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその新規雇用者比較給与等支給額に対する割合が2%以上であること。
 ロ その個人のその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額からその比較教育訓練費の額を控除した金額のその比較教育訓練費の額に対する割合が20%以上であること。
② 中小事業者が給与等の引上げを行った場合に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年まで2年延長された。
 イ 本措置の適用を受けるための要件である「その中小事業者の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が1.5%以上であること」との要件について、その中小事業者の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が1.5%以上であることとの要件とされた。
 ロ 税額控除割合を乗ずる基礎となる金額である「その雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額」について、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額を給与等の支給額から控除しないで計算することとされた上、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額を給与等の支給額から控除して計算した金額が上限とされた。
 ハ 税額控除割合が25%となる要件である「その中小事業者の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が2.5%以上であること」との要件について、その中小事業者の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が2.5%以上であることとの要件とされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

9 所得税の額から控除される特別控除額の特例の改正(措法10の6等関係)
(1)改正の内容

 特定税額控除制度の不適用措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和6年まで3年延長された。
① 特定税額控除制度に、上記1の制度の税額控除が追加された。
② 特定税額控除制度の不適用措置における個人の継続雇用者給与等支給額がその継続雇用者比較給与等支給額を超えることとの要件の判定上、継続雇用者給与等支給額及び継続雇用者比較給与等支給額の算定に際し、給与等の支給額から、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額のうち雇用調整助成金等の額を控除しないこととされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

10 特定設備等の特別償却制度の改正(改正後:特定船舶の特別償却制度)(措法11等関係)
(1)改正の内容

① 再生可能エネルギー発電設備等の特別償却制度は、適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された。
② 船舶の特別償却制度について、次の見直しが行われた上で、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
 イ 外航船舶について、経営合理化及び環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた。
 ロ 内航船舶について、次の見直しが行われた。
 (イ)対象船舶から、匿名組合契約(当事者の一方が相手方の事業のために出資をし、相手方がその事業から生ずる利益を分配することを約する契約を含む。)又は外国におけるこれに類する契約の目的である船舶貸渡業の用に供される船舶で、その貸付けを受けた者の沿海運輸業の用に供されるものが除外された。
 (ロ)経営合理化及び環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、個人が令和3年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした再生可能エネルギー発電設備等については従前どおりとされている。
② 上記(1)②イ及びロ(ロ)の改正は、令和3年4月1日から施行されている。
③ 上記(1)②ロ(イ)の改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得又は製作をする特定船舶について適用し、個人が同日前に取得又は製作をした船舶については従前どおりとされている。

11 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度の改正(措法11の3関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
① 対象者が中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月16日)から令和5年3月31日までの間に、中小企業等経営強化法の認定を受けた中小事業者とされ、対象資産がその認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までの間に、取得等をして、その特定中小事業者の事業の用に供した資産とされた。
② 令和5年4月1日以後に取得等をする特定事業継続力強化設備等の特別償却率が18%(改正前:20%)に引き下げられた。
③ 対象資産について、次の見直しが行われた。
 イ 対象資産に、機械及び装置並びに器具及び備品の部分について行う改良又は機械及び装置並びに器具及び備品の移転のための工事の施行に伴って取得し、又は製作するものを含むこととされた。
 ロ 対象資産から、資産の取得等に充てるために国または地方公共団体の補助金等の交付を受けた個人が、その補助金等をもって取得等をしたその補助金等の交付の目的に適合した資産等が除外された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得等をする特定事業継続力強化設備等について適用し、個人が同日前に取得等をした特定事業継続力強化設備等については従前どおりとされている。

12 特定地域における工業用機械等の特別償却制度の改正(措法12等関係)
(1)改正の内容

① 過疎地域に係る措置が改組され、青色申告書を提出する個人が、特定過疎地域持続的発展市町村計画に記載された計画期間の初日又は特定過疎地域持続的発展市町村計画が定められた日のいずれか遅い日から令和6年3月31日までの間に、過疎地域及び過疎地域に準ずる地域のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進される地区内において営む指定事業の用に供する対象設備の取得等をして、これをその地区内においてその個人の対象事業の用に供した場合には、その用に供した日以後5年以内の日の属する各年分において、その対象設備に係る産業振興機械等の普通償却額の32%(建物等及び構築物は、48%)相当額の割増償却ができる措置とされた。
② 特定地域における工業用機械等の特別償却措置のうち、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置、国際物流拠点産業集積地域に係る措置、経済金融活性化特別地区に係る措置及び沖縄の離島の地域に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が、令和4年3月31日まで1年延長された。
イ 産業高度化・事業革新促進地域に係る措置、国際物流拠点産業集積地域に係る措置及び経済金融活性化特別地区に係る措置の対象資産のうち特定高度情報通信技術活用システム(5G情報通信システム)に該当するものについては、その個人の認定導入計画に記載された認定特定高度情報通信技術活用設備に限ることとされた。
ロ 対象事業について、次のとおり見直された。
(イ)産業高度化・事業革新促進地域に係る措置の対象事業から、こん包業、機械設計業、経営コンサルタント業、エンジニアリング業、商品検査業及び研究開発支援検査分析業が除外された。
(ロ)国際物流拠点産業集積地域に係る措置の対象事業から、こん包業が除外された。
(ハ)経済金融活性化特別地区に係る措置の対象事業から、自然科学研究所に属する事業、法律事務所に属する事業、特許事務所に属する事業、公認会計士事務所に属する事業及び税理士事務所に属する事業が除外された。
③ 特定地域における産業振興機械等の割増償却のうち、半島振興対策実施地域に係る措置、離島振興対策実施地域に係る措置及び奄美群島に係る措置の適用期限が、令和5年3月31日まで2年延長された。
④ 特定地域における産業振興機械等の割増償却のうち、振興山村に係る措置は、適用期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和3年4月1日から施行されている。なお、令和3年12月31日(同日以前にその地域に係る特定過疎地域持続的発展市町村計画が定められた市町村の区域については、その定められた日の前日)までに取得等をした工業用機械等については従前どおりとされている。
② 上記(1)②イの改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得等をする減価償却資産について適用し、個人が同日前に取得等をした減価償却資産については従前どおりとされている。
③ 上記(1)②ロの改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得等をする工業用機械等について適用し、個人が同日前に取得等をした工業用機械等については従前どおりとされている。
④ 上記(1)④の改正は、個人が令和3年4月1日前に取得等をした産業振興機械等については従前どおりとされている。

13 医療用機器等の特別償却制度の改正(措法12の2等関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上で、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
① 医療用機器に係る措置における対象機器のうち診療所用のCT及びMRIについて、配置効率化要件が追加された。
② 医療用機器に係る措置における高度な医療の提供に資する機器について、対象機器の追加及び除外がされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、個人が令和3年4月1日以後に取得等をする医療用機器について適用し、個人が同日前に取得等をした医療用機器については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和3年4月1日から適用される。

14 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度の改正(措法13の2関係)
改正の内容

 適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。

15 特定都市再生建築物の割増償却制度の改正(措法14等関係)
(1)改正の内容

 対象となる民間都市再生事業計画の認定要件の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和3年4月1日以降に認定申請のあった民間都市再生事業計画について適用される。

16 特別償却等に関する複数の規定の不適用措置の改正(措法19関係)
(1)改正の内容

 個人の有する減価償却資産の取得価額又は繰延資産の額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額につき試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の適用を受けたときは、その減価償却資産又は繰延資産については、租税特別措置法の規定による特別償却又は税額控除制度等は、適用しないこととされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

17 農業経営基盤強化準備金制度の改正(措法24の2等関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長された。
① 対象者が農地中間管理事業の推進に関する法律の規定により公表された協議の結果において、市町村が適切と認める区域における農業において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者とされたものに限定された。
② 必要経費算入限度額となるその年分の事業所得の金額について、積立て後5年を経過した農業経営基盤強化準備金の取崩しにより総収入金額に算入される金額を総収入金額に算入しないものとして計算することとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和5年分の所得税について適用し、令和4年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

18 農用地等を取得した場合の課税の特例の改正(措令16の3関係)
(1)改正の内容

 必要経費算入限度額となるその年分の事業所得の金額について、上記17②と同様の見直しが行われた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

第四 その他の改正

1 セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の改正(措法41の17等関係)
(1)改正の内容

 次の措置が講じられた上、適用期限が令和8年12月31日まで5年延長された。
① 適用対象となる医薬品の範囲について、次の見直しが行われた。
 イ その使用による医療保険療養給付費の適正化の効果が低いと認められるものが除外された。ただし、令和4年1月1日から、同日から令和8年12月30日までの間の一定の日までの期間内に行った一般用医薬品等の購入の対価の支払については、この除外する措置を適用しないこととされた。
 ロ その製造販売の承認の申請に際して改正前の本特例の対象となる医薬品と同種の効能又は効果を有すると認められる医薬品(改正前の本特例の対象となる医薬品を除く。)のうち、その使用による医療保険療養給付費の適正化の効果が著しく高いと認められるものとして一定のものが追加された。
② 本特例の適用を受ける者がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行ったことを明らかにする書類の確定申告書への添付又は提示を要しないこととし、その取組の名称その他一定の事項を特定一般用医薬品等購入費の明細書に記載しなければならないこととされた。この場合において、税務署長は、その適用を受ける者に対し、確定申告期限等から5年間、その取組を行ったことを明らかにする書類の提示又は提出を求めることができることとし、その求めがあったときは、その適用を受ける者は、その取組を行ったことを明らかにする書類の提示又は提出をしなければならないこととされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和4年分以後の所得税について適用し、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和4年1月1日以後に令和3年分以後の所得税に係る確定申告書を提出する場合について適用し、同日前に確定申告書を提出した場合及び同日以後に令和2年分以前の所得税に係る確定申告書を提出する場合については従前どおりとされている。

2 青色申告特別控除の改正(措法25の2等関係)
(1)改正の内容

 電子帳簿保存法の改正による国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度の見直しに伴い、電子帳簿保存による65万円の青色申告特別控除の適用について、次の改正が行われた。
① 「電子帳簿保存」について、改正前の電子帳簿保存法の要件を改正後も維持することとされた。
② 改正前の要件とされていた「電子帳簿保存法の承認を受けること」を不要とし、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用にあたってあらかじめ所轄税務署長に提出することとされている「適用届出書」を提出しなければならないこととされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和4年分以後の所得税について適用され、令和3年分以前の所得税については従前どおりとされている。

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